赤ちゃんにアイプチはしても大丈夫? 成長に合わせれば自然な二重は可能?
目・二重整形 (二重埋没法)
公開日:2018/12/25
確かに、パッチリとした二重まぶたの目は魅力的です。しかし、生まれて間もない赤ちゃんにアイプチを使用しても大丈夫なのでしょうか?
今回は、アイプチをはじめとした「二重のり」タイプのメイクグッズを、幼児に使用しても大丈夫なのか、また幼児期から使う事で二重まぶたになる可能性などがあるのかについてご紹介します。
二重メイクグッズ「アイプチ」とは?
今や、半ば常識のように利用されているメイクアイテムの一つが、アイプチと呼ばれる、二重まぶたを作るための商品。主に、まぶたに塗り付けて二重のラインを作りたい部分を張り付ける糊タイプと、粘着力のあるテープで二重のラインを作るテープタイプがあり、最近ではこれに加えてまぶたをシリコンゴムなどで固めて二重まぶたにする「皮膜式」と呼ばれるタイプがあります。
アイプチという名称は本来は一つの商品名なのですが、現在ではこうした二重まぶたを作るグッズの総称として利用される事も多く、アイプチではなく「ふたえのり」と総称される事もあります。
これらは基本的にメイク時に二重まぶたを作るための商品であり、メイクを行う年齢の方を対象とした商品となっていて、幼児などへの利用が想定されているものではありません。
アイプチって赤ちゃんに使って大丈夫なの?
以上のように、アイプチはお手軽に二重まぶたをつくることができる便利なアイテムです。しかし、アイプチには二重まぶたのラインを作るために接着成分をはじめとするさまざまな成分が配合されており、肌質によってはかぶれや炎症、痒みなどの症状が現れることがあります。
ある程度肌が強くなり、メイクを行っている大人の肌に使ってもこのようなトラブルのリスクがあるという点で考えれば、アイプチは皮膚が弱く、傷ついたりダメージを受けたりしやすい赤ちゃんには使用すべきではないということがわかります。
アイプチを無理に使ってしまうと、まぶたが炎症を起こして腫れてしまったり、場合によっては皮膚に大きなトラブルが発生してしまう可能性もあります。
まぶたは遺伝子の影響を受けるため、両親のいずれか、または片方が一重まぶたの場合では、一重まぶたの赤ちゃんが生まれてくる確率が高くなるといわれています。これに該当するお母さんの場合では、赤ちゃんが成長する前に二重まぶたにしてあげたいという思いがますます募るかもしれません。ですが、上記で説明したとおりアイプチには刺激が強い成分が配合されていますので、赤ちゃんに使用してはいけません。
赤ちゃんのお肌にトラブルが起こったら、最悪そのトラブルの跡が傷となって残ることも考えられます。万が一そのようなことになってしまったら赤ちゃんが可哀そうですし、お母さんとしても後悔が残ることでしょう。そのようなことにならないためにも、生まれたばかりの赤ちゃんのお肌には手を加えず、優しく成長を見守ってあげることが大切です。
トラブルが発生しなくてもアイプチで二重の「癖」は基本的につかない
また、仮にまぶたへのトラブルが発生しなかったとしても、幼児期からアイプチを使ったからと言って二重まぶたになるという事はありません。
アイプチなどメイクグッズの継続使用によって二重まぶたができるという意見は、まぶたを毎日折りたたんでいる事で、その部分にシワができて二重まぶたになるというような内容が多いですが、こうやってできるのはあくまでもシワであって、二重まぶたのラインではありません。
一重まぶたと二重まぶたの違いは、基本的にはまぶたを持ち上げる眼瞼挙筋という筋肉が、まぶたを中間から持ち上げるようについているか、まぶた全体を引き上げるようについているかという違いであって、まぶたにシワができても、筋肉のつき方、構造が変わっていなければ本当の二重まぶたにはならないのです。
アイプチを使い続ける事で二重まぶたになったという人は、そもそも二重まぶたの構造をもっていながら、まぶたの脂肪の厚みなどの関係で二重になりきらない状態が、加齢による変化などでまぶたが薄くなり二重になったというもので、元々二重になる素質があったという場合に限られます。
一部、奥二重の人が、アイプチの使用によってまぶたにシワができる事で、折りたたまれる位置が変化して二重まぶたになるというケースはありますが、こうした変化はある程度成長してからでないとおこりませんので、幼児期にはやはりやめておきましょう。
赤ちゃんは一重まぶたの確率が高い
そもそも、あまり知られていないかもしれませんが、日本人の赤ちゃんのほとんどは、生まれたばかりの頃は一重まぶたであるといわれています。
これは両親が二重まぶたで、遺伝的にはほぼ確実に二重まぶたになる幼児の場合でも変わりなく、その理由として挙げられるのは、赤ちゃんは皮下脂肪が多く、それによってまぶたがぷっくりと膨らんだように見える事から、生後しばらくの期間は一重まぶたの状態である事が多いのです。
そして、こうした生後の脂肪の多さによって一重まぶたとなっている場合については、成長するにしたがって目元がスッキリし、ある程度の期間がたてば自然と二重まぶたに変化していきます。
こうなる前に焦ってまぶたに強い刺激となるアイプチを利用してしまい、まぶたの皮膚が刺激によって硬くなったり、厚くなってしまったりすると、二重まぶたになっていくはずだった赤ちゃんも二重にならない場合が考えられますので、やはり赤ちゃんへのアイプチ使用などは避けた方が良いでしょう。
赤ちゃんのまぶたは変化し続けている状態
前述のように、赤ちゃんのまぶたは脂肪が多く、その脂肪が減少していく事で目元の印象もどんどん変化していきますが、赤ちゃんの頃の変化というのはこれだけではなく、日によっても刻一刻と変化していく事が多いともいえます。
そのため仮に、アイプチなどの使用で赤ちゃんのまぶたが二重になったとしても、赤ちゃんのまぶたの皮下脂肪の量や目の骨格はめまぐるしく変化するため、成長とともに元の一重まぶたに戻ってしまう可能性が高いといえます。
遺伝というのは生まれてから成長していく段階で大きく影響してきますので、幼児期に無理やり二重にしたところで、本来一重になる体質であれば、自然と一重に戻っていってしまう可能性が高いのです。
リスクを冒してまで二重をつくったとしても、元に戻ってしまう可能性があるのでは、デメリットばかりになってしまいますよね。
それならば、アイプチなどで行う強硬手段ではなく、生後3カ月を過ぎたあたりから優しくマッサージをしてあげてみてはいかがでしょうか。
無理に二重まぶたを目指すのではなく、まぶたの血流やリンパを促し、健康的な成長を促進する事で、ぱっちりとした明るい印象の目元を目指す事ができますよ。
以下では赤ちゃんに行える目元のマッサージをご紹介しておきますので、ぜひ参考にしてみてください。
赤ちゃんの二重まぶたマッサージ
1.人指し指または中指の腹で、目頭から目尻に向けて撫でる
2.5回程度繰り返す
なお、このマッサージを行う際には爪の長さに十分注意してください。また、赤ちゃんの皮膚は非常に薄くデリケートであるため、余分な力を入れるとすぐに傷つきますし、力によって眼球が圧迫されると、眼球に問題が生じるリスクも高まります。
赤ちゃんのまぶたをマッサージする際には、くれぐれも力を入れないように注意して、撫でるように優しく行いましょう。
大きな変化が現れ始めるのは3歳すぎあたりから
赤ちゃんをぱっちりとした二重まぶたにしたいという思いでマッサージを開始しても、成長による変化が著しい時期であるため、なかなか二重まぶたにならないことがあるでしょう。
実際に、目元に大きな変化が現れ始めるのは、運動量が赤ちゃん時代よりもはるかに増える3歳すぎあたりからです。
この時期を迎えると、大人との会話もそこそこできるようになりますので、表情も豊かになってきます。すると、眼輪筋をはじめとする表情筋も急激に発達してきますので、まぶたにも変化が現れやすくなります。それによって二重まぶたになるかどうかは未知数ですが、目元の成長を健やかに促してケアを行っていれば、目の周囲の筋肉もしっかりと発達し、ぱっちりと、表情豊かな目元に近づく事ができます。
前述のとおり、そもそも完全に一重まぶたの遺伝が強くでた場合には、まぶたの構造そのものが全く異なる状態となるため、自然な二重になるという事は難しいですが、健康的な目元はそうでなくても大きな魅力となりますので、無理に二重まぶたを目指すのではなく、何よりもまず健やかに成長する事を優先しましょう。
完全な一重まぶたを二重にするためには美容整形で
完全な一重まぶたの場合、二重まぶたを手に入れるためには美容整形による手術が必要となります。
二重まぶたを作る整形としては「埋没法」や「切開法」と呼ばれる方法がありますが、これらの手法は、まぶたの筋肉と皮膚を糸でつなぎ留めたり、皮膚の組織を除去したりして、生まれつきの二重まぶたと疑似的に同じ構造を作るというものです。
手術自体は数十分、日帰りで行えるほど負担が軽いものも多く、また最近ではこうした二重まぶたの美容整形を受けたという事を周囲にカミングアウトする人も増え、あまり抵抗がなくなってきている手術でもあります。
どうしても子供を二重まぶたにしたいのであれば、無理にアイプチなどで対策を行うのではなく、こうした整形術を利用する方が、安全に、理想的なまぶたを手に入れられます。
思春期頃はまだ骨格なども変化途中であるため手術が行えない場合もありますが、どうしても子供を二重にしたい、そして子供も二重になりたいという場合には、一度クリニックのカウンセリングで相談してみてはいかがでしょうか。