施術の解説
ここ最近で新たに注目されている美容医療のひとつに、再生医療を活用した美肌・抗老化治療「ACRS療法」があります。
ACRS療法は、下記のステップで施術を行います。
①患者様の血液を採取し3時間かけて細胞を培養する
②培養することで血球成分から成長因子や抗炎症サイトカイン(IL-1拮抗物質)などが分泌放出される
③培養した血液をさらに遠心分離にかけて血球成分を取り除く
④培養+遠心分離の過程によって高純度・高濃度化した血漿成分を皮膚に注入する
次に以下のような効果が期待できます。
・肌質改善(ハリ・ツヤアップ、くすみ改善)
・ニキビやニキビ跡などの改善
・小じわやちりめんじわなどの改善
・毛穴の開き、黒ずみなどの改善
・育毛(頭皮の注入した場合)
患者様ご自身の血液を活用した美肌再生療法としては以前からPRP(多血小板血漿)療法がありますが、この治療の進化版ともいえるでしょう。今回はこの新しい美肌・エイジングケア治療となるACRS療法の症例を紹介したいと思います。
今回お受けになられた方は29歳女性の方です。
以前、下瞼脱脂法(切らないたるみ取り)を他のクリニックで受けたことがあるそうで、その際に生じた下まぶたの小じわ・たるみ、さらに皮膚にできた青クマをACRS療法で改善したいとのことでした。
※余談ですが、昨今人気の「切らないたるみ取り(下瞼脱脂法)」は脂肪(眼窩脂肪)を除去することで目の下の膨らみ(目袋)を目立たなくすることができる施術ですが、術後の副作用として目の下に小じわやたるみ、クマが生じることが比較的高い確率であります。この症状については他院修正としてご相談を頂くことがしばしばありますが、一度除去した脂肪は元に戻すことができないこともあり(もちろん脂肪を再度注入すれば膨らみますが、それはそれで、一度目の施術と真逆なことをすることになるので本末転倒ではないかと考えています)、当院では下まぶたのたるみ取り・クマ取りとして「切らないたるみ取り(下瞼脱脂法)」は推奨していません。
術後の写真は1ヶ月目を示します。
今回の症例では、ご本人が気にしていた下まぶたを中心に手打ちで注入を行っています。
自己血を活用した再生医療は、異物を注入しないこともあって昨今特に注目されている美肌・エイジングケア治療ですが、すでに整形外科分野などでは関節痛などを改善する治療法として以前から使用されており、実際に利用しているプロアスリートも多いようです。
今後、しわ、たるみ、毛穴、にきび、ニキビ跡、薄毛など様々な肌トラブルのご相談に対応できる可能性を秘めた治療であり、日常診療でも積極的に活用していく予定です。
※ACRS療法の価格については、一般的には1回10~15万円程度で設定しているクリニックが多いようですが、当院では当面1回88,000円で提供していきたいと考えています。(2023年10月現在/価格は改定する可能性もあります)