これで1日中快適!ワキガのにおいを抑えるための対策方法とは?
わきが手術・多汗症治療 (その他(ワキガ治療))
公開日:2019/01/25
ワキガのにおいの原因
ワキガのにおいを抑えるために、そもそもワキガのにおいは何が原因なのかについて知っておきましょう。
ワキガがあの不快なにおいを発生させる原因は、主に以下の3つです。
アポクリン汗腺から出るたんぱく質の多い汗
私たちが通常「汗」と聞いて思い浮かべるのは水玉のような汗かと思いますが、ワキガの原因となる汗は、この汗と全く性質が違います。
水玉状の汗はエクリン汗腺というところから分泌される汗で、毛穴とは違う場所から出るもの。汗の99%が水分で、水が蒸発する時に体温を下げるという体温調節の役割を持っています。体温調節のためにでる汗ですので、運動などによって体温が上昇した際に発汗するようになります。
一方、アポクリン汗腺は毛穴の中にある組織で、汗とはいってもたんぱく質などが多く含まれ、黄色くドロッとした分泌物として出てきます。
このアポクリン汗腺から出る汗はそもそも体臭を出すための汗と言われ、体温変化とは別に、一定の分量が分泌されるもの。
また、水分の多い汗を出すエクリン汗腺は全身にあるのに対し、アポクリン汗腺がある場所は体の特定部位にしか存在せず、耳の周囲や脇、股間部分などに限定されます。このことから、アポクリン汗腺は体臭を作り出しフェロモンとしての働きを行うものとして考えられています。
アポクリン汗腺がどの程度あるか、また活発に働くかどうかは遺伝要素が強く、これがワキガになるかならないかは遺伝によって決まるといわれる理由です。
アポクリン汗腺の働きが強いかどうかは、特に耳垢が湿っているか乾いているかで判断しやすいとされていて、耳の中はアポクリン汗腺が多い場所であるため、耳垢が常に湿っている人の場合はワキガ体質の可能性が高く、逆に乾いている人の場合はワキガ体質の可能性が低いといえます。
汗を栄養にして雑菌が繁殖してにおいを作る
ただし、アポクリン汗腺からドロッとした汗が出たからといって、それがすぐにきついワキガの体臭になるわけではありません。
汗がワキガのにおいに変わるのは、汗に含まれるたんぱく質や脂質などを栄養として、雑菌が繁殖する際に、においの元となる分泌物が作られるためです。
肌にいる常在菌の種類や状況などは人それぞれの生活習慣などにもよるため、この違いもあって人によって体臭の差が生じるという面もあります。
逆に、菌が繁殖しなければきついにおいにはならないため、シャツの脇部分が黄色くなってしまうほどにアポクリン汗腺からの汗が分泌されていても、きついにおいにはならないという場合もあります。
水分の多い汗が蒸発する際ににおいを拡散する
前述の通り、私たちが普段「汗」として認識している水分の多い汗は、それ自体がにおいの原因となっているわけではありませんが、においを周囲に広げてしまう役割を持っています。
というのも、アポクリン汗腺からの汗を雑菌が分解してにおいの原因物質を作ったとしても、その物質が周囲に広がらない限りは体臭として認識される事はないのです。
では、なぜにおいが周囲に広がってしまうのかというと、その原因になるのが水玉の汗です。水分の多いこの汗が蒸発して体温を下げる際、においの原因物質も一緒に蒸発してしまう事で、周囲ににおいが広がり、独特のワキガのにおいを感じさせる事となります。
以上のように、ワキガの原因は「たんぱく質の多い汗が出る事」「汗を栄養に雑菌が繁殖してにおい成分を作る事」「におい成分が汗の蒸発とともに周囲に広がる事」の3つの要素で成り立っているため、逆に言えばこのどれかを解決する事ができれば、ワキガのにおいを止める事ができるといえます。
ワキガのにおいを抑えるための対策方法
まずは、においの原因となるアポクリン腺の活性化を防ぐための生活習慣や、汗をかいた時ににおいの拡散を最小限に抑える効果的な対策方法をご紹介します。
食生活を改善する
毎日何を食べるかは、ワキガだけでなく全身のにおいに関係します。軽度のワキガの人なら、食生活の改善だけでも十分においを軽減する事ができるので、まずは食事を気をつける事から始めましょう。
ワキガの人が避けたい食べ物とは、動物性タンパク質や脂肪分が多いものです。肉や、チーズなどの乳製品はにおいの原因となるアポクリン腺を活性化し、体臭を強くします。ハンバーガーなどのジャンクフードも、動物性タンパク質と脂肪分が合わさった食べ物なのでできる限り避けましょう。
欧米の人は、たとえワキガでなくても日本人に比べてかなり体臭が強い傾向にありますが、これは食生活の影響が大きいと言えます。日本人も、近年の食生活の欧米化によって汗のにおいや口臭などが強くなっていると言われているので、昔ながらの日本食を摂る事が一番のにおい改善の近道になります。
とくに、緑茶や梅干し、そして高酸化作用のある緑黄色野菜などに消臭効果があります。肉食を止めて、野菜中心の日本食を続ける事で、ワキガのにおいもかなり軽減できるはずです。
細かく汗をかく習慣をつける
においを気にしてなるべく汗をかかないようにしている人は、それが逆効果になってにおいが強くなる事があります。
というのも、前述の通り水分の多い汗はにおいの直接的な原因になるわけではなく、またある程度適度に汗をかく事は、ドロッとした汗を菌が繁殖するまえに流してしまうという効果もあるため、汗をかかないようにしていると一か所にドロッとした汗が集まった状態となって、菌が繁殖しやすくなってしまう可能性があるのです。
また、普段から汗をかかない人は老廃物が蓄積された状態となっているため、何かの拍子で汗をかくと、その際に濃度が濃いベタベタの汗を多く書きやすくなって、強いにおいを発します。
とくに、冬の間はほとんど汗をかかないので、夏場よりもにおいが強くなるという人が多いようです。汗をかきにくい季節ほど、運動する習慣をつけたり湯船にしっかり浸かり、意識的に汗を出してにおい対策をしましょう。
においを気にしすぎない
緊張している時の汗はいつもよりもにおいが強いと感じた事があるはずです。医学的にも、緊張やストレスによってアポクリン腺が活性化し、ワキガのにおいが強くなる事が分かっています。
「今におっているかも・・」と心配になるほど、その緊張が悪循環になってにおいを発してしまうので、あまり気にしすぎない事も大切です。なかなか難しい話かもしれませんが、例えばカバンの中に汗拭きシートなどを常備しておけば、たとえ汗をかいてもすぐに拭けるので安心感があります。そういった自分にとっての安心できるアイテムを持ち歩くと、精神的な発汗を防ぐ事ができます。
また、ワキガの人は常ににおいを気にして精神的に疲れてしまう傾向にあるので、自宅にいるときなどはできるだけリラックスできる環境をつくる事も大切です。
においというのは自分で判断する事が難しく、そのせいで「におってるかも」と余計な心配、ストレスになる事も多いので、においが心配な方はまず一度、専門のクリニックでにおいの程度がどの程度かをしっかり診察してもらうだけでも、受診してみると良いでしょう。
ワキ毛の処理をする
前述のように、汗は、かいたばかりの時はほとんど臭いません。時間が経つにつれて雑菌が繁殖し、強いにおいを発するようになるのです。ワキ毛を処理していないと、汗が流れずにワキ毛部分に溜まるので、雑菌が繁殖しやすくなります。
女性でも、冬の間はワキ毛の処理をしない人がいますが、厚手の冬服で熱がこもりやすいうえにワキ毛に汗が溜まるので要注意です。季節に関わらずしっかりワキ毛の処理をするか、それが面倒なら脱毛してしまった方が手間もかかりません。よく、脱毛してからにおいが無くなったという人がいますが、それはレーザーの効果では無くワキ毛が無くなり、雑菌が繁殖しにくくなったからです。
ちなみに、ワキガの人の特徴としてワキの皮膚の色が濃いというものがありますが、これも脱毛する事によって改善が期待できるといわれています。
服ににおいをうつさない工夫をする
汗をかいてしまった時に厄介なのは、服ににおいがついてしまう事です。一度服についた臭いは洗濯しないと落ちないので、着替えるしかありません。
服ににおいをつけない為には、まずはデオドラントシートでマメに拭く事です。もしデオドラントシートを持っていなければ、濡らしたハンカチなどですぐに汗を拭くだけでもいいので、とにかく服に汗がつく前に拭いてしまいましょう。
もし、会議中などすぐに拭けない場合は、汗ワキパットなどを利用するのもいいでしょう。今はカサカサと音がしないものや、つけている事が分からないものが販売されているので、活用するのもひとつの手です。
それでも汗が漏れてしまった時の為に、着替え用の肌着を1枚用意しておくとさらに安心です。薄いものならカバンに入りますし、会社のロッカーに入れておいてもいいでしょう。
汗の分泌を抑えるデデオドラントを使用する
デオドラントにはいくつかの種類がありますが、中でもおすすめなのは汗腺をふさぎ、汗そのものが出てこないようにするタイプのものです。
殺菌によってにおいを解消するタイプのものは、菌が繁殖する事によってにおいが強くなるのを防ぐ効果はあっても、ずっとにおいを抑えるためには不向きである事や、作られてしまったにおい成分を消す事はできない場合があるため、持続するケア方法としては適していません。
汗を止めるタイプのケアであれば、塗った後しばらくはそもそも汗の排出が抑えられるため、においが作られる事がなく、安心して生活する事ができます。
ただし、脇の汗を止めると代償性発汗といって他の部分で汗をかきやすくなる事があるため、そのケアはしっかりと行うようにしましょう。
医療用のデオドラントを使用する
市販のデオドラントではにおいを抑えられない人には、病院で取り扱っている医療用のデオドラントをおすすめします。市販のものよりも効果が強く、しかも長続きするので1回の使用で3〜5日間汗を抑えることができます。
1日に何度も塗り直す必要が無いので、忙しい人のにおい対策としてはとても便利です。また、医療用のデオドラントを使っているという安心感で「におっているかも」という緊張が無くなり、よりにおいを防げるというメリットもあります。
逆効果になるにおい対策
においを抑えるためにやっている事でも、残念ながら逆ににおいを強くさせてしまう方法もあります。心当たりがある人は、それを止める事でにおいが軽減するかもしれません。
ワキを濡れたままにする
ロールオンタイプの制汗剤を使った後に乾かさずに服を来たり、外出先でワキを拭いた後に濡れたままにしておくと、雑菌が繁殖しやすくなってにおいの原因になります。
生乾きの洋服をイメージすると分かりやすいように、服のにおいは湿っている時がもっとも強くなります。ワキを乾かしてから服を着る、そしてデオドラントシートでワキを拭いた後は乾いたハンカチで再度拭くなどして、ワキは濡れたままにしないよう注意しましょう。
香りで誤摩化す
香水や、香りのついたデオドラントスプレーでワキガのにおいを誤摩化そうとするのは逆効果です。ワキガのにおいがそれで消えるわけでは無いですし、におい同士が混ざり合って周囲の人はとても不快に感じているかもしれません。
場合によっては香水のオイル成分などが菌の繁殖を促し、余計ににおいがきつくなってしまうという事もあります。
そもそも、フローラルな香りのするデオドラントスプレーなどは、消臭効果はそれほど無いのでわきがの人には気休め程度にしかなりません。デオドラントを使うなら、おすすめした医療用のものなど、しっかりとにおいを防ぐ効果のあるものを使った方がいいでしょう。
まとめ
ワキガのにおいを抑えるための対策方法をご紹介しました。どれも難しい事ではなく、食生活の改善や運動、汗の対処法など基本的な事ばかりです。
ワキガはもともとの体質と諦めずに、ちょっとした対策を続ける事でにおいを軽減する事が十分に可能ですから、ぜひ取り入れてみてくださいね。