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日焼け止めの種類はどういうものがあるの? それぞれの特徴と選び方

シミ取り・肝斑・毛穴治療 (その他(シミ・毛穴治療))

解説 口コミ広場編集部

公開日:2019/02/26


私たちの肌を美しく保つために、最も重要な事は、実は十分なスキンケアコスメを使う事でも、美肌治療を沢山受ける事でもなく、紫外線をしっかりブロックする事かもしれません。
それというのも、肌のダメージや老化のほとんどは、紫外線のダメージによる光老化が原因で、肌老化の実に80%以上は、光老化が原因になっているとまでいわれています。

そんな肌の大敵ともいえる紫外線から身を守る方法の一つが日焼け止めです。
日焼け止めというととにかく美白を目指したい人や、シミができるのを防ぎたい人が使うというイメージが強いですが、そういった美肌を追い求める人たちだけではなく、何歳になっても肌をきれいに保ちたいのであれば、普段から絶対に取り入れておくべきアイテムなのです。

でも、毎日使うとなると気になるのはどんな商品を選べば、一番肌のために良いのかという事ですよね。今回は、そんな美肌の強力なサポートアイテム「日焼け止め」について、どんな種類があるのか、そしてどういうものを選べばいいのか、ご紹介します。

日焼け止めの成分は大きく分けて2通り

日焼け止めを日常ケアとして取り入れようとしたとき、一番最初に注意したいポイントは、日焼け止めの成分のタイプです。


日焼け止めには、大きく分けて「紫外線吸収剤」と呼ばれる成分が使われているものと、「紫外線散乱剤」と呼ばれる成分が使われているものの2種類があります。


透明で使いやすいけれど肌にダメージがでる可能性のある「紫外線吸収剤」

まずは、とくに多くの日焼け止めに使われている紫外線吸収剤を紹介します。

紫外線吸収剤は、その名前の通り、紫外線を吸収して無効化するタイプの美容成分で、紫外線が当たると化学変化によって紫外線のダメージを吸収し、肌にダメージが加わる事を防ぐものです。

成分の種類にもよりますが、紫外線をブロックする力はとても強く、また沢山配合しても無色透明に仕上げる事ができるので、多くの日焼け止めに利用されています。日焼け止めを塗って白浮きするのが嫌だという人は、紫外線吸収剤が使われた無色透明のものを使えば、メイクなどの邪魔をすることがありません。


ただし、気を付けたいポイントが2つあり、一つは吸収剤が紫外線と科学反応を起こす際に熱が発生するため、この熱が肌への弱いダメージとなりやすい事があります。

紫外線が直接当たるダメージと比べればとても小さいダメージではあるのですが、刺激によって肌が乾燥しやすくなったり、かゆみなどのトラブルが引き起こされたりすることがあるので、もし肌に合わない場合は利用を中止したほうが良いでしょう。


もう一つが、紫外線吸収剤は紫外線と反応するにしたがって徐々に成分が減少していくため、長時間日差しにあたる場合には、こまめな塗りなおしが必要になるという点です。


以上のように、肌への刺激や使い方への注意はありますが、塗っても目立つ事のない紫外線吸収剤は、非常に扱いやすい日焼け止め成分だといえるでしょう。


鏡のように紫外線を跳ね返す「紫外線散乱剤」

もう一方が、肌表面に鏡のように膜を張る事で、紫外線を跳ね返す役割の紫外線散乱剤です。

成分としては酸化チタンなど、鉱物を細かくしたものが利用されているケースが多くなります。


紫外線散乱剤は、鏡のように跳ね返すという特徴があるため、光を反射して白くなりやすいという特徴があります。適正量を塗ると白浮きしてしまうタイプが多く、肌の質感を変えたくないという方には扱いにくい成分です。


そのかわりに、紫外線が肌にあたる前に跳ね返すというシンプルな防御方法である事から、肌への刺激はとても弱く、肌が敏感でも利用しやすいというメリットがあります。

また、紫外線吸収剤のように時間経過と共に紫外線への防御力が低下するというものではないので、長時間の利用でも安心感があります。


ただし、紫外線散乱剤は肌表面に張り付いて鏡の幕を形成しているだけであるため、やや水に流れやすく、汗などではがれてしまったら塗りなおしが必要となる場合があります。

夏場に使うのであれば、汗をかいても簡単には流れないような配合がされたものを利用するようにすると良いでしょう。


日焼け止めに書かれた数値などの意味

紫外線をブロックする商品には、ほとんどの場合で「PA+++」や「SPF20」などの数値が表記されています。

この数値は、外出時の状況に合わせた日焼け止めを選ぶために重要なポイントとなりますので、それぞれの数値の意味を知っておきましょう。


赤く焼ける(紅斑)を防ぐ力を示すPA

「PA+++」などと記載されている部分のPAとは、「Protection Grade of UVA」の略で、UV-Aという紫外線に対する防護力の度合いを示しています。


紫外線には大きく分けてUV-AUV-BUV-Cという3種類があり、その内のUV-Aは、最も可視光線(目に見える光)に近く、ブルーライトに近い光です。

UV-A、肌にあたってもすぐに大きなダメージを引き起こすものではなく、日焼けした後のひりひり感を引き起こすようなタイプではないのですが、肌の奥に浸透する性質がある事から、真皮部分にダメージを与えるという特徴があります。


真皮とは肌の弾力を保っている部分の事で、真皮がダメージを受ける事で肌のコラーゲンが減少し、肌がハリを失い、シワやたるみといったエイジングトラブルが発生しやすくなります。

また、肌の奥まで到達する事から、シミや日焼けによって肌の色が変わる原因の「メラニン」の合成を促進するという作用もあり、UV-Aを沢山浴びる事で、肌にはシミやシワといったトラブルができやすくなってしまうのです。


そんなUV-Aから肌を守る強さを表すものがPAで、横につく「+(プラス)」の数が多いほど、UV-Aを防ぐ力は強くなります。


目安としては、

・PA+:日常生活(屋内中心での生活)でのケアに最適

・PA++:ショッピングなど長時間外に出かける際に最適

・PA+++:春先のピクニックなど外でのレジャーに最適

・PA++++:夏のビーチなど日差しの強いところでのレジャーに最適

というイメージになっています。


強いものを使うと紫外線を防ぎすぎるというような事はないのですが、効果が強いものは日焼け止め自体が持つ肌への負担も強い場合が多いので、適度な強さのものを選ぶようにすると良いでしょう。


真皮のダメージを防ぐ力を示すSPF

UV-Aを防ぐ力の度合いがPAであったのに対し、UV-Bを防ぐ力の強さが、SPFという数値で表されるものです。

ちなみに、UV-Cについてはそのほとんどが地球のオゾン層に吸収され、はるか上空で消滅してしまうので、特別その対策度合いを示す数値はありません。


UV-Bは、肌表面で吸収される率の高い紫外線で、そのために肌表面に火傷のような炎症状態、「紅斑(赤く炎症を起こす状態)」を引き起こし、ひりひりとした状態を引き起こす性質があります。

肌への直接のダメージが強いため、UV-Bが多く肌にあたると、肌のバリア機能低下や、様々な肌トラブルが引き起こされる原因となります。


SPFは10や50といった数値で表現されますが、この数値はUV-Bが肌にあたる事で引き起こされる紅斑が出てくるまでの時間を、どの程度引き延ばせるかという意味合いの数値となります。

例えば、何も塗らない状態で一定のUV-Bを浴びると1分で肌が炎症を起こして赤くなる(紅斑ができる)人が、SPF10の日焼け止めを塗れば、炎症を起こすまでの時間が10分に伸び、SPF50のものを使えば、50分にまで引き延ばされます。


肌が炎症を起こすまでの時間は、その人の肌質や、日差し(UV-B)の強さによっても変わりますが、夏の非常に強い日差しの場合でいえば、肌が弱い人であれば5分も外にいれば炎症を起こしてしまう事はあるので、こういう時はSPF50など強力なものを利用すれば、その時間は250分(4時間程度)まで伸ばせるという事になります。


ただし、やはりSPFが高く効果の強い日焼け止めは肌への刺激が強くなりがちという面もありますので、とにかく効果が強いものを選ぶのではなく、室内にいる事の多い日常生活であれば10程度、日差しがそこまで強くない日の外出であれば30程度にするなど、適度な強さのものを選ぶようにすると良いでしょう。



以上のように、日焼け止めはPAとSPFという二つの表示を見る事で、その効果の強さをある程度把握する事が可能ですので、自分の利用シーンに合わせた強さのものを選ぶようにしましょう。


部位などによって形状も使い分け

日焼け止めは様々なタイプのものが販売されていますので、利用する部位や使う状況などによっても選び方を工夫すると良いでしょう。


保湿しながら使いやすいクリームタイプ

日焼け止めのベーシックなタイプである日焼け止めクリームは、肌の保湿ケアをしながら利用できるという点で非常につかいやすいタイプです。顔だけではなく、体用のものも多く販売されていますし、化粧下地として利用できるようなものも多いので、日常使いのものはまずここから見てみると良いでしょう。紫外線吸収剤と散乱剤がバランスよく配合され、肌に負担がかかりにくい商品が多いのも一つの特徴です。

ただし、クリームは油性成分であるため、オイリー肌の方など、油分が多い商品を使うと肌がべたついたり、荒れてしまうというような場合には、油分が少ないジェルやローションなどを中心に利用したほうがいいでしょう。


強めの日差しケアにこまめに使いやすい乳液タイプ

メイクの上からも使いやすく、追加の保湿ケアとしても利用しやすいのが乳液タイプの日焼け止めです。

こちらも紫外線吸収剤や散乱剤が適度に配合されたものが多く、肌に負担のかかりにくい商品が多いといえます。

クリーム同様、オイリー肌の方には相性が良くない場合がありますが、こまめに塗りなおしてメイク直ししながら保湿と紫外線ケアを行うという方にはおすすめだといえます。


べたつきや白浮きが苦手ならジェルタイプ

ジェルタイプのものは、多くの場合で紫外線吸収剤が中心に利用されていて、白浮きせずに使いやすいという点がメリットです。

また、油分が少ないためべたつきを感じにくく、さっぱりとした質感が好きな方にも向いています。

ただし、メイクの上から塗りなおしなどで利用するのは難しいので、ボディ用を中心としての利用となるほか、成分的には肌への刺激が強くなりがちなので、適度な強さのものをちゃんと選ぶようにしたほうが良いでしょう。


髪のケアなどに便利なスプレータイプ

日焼け止めをスプレーで噴射できるタイプは、髪の紫外線ケアなどに効果的です。

髪は体の中でも最も紫外線を浴びやすいのにも関わらず、しっかりとケアが行えておらずダメージを受けやすい部分なので、スプレータイプのものを積極的に利用してUVケアを行うようにすると良いでしょう。


手軽に塗れて塗りなおしも便利なスティックタイプ

最近になって販売され、人気となっているのが日焼け止めスティックです。

固形状の日焼け止めを、さっとなでるように塗る事ができ、手につくような事もないため非常に楽に扱えるという事で、韓国で人気となってから日本にも入ってきました。

広く塗るのにも、塗りなおしにも便利なタイプの日焼け止めであるため、日常使いとしてかばんに常に入れておくと良いかもしれません。


飲む日焼け止め(日傘サプリ)は塗るタイプの日焼け止めと一緒に!

日焼け止め効果を期待できるとして、ここ数年で定番となりつつあるものの一つが、飲む日焼け止めと呼ばれるサプリメントです。

飲む日焼け止めとは、高い抗酸化作用を持った美容成分を中心としたサプリメントで、服用し続ける事で肌の炎症が抑えられやすくなり、商品によっては紫外線を浴びてから肌に紅斑が起こるまでの時間が56%引き延ばされたという結果もあります。


飲む日焼け止めとは呼ばれているものの、塗る日焼け止めのように紫外線をブロックするという作用があるわけではなく、基本的には肌の細胞を健康にすることで、紫外線によるダメージを受けても、耐えられる肌質を作るというものとなっています。

ちなみに、先ほど「56%」という数値を出しましたが、これは塗る日焼け止めでいえば、SPF1.56に相当するという事になりますので、このサプリメントだけで紫外線ケアを完了させるという事はできないという事がわかると思います。


ただし、飲むタイプの日焼け止めは肌そのものを強くするという効果を目的にしていますので、塗るタイプの日焼け止めと併用すれば、その効果は非常に高くなります。

塗る日焼け止めで肌に届く紫外線の量を減らし、肌に届いた紫外線によって受けるダメージを飲む日焼け止めで抑える事で、肌が受ける紫外線ダメージは非常に小さいものにする事が可能となります。


サプリメントだけで対策を行う事はできませんが、相乗効果によって肌の美しさを強力に保つ事ができますので、是非両方合わせて利用してみてください。


一年を通して日焼け止めをちゃんと使ってケアしましょう

以上、日焼け止めの様々な種類と、その特徴や選び方をご紹介しました。


日焼け止めというとどうしても「夏の紫外線が強い時期」にばかり利用する事を考えがちですが、紫外線は年中地上に降り注いでいますし、昼間であれば雨や曇りの日でも紫外線によるダメージを肌は受けています。

紫外線ダメージをケアする事は、肌をいつまでも美しく健康に保つための最も重要なポイントでもありますので、紫外線を防ぐ力や肌への刺激が最適なレベルのものを選んで、一年を通してしっかりと紫外線対策を行うようにしましょう。

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