そばかすって何で若くてもできるの? 年取ってできるシミとはどう違う?
シミ取り・肝斑・毛穴治療 (そばかす治療)
公開日:2019/01/25
ところで、見た目が良く似ているシミとそばかすですが、その違いはどこにあるかご存知ですか?
イメージとしては、そばかすは幼少期頃にできるもので、特に白人などに発生しやすいという印象があるかと思いますが、いわゆるシミとの違いを明確に説明できる人は少ないかもしれません。
両者の違いをきちんと理解することで、シミやそばかすといった症状への最適な対処法が見えてくるようになりますので、ぜひそれぞれの違いや、正しい対処法、治療法をしっておいてくださいね。
シミとそばかすの違いは、発生する原因
まずはじめにシミとそばかすの一番大きな違いをご紹介すると、それは、シミやそばかすが発生する原因が何かという点です。
この違いについて、まずはご紹介します。
肌老化によってできる「シミ」
私たちが「シミ」と呼んでいる症状は、基本的には肌の特定部分だけが黒っぽくなるという症状全般を指し示すもので、その意味ではそばかすもシミの一種に該当します。
ただ、シミといって最初にイメージするものはおそらくこめかみ周辺や手の甲などにポツリとできる数ミリから数センチ程度の黒い範囲ではないでしょうか。このタイプのシミは医学的には「老人性色素斑」と分類されるもので、シミの悩みの半分以上はこのタイプのシミに該当するともいわれています。
老人性色素斑タイプのシミができる原因としては、主に以下のようなものがあげられます。
・紫外線刺激によるメラニンの大量生成
・肌への刺激によるメラニンの大量生成
・紫外線ダメージによるターンオーバー低下
・肌の老化によるターンオーバー低下
・ホルモンバランスの乱れによるターンオーバー低下
・肌ダメージによる真皮層へのメラニン色素沈殿
これらの原因を大きく分けると「メラニンの大量生成」「ターンオーバー低下」「真皮層へのメラニン色素沈殿」という3つの原因となりますが、すべてに共通するものとしては、どれも後天的な影響によるものであり、紫外線をはじめとした肌のダメージや、老化といった現象が原因となってシミになるという点です。
肌に浴びる紫外線量などが多ければ若くてもできてしまう場合がありますが、「老人性」という名がついている通り、基本的には加齢に従ってできやすくなるタイプのシミであり、逆に若いうちにできる事は稀であるという特徴があります。
遺伝要因で幼少期から現れる「そばかす」
以上のように、年を取るほどできやすくなるシミと違い、そばかすはむしろ幼少期に発生するもの。つまり、肌が健康的な状態で、ターンオーバーが低下していなくても発生するものがそばかすです。
そばかす最大の原因は、遺伝だといわれていて、基本的に生まれ持った体質によって発生するかどうかが決まるという点が、いわゆる「シミ」とそばかすの決定的な違いなのです。
紫外線ダメージや加齢などの影響で、肌の一部がターンオーバーの低下を引き起こした場合に引き起こされるものが「シミ」であるのに対し、遺伝要素により、最初から肌の一部でメラニン色素ができやすかったり、ターンオーバーが遅かったりなどの関係で、幼少期から発生してしまうそばかす。生まれた時の体質ですでにできやすいかどうかが決まっているため、通常のシミよりも予防したり解消したりすることが難しいという特徴もあります。
もちろん、そばかすの場合でもそもそもメラニン色素が作られなければ肌は白いままですので、紫外線などによる影響がないというわけではありません。夏には濃くなって目立ちやすくなる半面、冬には薄くなって目立たなくなることから「夏日斑(かじつはん)」と呼ばれる事もある通り、むしろ紫外線の影響を大きくうけます。
最終的には後天的な影響によってできるものではありますが、遺伝という先天的な影響でできやすいかどうかに大きな違いが出るものだと考えるといいでしょう。
そばかすは成長とともに消えていく(目立たなくなっていく)事もありますが、これはどちらかというと遺伝的な要因がなくなるというわけではなく、そばかす以外の部分も肌質が近くなっていく事や、紫外線予防などの適切なケアによって目立たなくなっていくという意味合いが強いため、なるべく放置せずにしっかりとケアを行う事が大切です。
シミとそばかすの特徴と見分け方について
シミとそばかすの原因の違いがわかったところで、それぞれの特徴や見分け方をご紹介しましょう。この違いを知っておくことで、適切な対処をしやすくなるはずです。あなたの肌を悩ませているのは、シミでしょうか? そばかすでしょうか?
シミの特徴と見分け方
シミの原因でお伝えしたように、いわゆる「シミ」は後天的な影響、特に紫外線や生活環境の影響によって発生するものです。長年のダメージの蓄積による肌老化がシミを引き起こす大きな理由であるため、若い頃にシミに悩むという方は多くありません。早い方でも20代後半くらいから増え始め、主に40代以降で、シミに悩む場合が多くなります。
見た目の特徴としては、基本的にぽつんと一か所にできるもので、紫外線を浴びやすい頬やこめかみ、手の甲などにできやすくなります。
シミの種類の中でも悩む人が多い「肝斑」について
いわゆる「シミ」である老人性色素斑以外にも、悩む人が多いものがあり、その一つが「肝斑」といったタイプのシミ。
こちらは主にホルモンバランスの乱れが原因と考えられているもので、やはり後天的な影響が強いシミです。
肝斑は30代以降の女性などに多く、ターンオーバーの低下などによる影響よりも、ホルモンバランスの乱れで過剰にメラニンが作られ続けるという影響が大きいため、輪郭がぼやけたようなシミで現れやすいという特徴があります。
肝斑の場合は顔の左右対称にできる事からそばかすと現れ方が似ていますが、そばかすは鼻の頭などを中心にできやすいのに対し、肝斑は目の下や頬にできやすく、鼻にはあまりできないという違いなどがあります。
皮膚科などで診察を受ける場合、若いころからシミがあったならばそばかす、若いころにはなかったならば肝斑と区別される事もあり、医師でも正確な判断が難しい場合がありますので、肝斑かそばかすかわからなければ、なるべく症例数の多いクリニックで相談してみると良いでしょう。
そばかすの特徴と見分け方
そばかすは遺伝が大きな原因となるため、年齢が若くても生じます。ほとんどの方は幼い子どもの頃からそばかすが出てくるので、思春期にそばかすに悩むことが多いようです。
しかしその分、大人になるとそばかすが薄くなったという方もたくさんいます。ただし、適切なケアを行っていなければ解消されない事も多いので、日焼け止めの利用など、そばかすを悪化させないようなケアを行う事は必要です。
そばかすは、とても小さなシミが無数にあるように見えることが特徴です。形が雀の卵の模様に似ている事から、「雀卵斑(じゃくらんはん)」と呼ばれることもあります。
多くの場合は鼻を中心として広がるように現れ、その色は薄い茶色から濃い茶色というケースが多いです。これは、いわゆるシミとは違い、ターンオーバーの速度はある程度早いため、黒などの濃い色にはなりにくいというのも理由として考えられます。
シミとそばかすの予防について
シミとそばかすの症状は、できやすくなる原因は違っても、基本的には同じ「メラニン色素」という物質が肌に着色を起こす事で発生しているトラブルとう点では変わりません。
つまり、メラニン色素の発生を抑えることができれば、どちらの症状であったとして、ちゃんとケアをすることができるということになります。
最後に、しみとそばかすの予防と対処法についてご紹介します。
シミやそばかすを引き起こす物質「メラニン色素」とは
シミやそばかすで肌に着色を引き起こすのは、どちらも「メラニン色素」という物質です。
メラニン色素とは肌のバリア機能の一つで、主に肌に降り注ぐ紫外線を吸収し、肌内部に到達するのを防ぐ役割を持っている成分。肌の細胞を作り出す「基底層」という部分にある「メラノサイト」と呼ばれる部分で作られてから、肌の細胞に入り込み、細胞の核周辺で、日傘のような役割を果たしている、肌にとって必要不可欠な成分です。
このメラニンは、肌が紫外線を浴びるとたくさん作られるようになっている他、肌が摩擦などの刺激を受ける事でもたくさん作られます。
紫外線を防ぐための物質なので紫外線を浴びたら作られるのは当たり前ですが、肌が摩擦などによってダメージを受けてバリア機能が低下すると、紫外線の影響を受けやすくなるため、メラニンが沢山作られるようになるのです。
ただし、一度作られたメラニンは、肌にずっと残り続けるわけではありません。
夏に日焼けをしても冬には色が白く戻っていくように、メラニンは肌のターンオーバーによって、垢と一緒に少しずつ排出されていきます。
つまり、ターンオーバーが正常に行われていれば基本的にはメラニンがシミになる事は無く、一度は肌の色が濃くなっても時間が経過すれば薄くなっていくという事になります。
シミの予防と対処にはターンオーバーの乱れを防ぐ事が大切
シミは、加齢や肌の老化によってターンオーバーが遅くなり、メラニンの排出が遅くなっていく事が大きな原因となって現れるものです。
前述のとおりメラニン色素はそもそも肌にとって必要なバリア機能の一つですので、基本的にはメラニン色素を消すのではなく、肌のターンオーバーを整えてシミとして残らないようにすることが、健康的で美しい肌を作るためのポイントになります。
ターンオーバーの乱れを防ぐためには肌の老化、ダメージを防ぐ事が大切で、特に肌の老化はそのほとんどが紫外線ダメージによるものでもあるため、日ごろからUVケアをしっかりと行うよう、心がけましょう。
また、過剰な洗顔など肌に対する負担のかけすぎも肌のダメージとなるので、正しいスキンケアを身に着ける事も大切です。
そのほか、十分な睡眠やバランスの取れた食事などで肌のターンオーバーが正常に保たれるようにすることも重要ですので、体の外側と内側両面から、しっかりと肌の代謝が保たれるようにケアをしていきましょう。
強い紫外線はメラニンが完全に排出されなくなる原因にもなる
前述のとおり、基本的にシミというのは肌のターンオーバーを正常に保ち、メラニンが排出されるようにしていれば、予防、解消していく事ができます。
しかし、実は強力な紫外線を浴びた場合はこの限りではなく、注意が必要です。
というのも、通常、メラニンは肌のターンオーバーが行われている「表皮層」の中で作られ、排出されていくのですが、強い紫外線を肌が浴びると、この表皮層と、その下にある真皮層の間を隔てている「基底膜」という部分に穴が開いてしまい、メラニン色素が真皮層に入り込んでしまう場合があるためです。
真皮層はターンオーバーによる入れ替わりが起こらないため、ここに入り込んだメラニンは、時間がたっても排出される事なくずっと留まり続ける事になります。
こうなってしまった場合はターンオーバーをいくら整えてもシミが解消される事はありませんので、医療機関で行われるレーザー治療などによって、真皮層に入り込んでしまったメラニンを破壊し、排出させるようにする必要があります。
どうやってケアしても消えないシミは、こうなっている可能性が高いのでクリニックに相談するようにしましょう。
そばかすはメラニンが作られるのを防ぐ事が重要
そばかすはシミと違ってそもそもの肌質が原因であり、若い年代で単純にターンオーバーが遅れてメラニン色素が排出されなくなっているというわけではないため、どちらかというとその前段階、メラニン色素が作られる事を防ぐという事が大切です。
メラニン色素が作られる原因は、前述のとおり紫外線による影響や、洗顔などによる刺激であるため、UVケア用品を積極的に利用する事や、肌を刺激しない正しい洗顔を身に着けるようにしましょう。
尚、ターンオーバーが遅くなることで現れるシミであれば、ピーリングなどによってターンオーバーを促進する事が有効となりますが、そばかすの場合はターンオーバーの促進よりも肌をしっかり保護する事が大切ですので、あまり利用しない方が良いでしょう。
そばかすが悪化してきてしまった場合には、医療機関でのレーザー治療などでリセットしていく事も可能ですので、早く解消したい場合には一度美容クリニックなどでの相談を検討してみてください。
シミもそばかすも肌の健康を保つ事が第一
いわゆるシミのケアも、そばかすを解消するためにも、肌を健康な状態に保ち、メラニンが過剰に生成されず、蓄積されないという状態を作る事が大切です。
そのためには、やはり肌老化の最も大きな原因である紫外線を防ぐ事や、正しい洗顔、食事や睡眠といった生活習慣の改善など基本的なケアの積み重ねが重要となりますので、一つずつ見直して、正しいケアを行うようにしていきましょう。