【乳頭縮小術】
授乳を行うと、乳頭はどうしても大きくなり、長さも伸びて下垂傾向になってしまいます。授乳とは関係なく、平均よりも多きめの乳頭を小さくする場合も同様に乳頭縮小術の適応になります。
今後授乳をしない方には単純な楔状切除術が行われることが多いですが、授乳機能を温存しながら、乳頭を綺麗に小さくする方法にLewis法があります。当院では全例このLewis法を採用しております。
乳頭の平均的なサイズは高さ9mm、直径10mmといわれています。
直径を小さくする場合、残す乳頭の円周を10×3.14 = 31.4mmとなるよう計算し、余剰部分を楔状に切除します。切除する部分は通常2-3ヵ所です。切除後は丁寧に止血を行い、吸収糸である5-0 PDSで埋没縫合を行います。皮膚縫合は7-0 Nylonという細い糸で行います。
高さを低くする場合、乳頭の頂部に牽引の糸をかけ軽く引きながら、残す高さを9mmに計測し、余剰部を基部から襟巻状に切除します。乳頭の血流をしっかりと温存するため、皮膚のみの切除を丁寧に行います。
切除後は丁寧に止血を行い、吸収糸である5-0 PDSで埋没縫合を行います。皮膚縫合は7-0 Nylonという細い糸で行います。
当院は内部処理として中縫いを高性能吸収性極細糸でしっかりと行い、外縫いはさらに極細非吸収糸で行う、創傷治癒に最良な形成外科的縫合を採用しております。
【乳輪縮小術】
乳輪の平均サイズは直径32〜35mmといわれています。出産や、加齢により乳輪は拡大してくることが多く、乳房自体の委縮も手伝って、乳輪にシワが生じることも稀ではありません。
乳輪の直径が50mmを超えると大きい印象になってきます。乳輪縮小術を行うことで、乳輪の直径が小さくなり、シワも改善いたします。
乳輪の外周で皮膚を切除する方法は、周囲皮膚と乳輪の境界がくっきりと明瞭になってしまい不自然な外観になるおそれがあります。
当院では、傷あとが目立たない乳頭基部で乳輪をドーナツ状に切除し縫合する方法を採用しております。ドーナツ状に切除する幅は、術後の乳輪の大きさを 35〜40mmに設定し、そこから計算し決定します。通常5〜12mmほどの切除幅となります。皮膚の切除後、周囲の皮下を剥離し、巾着縫合を2本かけて乳輪を縮小します。巾着縫合は非吸収性のNylon糸で行います。
当院は内部処理として中縫いを高性能吸収性極細糸でしっかりと行い、外縫いはさらに極細非吸収糸で行う、創傷治癒に最良な形成外科的縫合を採用しております。
【陥没乳頭】
乳首が突出せず、埋まっている状態の乳首を陥没乳頭といいます。
〇グレード 1
陥没乳頭を簡単に徒手的に整復できるが、いずれまたもとに戻る。
グレード 2
〇何とかピンセットなどで引き上げると整復できるが、離すと陥没する。
グレード 3
〇手術によらなければ乳頭は出てこない。
グレード1、2に対しては、Teimourian法を用いて手術を行います。乳輪基部2か所に笹の葉状に皮弁を作成し、皮弁の表皮を切除します。それぞれの皮弁を乳頭直下に作成したトンネルの下を通して交差させ、再陥没を予防します。傷あとは乳輪内におさまり目立ちにくい方法です。
グレード3に対しては酒井法を用いて手術を行います。乳頭を中央で切開し、内部の繊維組織を処理します。切開部の両サイドに笹の葉状の皮弁を作成し、表皮を切除します。両側から皮弁を交差させ再陥没の予防をします。
当院は内部処理として中縫いを高性能吸収性極細糸でしっかりと行い、外縫いはさらに極細非吸収糸で行う、創傷治癒に最良な形成外科的縫合を採用しております。