匿名
20代
女性
症例写真
みずほクリニックが撮影
- 費用は一例であり、モニター価格などの適用、麻酔の有無、使用する器具や施術方法により費用が異なる場合がございます。
- この患者様の費用は施術当時の金額になります。実際の費用はクリニックへお問い合わせください。
クリニックから
施術の解説
ホクロ取りの問い合わせは、美容外科・美容皮膚科ではごくごくありふれたものです。
今回、ホクロでのお悩みとの事で27歳の女性の方が当院へお越しになられました。しかし、実際に診察で見せてもらうと「ホクロ」と呼ぶには意外にも大きいものでした。(※術前写真参照)
生まれつき前腕にある平らなもので、ここまで大きいと「ホクロ」というよりは、むしろ「黒あざ」という呼び方のほうが適切です。
「ホクロ」とその組織学的本態は、全く同じ「色素性母斑」なのですが、何故分けて呼ぶかというと治療方法が異なるからです。小さい、いわゆる「ホクロ」レベルのものですとほとんどのものがレーザーで除去できますが、このくらい大きいものは、レーザーで除去することは実は不可能ではないのですが、かなり難しいです。よって、手術による切除縫合するのが一般的な方法ということになります。
但し、体幹などと違って腕の場合は円筒状の曲面のため縫合創の傷跡が極端に長くならないようにとか、露出部のため出来るだけ傷跡が目立たないように仕上げなくてはならないなど結構気を使います。
そして、それを実現する方法の一つが連続切除(分割切除)という方法です。
まず1回目は、ホクロの中を80%くらいを除去するように切除縫合していったん細い形にします。
デザインによっては、中央ではなくどちらか一方の端に寄せた80%くらいの面積を取るのが正しいという考え方もあります。
(※細くなった黒あざ写真)
何故このような回りくどいことをわざわざするのか?1回で取ってしまえばそれで済むはずなのにと皆様は思われることでしょう。それは、1回で全てを取りきろうとすると、より皮膚同士を大きく左右から引き寄せて縫うことになるので、縫合した創縁にかかるテンション(緊張)が高くなり傷跡が後々幅広くなったり、目立つ形で残ることがあるからです。
体の他の部位であれば、一気に取っても全く問題ないのですが、手足の皮膚の場合それほど伸びる余裕がないので特別に気を使います。いったん寄せて、その後皮膚が充分に伸びて、組織に余裕が生じてから最後に残った分を切除することで、創縁にかかる緊張を最低限に抑えたいという意図からこのように手の込んだ方法を取ります。
そして1回目の手術から、6ヶ月から1年おいて2回目の切除を行うのが一般的です。
(※定規を当ててる細くなった黒あざの写真は1回目の手術から6ヶ月目で、残りを除去する2回目の施術前の皮切りのデザインと状態です。)
そして、患者様が久しぶりにクリニックに訪れたため、術後の写真を撮影しました。(術後は術前から4年目です)
術前・術後を比較しますと傷跡は確かに残っていますが、比較的目立たないほうだと思います。このように全く傷跡がゼロになるわけではないので、アザがずっとあるほうが良いか、傷跡のほうが良いかというどちらか選択の問題となります。しかし、実際は、傷跡がこの程度で済むならむしろ傷跡のほうを選ぶ方が多いように思えます。当院は、あくまで美容外科・美容皮膚科が専門ですが、このように若干形成外科寄りの手術も時々行っております。
今回は、手術による除去症例をお見せしましたが実は部位により黒あざであっても、顔などでは、レーザーでかなりまで薄く出来た例もあります。また、時間があればその症例についても次回ご紹介したいと思います。
施術のリスク・副作用
黒あざの切縫手術に於けるリスク・副作用;傷跡、ケロイド、肥厚性瘢痕、感染、腫れ、内出血、つっぱり感など。