そばかすを早く治すために効果的な治療方法とは
シミ取り・肝斑・毛穴治療 (シミのレーザー治療)
公開日:2018/12/19
その中でも大多数を占めるものが老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)と肝斑(かんぱん)と呼ばれる2つで、全体の半数以上が老人性色素斑に該当し、おおよそ数割は肝斑だとされています。つまり、一般的にシミという場合のほとんどは老人性色素斑もしくは肝斑のいずれかと考えてよいといえます。
しかし、なかにはシミの種類の見分けがつきにくいものもあります。
その一つが今回特集する「雀卵斑(じゃくらんはん)」です。雀卵斑は正式名称ですが、一般的には「そばかす」として知られています。今回は雀卵斑(そばかす)について他のシミとの見分け方や原因、早く治すための治療法などを含めて解説します。
そばかすの特徴、シミとの違いと見分け方
そばかすは両頬から鼻の上を通るようにして直線的に広がるシミのことです。スズメの卵のような形や色をしていることから雀卵斑と呼ばれています。
そばかすは茶色で直径3-5ミリ程度の大きさのシミが、広範囲にわたって散在することが特徴です。
一般的に白人種に多く見られるシミですが、色白の日本人にもできるシミのひとつです。そばかすは鼻を中心にして両頬に出来ることが大半ですが、手の甲や肩、腕など紫外線を受けやすい部位に出来ることも特徴で、すでにあるそばかすも紫外線を受けると色が濃くなる場合などがあります。
そばかすが出来る原因
そばかすは先天性のタイプと後天性のタイプのふたつがあります。
まず先天性の原因としては、そばかすは常染色体顕性(旧:優性)遺伝形式と呼ばれる遺伝形式で、両親のいずれかがそばかすの遺伝子を持っている際に、その子どもは50パーセントの確率でその遺伝を受け継ぐというものです。
先天性のそばかすは幼少期から思春期にかけて表面化しますが、思春期が終わる頃には自然に消えることが特徴です。これには成長に連れて肌のターンオーバーの周期が安定してくることや、メラノサイトなどの肌細胞の働きが大人と同じ様になることがあります。
一方で、後天性のそばかすは紫外線や刺激によってメラニンが過剰に生成されて、それらが色素沈着を起こすことが原因とされています。生成されたメラニンはターンオーバーで排出されますが、加齢や生活習慣などが影響してターンオーバーの周期が乱れることで色素沈着が起こり、結果的にシミになるのです。
後天性のそばかすは基本的には老人性色素斑と同じメカニズムですが、先天性のそばかすがあった人や色白な人はそばかすが出来やすい傾向があり、遺伝的にそばかすの位置にシミが出来やすい事が原因であるともいえます。
このように、そばかすには先天性と後天性のタイプがありますが、先天性は遺伝が原因で子供のうちから出てしまうもの、後天性のそばかすは紫外線や刺激、そしてターンオーバーの乱れが原因で、成長してから表面化するものという違いになります。
先天性のそばかすを予防することは難しいものの、後天性のそばかすは紫外線対策やターンオーバーの正常化を心がけることで防げるため、普段からのケアが重要です。
他のシミとの見分け方
そばかすは特有の特徴こそあるものの、他のシミと混同しやすいのも事実です。ここではそばかすとその他のシミとの違いや見分け方を解説します。
形状が似ている肝斑との違い
肝斑はそばかすやADM(後天性真皮メラノサイトーシス)などと非常によく似ている事があるため見誤りやすいシミのひとつです。肝斑は左右対称に両頬骨周辺に出来るのが特徴です。30歳から40歳にかけて妊娠や出産、生理周期、更年期など女性ホルモンのバランスと強い結びつきがあるとされています。
そばかすが「点」であるならば、肝斑は「面」で広がると言えます。一つ一つのシミの輪郭がくっきりとしていればそばかす、輪郭がぼんやりして全体がしみっぽく見えるようであれば肝斑という見分け方が一般的です。
また、肝斑は鼻の上には現れることは珍しいですが、そばかすは鼻の上にも出来るため見分ける際の一つの基準になります。
点状に出来た老人性色素斑
40歳を超えると目立ち始める老人性色素斑は様々な大きさがあるシミのため、そばかすと混同しやすいとされています。大半は1-5ミリ程度の大きさで境界線が明確な褐色が特徴です。
顔の部位でも最も紫外線を受ける頬骨周辺に現れることが特徴で、そばかすと混ざり合うようにして表面化することもあります。シミが広範囲に及んでいる場合は、医師による診察で判断してもらう必要があります。
炎症跡色素沈着
ニキビの炎症跡や傷口の跡に出来るシミです。そばかすのように小さなシミが広がることもあるため見分け辛いとされています。そばかすと比較してやや赤みを伴うことがあるのも特徴です。
ニキビの他、ひどい日焼けなど肌が炎症を起こすようなトラブルを起こした後に発生した場合は炎症後色素沈着である可能性が高くなります。
このように、そばかすと混同してしまいがちなシミにはいくつかの種類がありますが、素人目に見分けるのは困難な場合がほとんどです。そばかすを早く治すためには医師による診断を受けて適切な治療法を提示してもらうことが大切です。
そばかすの治療法
そばかすの治療法には薬を使ったもの、レーザーなどの光治療があります。ここでは主なそばかすの治療法を紹介します。
内服薬・外用薬
最も手軽な治療法のひとつで、そばかすの原因でもあるメラニンの抑制や色素沈着を防ぐ作用があるL-システインやビタミンCなどの成分を内服薬で摂取し、トレチノインやハイドロキノンなどの肌を白くする成分が含まれる薬を塗布する方法です。体の内側と外側の両面からアプローチします。
光治療と比較して即効性や目に見える効果は低いものの、継続することでそばかすの悪化などを防ぐ予防効果もあるため、基本的な対策として取り組みたい治療法です。
レーザー治療
最も即効性があり、そばかすを根本から治す治療法のひとつです。レーザーの種類によっては永久脱毛の効果が併用できるものもあります。肌がダメージを負うことや術後の若干のダウンタイム、日常生活への影響があるため気軽には出来ない側面があります。コストや通院の手間などの注意点もあります。Qスイッチレーザーやピコレーザー、ロングパルスアレキサンドライトレーザーなど、レーザー治療も多岐にわたるので、ご自身のライフスタイルに合った治療を提案してくれる専門医院を受診するとよいでしょう。
そばかすと肝斑を間違えて治療すると、状態が悪化する場合などもありますので、シミ治療の知識が豊富な医師の元で治療を受けるようにしましょう。
IPL光治療(フォトフェイシャル)
大昔のダウンタイムの長いいわゆる「シミ取りレーザー」と呼ばれる、かつての古いレーザー治療の欠点を補うために開発された治療法で、広範囲に柔らかい光を当てることでシミやそばかすを解消します。ただし、エネルギーソースはあくまでもランプの拡散光なので、波長によっては脱毛効果は見込めません。レーザー光よりも刺激が少ないためダウンタイムや治療時間など、日常生活に影響が少ないのも特徴とは言われていますが、結局のところ誤った高出力での照射や冷却装置の性能次第によってはダウンタイムは同じなので注意が必要です。また、小じわや毛穴の引き締めにも若干の効果があり、利便性も高い治療法として注目を集めています。
ただし、レーザー治療と比べると治療回数が必要になる事も多くなります。
また、レーザーと異なりランプは消耗劣化が激しいです。同じ出力で照射しても「キャリブレーション」という、出力を一定にメンテナンスできる機器でないと毎回同じ効果は期待できません。
そばかすの治療法にはいくつかの種類がありますが、大きく分けて体の内側と外側のそれぞれの治療法があります。それぞれ一長一短の特性がありますので、違いを理解しましょう。
そばかすの予防法
そばかすを予防する方法は紫外線対策とターンオーバーの正常化が最も有効です。
そばかすには先天性と後天性のタイプがありますが、先天性のそばかすは遺伝のため予防することは現実的ではありません。また、思春期の終わりには自然に消えることもあります。対して、後天性のそばかすは紫外線とターンオーバーの乱れが原因ですので十分な対策が可能と言えます。
そばかすを予防するには紫外線対策が基本です。通年で外出時には日焼け止めを活用し、紫外線が強まる春から冬にかけては帽子や日傘を使って紫外線を遮断しましょう。そばかすは両頬だけでなく、肩や腕にも出来るためこれらの部位の対策も忘れないようにしてください。
紫外線や刺激を受けた肌はメラニンを生成して細胞を守ろうとします。メラニンが長期間ケラチノサイトに滞留してしまうと色素沈着を起こしてシミになるため、メラニンを長期間滞留させないことがそばかすの予防法になります。つまり、ターンオーバーを正常化させることが重要と言えます。
一般的にターンオーバーは約28日周期で行われますが、加齢、ストレス、睡眠不足、栄養不足、飲酒、喫煙など様々なことが遠因となり周期が乱れます。この周期を乱す原因をひとつひとつ見直すことが大切です。なかでも、比較的取りかかりやすい睡眠の改善と栄養不足の解消が効果的です。
睡眠は毎日7時間を基準とし、午後10時から午前2時頃に熟睡できるような睡眠を心がけてください。さらに、ターンオーバーの正常化を促す栄養素を摂取しましょう。とくに、必須アミノ酸を含んでいるたんぱく質の卵、牛乳、豆類や、ビタミンCとビタミンEを含む緑黄色野菜や果物、海藻を食事に組み込むといいでしょう。
サプリメントも有効ですが、バランスを考慮すると食事を通じてたんぱく質やビタミン群を摂取する方が望ましいとされています。
そばかすのケアに有効な成分
そばかすは体の内側からケアすることでも治すことが可能です。そのためにはそばかすに効果的な栄養素を摂取することが有効です。
L-システイン
そばかすに限らず肌トラブル全般に有効とされている成分です。L-システインはアミノ酸の一種で、欠乏状態に陥りやすいため定期的に補う必要があります。L-システインはビタミンCと同様にターンオーバーの正常化を促し、肝臓では体の代謝を助ける働きをします。これにより疲れや倦怠感を解消するだけでなく、アルコールなどによる活性酸素の抑制にも役立ちます。
ビタミンC
シミといえばイメージしやすい「ビタミンC」ですが、ビタミンCは肌のターンオーバー促進に重要な成分である他、強い抗酸化作用によって紫外線のダメージを抑え、メラニンの過剰生成を防ぐ働きも持ちます。
ビタミンCは一定時間が経過すると体外に排出されてしまうため、こまめに摂取する事が大切です。
まとめ
そばかすにはレーザーなどの治療以外にも紫外線対策やターンオーバーの正常化などの予防対策も必要です。また、そばかすを解消するのに有効な栄養素の摂取など、体の内側から対策することも必要です。そばかすの特性を正しく理解して、適切な対策を取りましょう。
監修:院長 髙橋貴志【ティアラクリニック川越院】
経歴
1998年 国立・徳島大学医学部医学科卒業
2000年 国立・東京医科歯科大学皮膚科入局
2015年 ティアラクリニック川越院・院長
資格・所属学会
・米国皮膚科学会(AAD) International Fellow
・米国レーザー医学会(ASLMS) Fellow
・欧州皮膚科性病科学会(EADV) International Certified
・欧州レーザー皮膚科学会(ESLD)) 正会員
・大韓皮膚研究医学会(KSID)終身会員
・日本皮膚科学会(JDA) 正会員
クリニックはこちら▶▶▶ティアラクリニック川越院