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シミの解消になぜビタミンCが効果的なのか

シミ取り・肝斑・毛穴治療 (その他(シミ・毛穴治療))

解説 口コミ広場編集部

公開日:2018/11/12


シミに悩む人が必ずと言っていいほど摂取している成分のひとつにビタミンCがあります。ビタミンCには肌のターンオーバーを促進する作用があり、美肌効果もあるとされているためスキンケア成分の代表格と言えるでしょう。

シミにも効果的とされ広く知られているビタミンCですが、そもそもなぜ効果があるとされているのか、そしてどのようにすれば効果的なのかを正しく理解できている人は決して多くないようです。

そこで今回はビタミンCがシミの解消に効果的な理由や、理想的な摂取量、さらにはNG法なども含めて詳しく解説します。

シミのメカニズム

ビタミンCがシミに効果的な理由を知るためには、シミができるメカニズムを理解しておく必要があります。


一言でシミと言っても、医学的な見地では老人性色素斑(日光黒子)炎症後色素沈着肝斑(かんぱん)雀卵斑(じゃくらんはん)などの種類があります。それぞれ発症するメカニズムが異なりますが、シミに悩む人の80パーセント以上は老人性色素斑、炎症後色素沈着、肝斑のいずれかに該当するとされています。


老人性色素斑や炎症後色素沈着の原因


老人性色素斑と炎症後色素沈着が出来る原因は、肌が何かしらの刺激を受けた際にメラニンが過剰に分泌されて、長く滞留することです。メラニンは肌の細胞を紫外線ダメージから守るための成分ですので、分泌自体は問題ありませんが、メラニンが長く滞留して蓄積されてしまうことがシミの原因となる問題です。


メラニンは主に紫外線、洗顔やメイク時の摩擦、ニキビなどが刺激となりケラチノサイトと呼ばれる表皮細胞で生成されます。生成されたメラニンは、健康的にターンオーバーが起きている肌であれば、一定周期で垢と一緒に体外に排出されていくため、シミのように残り続ける事はありません。

しかし、加齢やストレスなどの影響によってターンオーバーが乱れ、長期化していくと、生成されたメラニンがなかなか体外に排出されない状態となり、ケラチノサイト周辺で色素沈着を起こしてしまいます。この色素沈着を起こしたメラニンが肌の表面にまで見える状態になることを総じてシミと呼びます。

一般的に、紫外線を主とした肌老化によって生じるケースが老人性色素斑で、傷跡などの炎症を起こした箇所で生じるケースが炎症後色素沈着と呼ばれる症状ですが、どちらもメラニンの蓄積によって出来るシミという点では同じです。


肝斑の原因


老人性色素斑や炎症後色素沈着とならんで、割合の高いシミが「肝斑」です。

そして、実は肝斑と呼ばれるシミの原因は現代医学においては明確に特定されていません。

これまでの研究では女性ホルモンとの結びつきが強いことが分かっており、妊娠や出産、避妊薬の服用など、ホルモンバランスの乱れが引き起こされたタイミングで発生しやすいとされています。


ホルモンバランスやストレスなど体内環境から生じるシミのひとつとされていますが、紫外線や摩擦などの刺激によって悪化する場合もあります。


ホルモンバランスの変化によってメラニンが作られて行くため、シミの色は老人性色素斑などと同じメラニン色素です。しかし、老人性色素斑などがターンオーバーの乱れや長期化によるメラニンの蓄積であるのに対し、肝斑はメラニンが常に過剰に作られ続けるようになる事が大きな要因で、ターンオーバーが正常に行われていてもシミのように見える事があります。


雀卵斑の原因


雀卵斑はいわゆる「そばかす」と呼ばれる症状の事で、原因は遺伝性によるものが主とされており、幼少期に表面化して思春期になるに連れて濃くなることがほとんどです。

青年期や成人期には消える場合が多いものの、紫外線を多く浴びる環境にいることで長期化することもあります。遺伝性のため個人差が大きいシミのひとつです。


このように、一般的にシミと呼ばれる症状にはメラニンの滞留や遺伝性などの原因があります。これを踏まえた上で、ビタミンCがどのようにシミに効果的なのかを理解しましょう。


ビタミンCの主な効果

ビタミンCはアスコルビン酸としても知られていますが、柑橘類などの様々な食材に含まれている水溶性の栄養素の一つです。ビタミンCの主な効能に抗酸化作用自然治癒力の促進免疫力の向上などがあります。


ビタミンCには、摂取した食物がエネルギーに変換される代謝活動の際に生じるフリーラジカルや活性酸素を抑制する「抗酸化作用」としての働きもあります。フリーラジカルや活性酸素は体を酸性にするため、老化を促進する原因と考えられています。なかでも、フリーラジカルは喫煙、汚染された大気、紫外線などによっても発生するため、身近な老化現象の原因です。


東京大学先端科学技術研究センターの二木鋭雄氏の研究では、ビタミンCはラジカル捕捉型抗酸化物として有効な例として触れており、ビタミンCは体内に存在するフリーラジカルを捕捉して安定化させる成分としています。このことは、ビタミンCは既存のフリーラジカルや活性酸素に対して有効(抗酸化)な成分であることを証明しています。



シミに効果的なビタミンCの効能


ビタミンCがシミに対して発揮する効果は、主に下記のようなものがあります。


抗酸化作用


ビタミンCの効能のなかでも抗酸化作用はシミの解消と強い結びつきがある効能のひとつで、メラニンが生成されるきっかけとなる活性酸素を除去することに役立ちます。

そもそも紫外線を浴びるとメラニンが作られるという流れは、紫外線が直接影響を及ぼすのではなく、紫外線の刺激によって肌で作られた活性酸素が刺激となって、メラニンの生成を促進します。

そのため、高い抗酸化作用を持つビタミンCが活性酸素を無害化すれば、肌への刺激が軽減されメラニンの生成を抑える事ができます。


チロシナーゼの抑制


ビタミンCにはメラニンが生成される初期段階で活性化するチロシナーゼという成分の働きを阻害する効果があります。チロシナーゼが活性化することはメラニンが過剰に生成されることに繋がるため、ビタミンCはメラニンの生成を抑制できると言えます。


ドーパキノンの還元


ビタミンCにはメラニン生成過程で生じるドーパキノンと呼ばれる成分を還元する作用もあります。

ドーパキノンとはメラニンが色素沈着を引き起こす前段階で、この成分に対して還元という作用を行う事で黒色や茶色のメラニンを淡色化するため、シミになることを防ぎます。同様に、すでに出来てしまったシミに対しても淡色化する作用があるため、ビタミンCにはシミを抑制することだけではなく、今あるシミを解消していく効果もあると言えます。


このように、ビタミンCには抗酸化作用や還元作用があるため、シミの解消に効果的とされています。


ビタミンCに関するNG行為

シミの解消に限らず、体の酸化を防いで老化現象を抑制する働きがあるビタミンCですが、いくつかのNGとされる注意点があります。


柑橘類を使ったパックはダメ


レモンやオレンジなどビタミンCが豊富に含まれている食材をシミがある部分に乗せてパックのようにして使うことはおすすめできません。その理由に、食材の果汁や他の栄養素が肌への刺激になるためです。さらに、果物に多く含まれているソラレンと呼ばれる成分は、紫外線を吸収しやすい光毒性という特性があります。


つまり、果物でパックをすることは、刺激や紫外線吸収率の増加など、シミを作る要因を増やすことに繋がりますので注意が必要です。


ソラレンを豊富に含む食材


主に柑橘系の果物に多く含まれているビタミンCですが、柑橘系の食材は同時にソラレンという成分を含んでいることがあります。ソラレンは光過敏症を引き起こす作用のある成分でもあるため、これを過剰に摂取すると、かえってシミの原因を作ることにもなりかねません。とくに、以下の食材は紫外線を浴びる前に摂取することは控えたほうがいいでしょう。


  • レモン、みかん、オレンジ、グレープフルーツ、キウイ、アセロラ、ライム、イチジク、パセリ、キュウリ、セロリなど


これらの食材は朝食時に取るよりも、紫外線に触れる機会が少ない夕食以降に摂取するのが望ましいとされています。


2,000mg/日を超える過剰摂取


シミや老化に効果的なビタミンCですが、厚生労働省の「統合医療」に係る情報発信等推進事業において、19歳以上の女性は「2,000mg/日」が許容上限と紹介しています。この理由には「消化管内における未吸収のビタミンCの浸透圧に起因する下痢、悪心、腹部仙痛およびその他の胃腸障害」を懸念していることがあります。


ただし、同事業ではビタミンCの毒性や重篤な副作用の可能性は生じないとしていますので、過度な心配は不要です。2,000mg/日以上のビタミンCの過剰な摂取は控えるように心がけましょう。



ビタミンCの摂取方法

シミの解消を目的としたビタミンCの具体的な摂取法は以下の点がポイントです。


継続すること


ビタミンCは水溶性のため体内に蓄積することはなく、摂取しても一定時間使われなかったものは、尿などとして自然に排出されてしまいます。そのため、一度に摂取するよりもこまめに摂取するように心がけましょう。


アメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health)のPadayatty・SJ氏の研究では、経口摂取の場合は30-180mg/日ではおおよそ70-90パーセントが吸収されるものの、1,000mg/日以上だと吸収率が50パーセント未満にまで低下することが証明されています。


この研究は、ビタミンCを複数回に分けて継続的に摂取することが効率的であることを示しているため、国内でもビタミンCの理想的な摂取法の根拠として使用されています。


摂取量


ビタミンCは1日の上限を2,000mgとして、最低でも100mg/日を目安に摂取するといいでしょう。


厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」において、ビタミンCの食事摂取基準量は100mg/日とされています。しかし、摂取されたビタミンCの多くは血液や臓器へ優先的に吸収されてしまうため、実質的には肌への吸収は後回しされると言えます。


そのため、理想とされる摂取量を意識しながら1日のなかで複数回に分けて摂取するようにしましょう。


ビタミンC誘導体を活用


ビタミンCはシミを解消するのに有効な作用がある一方で、空気に触れると酸化しやすく、水に溶かすと活性を失うなどの欠点もあります。これらの欠点を補うのがビタミンC誘導体です。


ビタミンC誘導体は体内で酵素反応をすることでビタミンCになるため、吸収率の向上だけでなく、化粧品のように製品化する際にも重宝されています。食材からビタミンCを摂取するよりも効率的にシミにアプローチできるため、ビタミンCの経口摂取とともにビタミンC誘導体が配合されている化粧水や保湿クリームなどと摂取するといいでしょう。


ビタミンC誘導体には、水溶性ビタミンC誘導体脂溶性ビタミンC誘導体、そして進化型ビタミンC誘導体の3つがあります。


水溶性ビタミンC誘導体の特徴


水溶性のため即効性が最大の特徴で、短期間で皮膚に吸収されます。吸収された水溶性ビタミンC誘導体は速やかに体内でリン酸と結合し、皮膚へ吸収されやすくなります。また、配合率が5パーセント程度のものは抗酸化作用やニキビ抑制に優れているため、シミの解消に効果的とされています。


一方で、皮脂の分泌を抑制する作用もあるため、敏感肌や乾燥肌の人にとってはかえって肌への刺激を増やす可能性があります。化粧水や美容液、ローションなどの水性の物に使われていますので、使用前に確認しましょう。


脂溶性ビタミンC誘導体の特徴


水溶性のビタミンCに油分を結合させたものが脂溶性ビタミンC誘導体です。油になじむ特性があるため、クリームやジェルなどの化粧品に配合されています。即効性はないものの、皮脂膜や角質層、真皮までの浸透力が高いのが特徴です。敏感肌、乾燥肌の人でも使えるため、肌に優しいビタミンC誘導体と言えるでしょう。


進化型ビタミンC誘導体の特徴


進化型ビタミンC誘導体は、アプレシエ(APPS)、高浸透型リン酸型ビタミンC誘導体などとも呼ばれる新しいビタミンC誘導体です。ビタミンCを大量に真皮に浸透させるために開発された成分で、リン酸型ビタミンC誘導体にパルミチン酸を結合させています。


水溶性ビタミンC誘導体の即効性と、脂溶性ビタミンC誘導体の浸透力を兼ね備えたことが特徴で、浸透力については水溶性ビタミンC誘導体の100倍と言われています。シミだけでなくシワや肌の張りの改善にも効果的で、肌への刺激も少ないため様々な肌トラブルに適しているビタミンC誘導体です。


ビタミンC注射を利用

経口摂取ではビタミンCが基本的に腸で吸収され、その後血液に溶け込んで体の各部分に運ばれる事から、効果の実感は緩やかです。

一方、ビタミンCを直接血液内に注入する事で、すばやくビタミンCを取り入れる方法が、点滴療法です。

特に、ビタミンCを高濃度で配合した高濃度ビタミンC注射は美容面、健康面ともに高い効果がある点滴注射で、経口摂取ではなかなか体が取り入れられないような分量のビタミンCを直接注入する事で、全身の細胞がビタミンCの効能を得られるようになります。

シミやくすみといった肌トラブルだけではなく、一部地域では最も体に負担の少ない抗がん剤としても利用されているなど、美容面、健康面で良い効果が期待できる治療法です。


点滴による美容成分の注入は、ビタミンC以外にも体に必要な栄養素を選択して直接取り入れる事が出来る方法ですので、体内のバランスをケアしていきたい方に特におすすめです。


まとめ

ビタミンCは抗酸化作用やチロシナーゼの抑制など、シミの生成初期段階から作用する力があります。さらに、還元作用によって既存のシミの解消にも役立つことから、シミの予防と解消の両方に効果的と言えます。


ビタミンCを最大限に有効活用するには適切な量を継続的に摂取することが肝心ですので、ビタミンCの特性や摂取法、NG事項などを正しく理解しておきましょう。

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