毛穴の黒ずみはシミが原因かも? 角栓による着色との違いと解消法
シミ取り・肝斑・毛穴治療 (毛穴の黒ずみ)
公開日:2018/11/12
繰り返す毛穴の黒ずみは単純な汚れではなく「シミ」になっている可能性があることをご存知でしょうか。毛穴の黒ずみの原因がシミであるとした場合、洗顔では解消できません。そこで今回は毛穴の黒ずみについてその原因や種類、そして解消法について解説します。
毛穴の黒ずみの種類(角栓とシミの違い)
一般的に毛穴の黒ずみには角栓や汚れが原因の「黒ずみ」と、外部の刺激が原因の「シミ」のふたつがあります。それぞれ表面化するまでの仕組みが異なるため対策も違います。まずは、毛穴の黒ずみの種類について正しく理解しましょう。
人間の体には顔を中心にして無数の毛穴があります。毛穴は皮膚の表面にあり、まさに穴の形をしています。その穴のなかに皮脂や汗、化粧品、埃など様々な物が蓄積することで汚れていきます。これらは総じて角栓と呼ばれ、毛穴の黒ずみやシミの原因になります。
ただし、角栓は多くの場合において洗顔や入浴を通じて流れ落ちますが、なかには汚れを落としきれず毛穴のなかに蓄積された状態のまま時間が経過することもあります。蓄積した角栓は時間の経過とともに酸化して黒く変色します。この黒く変色した汚れが表面化した際に「黒ずみ」として認識されるのです。角栓は皮脂腺が多い口の周りや顎のUゾーン、額と眉間のTゾーンなどを中心にして出来やすいとされています。
一方で、黒ずみのように見えるものの、それが「シミ」の場合もあります。毛穴も皮膚と同様に紫外線や摩擦など外部からの刺激を受けるとメラニン色素を生成します。このメラニン色素が過剰に生成されたり、同じ場所で蓄積してしまうと「シミ」になるのです。日頃から紫外線や刺激が集中しやすい鼻や頬周辺に出来やすいとされており、角栓とは違って出来てしまってからの解決は難しく、日頃から出来ないように予防する必要があります。
このようなシミは外見は黒ずみと似ているため「単なる汚れ」と認識してケアが手遅れになってしまう場合もあり注意が必要です。
このように毛穴の黒ずみには角栓が蓄積し酸化した黒ずみと、メラニン色素によるシミのふたつがあることを理解しましょう。
毛穴にシミができる原因
毛穴の黒ずみは洗顔やクレンジングなどで毛穴を清潔に保つことで対策が可能ですが、毛穴のシミは発生のメカニズムが違うため原因をよく理解したうえで対策を講じる必要があります。毛穴にシミが出来る原因は主に紫外線、過酸化脂質、摩擦、炎症の4つです。
紫外線
毛穴も含めて人間の肌は紫外線を受けると肌細胞を守るために表皮の基底層にあるメラノサイトでメラニン色素(メラニン)を生成します。メラニン色素は紫外線を吸収する働きがあるものの、茶褐色の色素であるため一部分に集中するとシミとして表面化します。とくに鼻や頬骨周辺など紫外線を受けやすい場所の毛穴が影響を受けやすいとされています。
過酸化脂質(角栓)
毛穴に蓄積し酸化した過酸化脂質も毛穴にシミができる原因です。皮脂腺から分泌された皮脂や角質が毛穴で固まったものを角栓と呼びますが、角栓が酸化すると過酸化脂質になります。過酸化脂質が毛穴内に留まると毛穴周辺の細胞を傷つけてしまい、防御反応としてメラニン色素が生成されます。この結果、過剰に分泌されたメラニン色素がシミとして表面化するのです。
摩擦
毛穴にシミが出来る原因のひとつとして見落としがちなのが摩擦です。この摩擦は日頃の洗顔やクレンジングなどの際に生じる物理的な刺激のことで、拭く、擦る、押す、掻くなども該当します。毛穴の汚れを取り除こうと洗顔をしても、それが刺激になってしまうとメラニン色素が過剰に分泌されて結果的にシミになります。
炎症
毛穴のシミは傷や細菌による炎症が原因になることもあります。毛穴には汚れ以外に細菌も溜まりやすく、不衛生な状態が続くことによって毛嚢炎(もうのうえん)と呼ばれる炎症を引き起こすことがあります。また、ニキビや産毛処理のカミソリ負けも炎症を招きやすく、炎症を起こした箇所ではメラニン色素が生成されてシミが出来やすくなります。
このように毛穴にシミが出来る原因は紫外線や炎症以外にも、日常的な摩擦による刺激などがあります。メラニン色素を分泌して肌を守ろうとする人体の防御反応がシミの原因になっているのです。毛穴にシミが出来る原因は日常生活に潜んでいることを理解しておきましょう。
毛穴の黒ずみ解消法
毛穴の黒ずみには角栓が酸化したものとシミによるものがありますが、いずれにも共通して出来るケアがあります。ここでは毛穴の黒ずみを解消する方法や、毛穴のシミを改善する方法など実践的なことを解説します。
クレンジング
毛穴の黒ずみを解消するにあたり、まず始めに着手したいのがクレンジングの見直しです。なかでも、クレンジング剤選びが最重要で、刺激が弱いクレンジングミルクやクレンジングクリームを使うようにしましょう。また、クレンジングの際は摩擦に注意して肌に触れるか触れないかの力加減でクレンジングしてください。
手っ取り早くメイクを落とせるクレンジングオイルやクレンジングジェルは便利な一方で肌への刺激が強く、本来であれば肌に残しておくべき角質や角栓、そして水分までも落としてしまいます。この結果、乾燥を防ごうと皮脂分泌が活発になったり、刺激から肌を守るためメラニン色素が分泌され、黒ずみやシミの原因になるのです。
洗顔
クレンジングと同様に日々の洗顔でも低刺激の洗顔料を使い、洗顔時の摩擦を避けることが大切です。角栓や黒ずみが気になるからと言ってゴシゴシと洗うことは禁物です。洗顔は毎日の習慣ですので日々のダメージが蓄積しないようにしましょう。
保湿
クレンジングと洗顔後に保湿をすることも大切です。とくに洗顔後は本来必要な水分までも失っており、敏感な状態の肌を刺激から守ろうとするため皮脂が分泌されやすくなります。その結果、毛穴に角栓が詰まり最終的にはメラニン色素が生成されてシミが出来やすくなります。
このようにクレンジングや洗顔、保湿は日々の習慣として取り組むべき毛穴の黒ずみ対策の基本です。
毛穴のシミに効果的な化粧品や成分とは?
毛穴のシミには美白化粧品が効果的とされています。なかでも、トラネキサム酸やアルブチンなどの成分が含まれているものがおすすめです。ここでは毛穴のシミに効果的な化粧品の成分を紹介します。
トラネキサム酸
毛穴のシミを予防、解消するのに有効な成分としてトラネキサム酸があります。トラネキサム酸はプラスミンと呼ばれるメラニン色素を生成する物質を抑制する作用があります。シミの元凶となるメラニン色素の生成を阻害するため、毛穴のシミに効果的とされています。
アルブチン
アルブチンはシミの原因となるメラニン色素を生成する際に必要になるチロシナーゼの働きを阻害する作用があります。チロシナーゼは本来であれば無色のアミノ酸を黒色に変色させることから目立つシミの原因になるとされています。アルブチンはシミに繋がるチロシナーゼの働きを抑制するため毛穴のシミにも効果的な成分です。
ビタミンC
毛穴のシミに限らず美白全般に効果的なビタミンCには抗酸化作用やコラーゲンの元となる線維芽細胞を増やす働きがあります。線維芽細胞は肌の保湿に欠かせないヒアルロン酸も生成する重要な存在です。ビタミンCはシミだけでなく肌全体の健康状態を改善する万能選手と言えるでしょう。美白化粧品のなかでもビタミンCが多く含まれているものは理想的です。
このように、毛穴のシミが気になる方はトラネキサム酸やアルブチンが含まれている美白化粧品を使うことをおすすめします。また、厚生労働省は成人女性の場合、毎日100mgのビタミンCの摂取を推奨していますのでひとつの目安にするといいでしょう。
レーザー治療によるシミ取りも効果的
シミはメラニン色素が肌に定着してしまう事によって発生するものですが、毛穴のシミについてもこれは例外ではありません。
肌に定着してしまっているメラニン色素は、肌のターンオーバーを促すだけではなかなか除去する事ができませんが、クリニックで行われているレーザー治療であれば、シミが定着している部分の細胞を一度破壊する事で色素を除去する事が可能となります。
ホームケアで中々毛穴の黒ずみが解消できないようであれば、一度皮膚科クリニックのレーザー治療でリセットすると良いでしょう。
まとめ
毛穴の黒ずみの原因は主に角栓が酸化したものや、シミになっている場合があることがお分かり頂けたと思います。いずれの場合も紫外線や摩擦などの刺激を避けることが基本的な対策です。また、角栓による黒ずみとシミが出来るメカニズムを理解し、それぞれに合わせた対策を心がけましょう。