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妊娠中に脱毛出来ないのは何故? コース契約後に妊娠した場合は?

医療脱毛 (医療レーザー脱毛)

解説 口コミ広場編集部
監修 橋本健太郎 医師

公開日:2018/12/19


「妊娠中でも医療脱毛を受けることができますか?」という質問は、医療脱毛クリニックへ多く寄せられる、よくある問い合わせのひとつです。けれども残念ながら、ほとんどのクリニックで妊娠中の方への施術は行っていません。今回の記事では、妊娠中に脱毛が出来ない理由や、すでにコース契約をした後で妊娠していることがわかった時の対処法についてご説明いたします。

監修 橋本健太郎

静岡美容外科橋本クリニック 院長

2004年  日本大学医学部卒業 医師免許取得
     同大学で麻酔科医として勤務
2004年~ 日本大学病院勤務
     以後、美容外科医、形成外科医として経験を積む
2008年  南青山クリニック院長 就任
2010年  銀座アテナクリニック本院開設
2016年  静岡美容外科 橋本クリニック開設

医療脱毛と妊娠の関係

ほとんどのクリニックでは、「妊娠中の方への脱毛のレーザー照射は行わない」という方針を採っています。

とはいえ、医療脱毛で使用されるレーザーは、最も波長が長く、体の深い場所までエネルギーが届くレーザーでも皮膚の真皮層までしか届かず、その下にある皮下脂肪や骨、内臓といった器官、そしてもちろん胎児への影響もありません。

そのため、もし妊娠に気づくのが遅れて1〜2度レーザー照射を受けてしまったとしても、おなかの中の胎児には影響はありませんので、そこはご安心ください。

医療脱毛は、通常2~3カ月に一度の間隔で通うため、場合によっては妊娠に気付かず脱毛の施術を受けてしまい、後から心配に思うという方も多いようです。

ただし、妊娠がわかったら、それ以降の施術は休止することになります。


しかし、それではなぜ胎児への影響がないのに、ほとんどのクリニックで妊娠中の施術は不可としているのでしょうか?



妊娠中に脱毛出来ない理由

妊娠中に脱毛の施術を断るクリニックが多い理由は、実は胎児の影響というよりも「ホルモンバランスが変化する」という事が理由です。

妊娠中は、出産に向けてホルモンバランスが変化するため、肌や発毛の状態が異なります。

妊娠中に脱毛出来ない理由は、具体的には次のような理由があります。


①医療脱毛の効果が現れにくい可能性がある

毛はホルモンの分泌で生えてきます。妊娠中はホルモンバランスが変化するため、毛周期が不安定になります。

脱毛は毛周期に合わせてレーザーを照射していく必要があるため、毛周期が変化しやすい妊娠中の時期は、永久脱毛の効果が得られにくくなる可能性があるのです。


また、特に妊娠中期から後期にかけては、ホルモンバランスの変化によって一時的にメラニンの分泌も活発になります。

メラニンの分泌が増えると、肌の色が濃くなるだけでなく、毛の色も通常より濃くなります。

多くの妊婦さんはお腹周りなど目立たない毛が濃くなるといった経験をされることがあります。

出産後、ホルモンバランスが戻れば体毛の状態も戻っていきますが、妊娠によって体にはさまざまな変化が訪れます。

このように、妊娠中は発毛環境が不安定になっており、医療脱毛の効果が現れにくい可能性があるため、多くのクリニックでは脱毛が出来ない期間としています。


②肌も敏感で肌荒れしやすい

妊娠中のホルモンバランスの変化により、体調は通常と異なり便秘傾向になりやすく、肌も敏感で肌荒れが起きやすい状態になっています。肌が敏感という事は痛みも通常より感じやすくなるため、レーザーの出力を上げられず脱毛の施術が不十分にしか行えない可能性も高まります。

前述のようにメラニンを作る細胞の働きも活発になっているため、シミや黒ずみもできやすい状態です。

脱毛は、レーザーの光がメラニンに反応し脱毛を起こさせます。

妊娠により肌にメラニンが増えている状態では肌にも反応してしまい火傷をしてしまう可能性がありますので脱毛レーザー照射にはあまり適していない状態となります。


③薬の処方に制限がある

レーザー照射によって、炎症などの肌トラブルが起きた場合、通常軟膏や内服薬を使用して落ち着かせていく事が出来ます。

しかし、ご存知のように妊娠中は使用できる薬が限られてしまいます。母体や胎児に悪影響を及ぼす可能性のある薬は一切使用することができないため、治療方法や薬の処方にも制限があり、万が一のトラブルの際に満足な治療が行えない可能性があります。

例えば、レーザー脱毛で発生しやすい毛嚢炎のようなトラブルも、通常であれば繁殖した菌に抵抗するため抗生物質などを使用しますが、妊娠中は抗生物質が利用できなくなり、トラブルの解消が難しくなってしまいます。


④施術の痛みなどによる母体への負荷

医療技術が進歩し、安全に出産を行えるような環境が整ってきているとはいっても、やはり妊娠や出産には不測の事態も多く、妊娠中は何が母体の負担になるかわかりません。

脱毛のレーザー照射は少なからず痛みを感じる施術ですが、レーザー照射時の痛みが引き金となって体調不良を起こすリスクもあります。

また、施術時に長時間同じ姿勢をとったり、照射部位に合わせて姿勢を変えたりといったことも母体にとっては負荷となる可能性もあります。

脱毛の施術による体調不良や、万が一の陣痛や流産のリスクを回避するためにも、妊娠中は脱毛を休止をおすすめします。




コース契約後に妊娠した場合

すでにコース契約をしていて、その後に妊娠がわかった場合は、すぐにクリニックに連絡し脱毛の施術は休止しましょう。

先ほどもお伝えした通り、もし妊娠に気づかずにレーザー照射を受けた場合でも、胎児に悪い影響を及ぼすことはありませんが、やはり母体への影響を考えた場合、なるべく早く脱毛を休止をおすすめします。

そして、再開する時のために、以下のことを確認するようにしましょう。


①コースの有効期限

コース契約は、回数をセットにすることで料金がお得になっている場合が多いのですが、その代わりに有効期限が設けられているケースも多くあります(なかには有効期限を設けていないクリニックもありますが、少数派です)。

有効期限の長さは3年や5年など、クリニックによって違いがあります。自分の契約したコースの有効期限については、通っているクリニックに確認するようにしましょう。

医療脱毛は、例えば平均的な完了目安である5回~6回程度であれば、理想とされる2~3か月毎に、コンスタントに通うことができれば1年半から2年程度で終えることができます。

妊娠が発覚して休止をする場合、長くても2年程度休止させればよいと考えれば、有効期限が3年から5年もあれば、コース契約の途中に妊娠・出産による休止期間があったとしても、有効期限内に脱毛を再開して終えることができるでしょう。

ただし、コース契約をした後でほとんど通えていない人や、有効期限が3年よりも短いクリニックだと、場合によっては有効期限を過ぎてしまう可能性がありますので注意をしましょう。


②有効期限の延長はできるか?

コース契約に有効期限を設けているクリニックでも、妊娠・出産の間は契約期間の延長を受け付けている場合があります。妊娠による休止の連絡をする時に、合わせて有効期限の延長について確認するようにしましょう。出来ればコース契約を行う際にこの辺りを確認しておけると、更に安心です。


もし、延長ができずに、明らかに有効期限内に終了できそうにもないという場合は、コース解約を検討した方が良いかもしれません。コース解約にも解約手数料などのさまざまな条件がある場合もありますので、通っているクリニックに確認しましょう。




脱毛の再開時期について

妊娠・出産後の脱毛の再開の時期については、授乳中でも施術可能としているところと、授乳中の施術は不可としているところとあり、クリニックによって方針に違いがあります。傾向としては、授乳期間中も妊娠中と同様施術を行わないクリニックの方が多くなっています。


また、授乳中の施術を行っているクリニックでも、ワキバストの周辺背中など、授乳に影響を与えるような部位の照射は行っていないケースが多いのが実情です。

全身脱毛のコースを契約しているような場合に、無理に脱毛を再開させ、こういった部分だけ避けて脱毛をしてしまうと、場合によっては無駄にコースの施術回数を消費してしまう可能性もあるので、注意しましょう。



授乳中も脱毛の施術を行わない理由

出産が終わっても、授乳期間中は妊娠中と同じでホルモンバランスが安定していないため肌や発毛の状態は安定していません。また薬の処方に制限があるのも同じです。

このため、授乳期間中も施術を行わないとしているクリニックが多くなっています。

肌への影響や脱毛効果のことを考えると、授乳期間が終了し、ホルモンバランスや体調が安定してからの脱毛が望ましいでしょう。




妊娠中~授乳中におすすめのムダ毛処理の方法

ムダ毛を自己処理する方法はいくつかありますが、毛抜きや除毛クリーム・ワックスは肌への負担も大きいため、おすすめできません。カミソリも肌に直接刃が当たることで角質まで削り取ってしまう可能性があり、肌荒れを起こしやすいというデメリットがあります。

なるべく肌に負担を与えずに自己処理をするなら、刃が直接肌に当たらない電動シェーバーがおすすめです。

ちなみに、医療脱毛の施術を受ける際は、毛抜きやワックスのような抜くタイプのムダ毛処理は行っていけません。この理由は、脱毛は毛に含まれるメラニンとレーザーを反応させて行うものであるため、毛抜きやワックスで毛を抜いてしまうと、レーザーを反応させるものが無くなって脱毛の効果を得られなくなるためです。

そのため、ほとんどのクリニックで電動シェーバーによる剃毛処理を推奨しています。

ムダ毛処理を電動シェーバーで行うようにしておけば、出産後に脱毛を考えている方や、妊娠によって施術を休止していた方も、スムーズに脱毛を開始・再開しやすくなると言えます。




最後に

今回は、妊娠中に脱毛が出来ない理由についてご紹介しました。

前述のように、医療脱毛のレーザー自体は胎児に直接影響を与える事がないとはいえ、妊娠中の方への施術はほとんどのクリニックで行っていません。妊娠中の脱毛は、ホルモンバランスの変化や投薬の制限もありますが、やはり母体や胎児の安全のことを考えると、クリニック側としても安易に行う訳にはいかないのです。

もし、将来妊娠を望んでいる方で脱毛をやりたいと考えている方は、早めにスタートすれば、それだけ早く終わらせることができます。

また、コース契約中に妊娠がわかった場合は休止することになりますが、通常のペースで通っていれば有効期限内に問題なく終えられることがほとんどです。妊娠・出産、そして授乳期間も終わって、心も体も落ち着いてから再開するのが理想的だと言えるでしょう。

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