埋没法による二重整形について、コンタクトレンズ利用者が事前に知っておくべきこと
目・二重整形 (二重埋没法)
公開日:2019/01/30
もちろんコンタクトレンズ利用者だからといって、埋没法による二重整形が受けられないわけではありません。
しかし、コンタクトレンズ利用者は、メガネで過ごしている方に比べますと普段から目に負担がかかりやすいことは間違いありません。
今回は、コンタクトレンズ利用者が埋没法で二重整形を行う際に事前に知っておくべきことをあらゆる角度から徹底解説いたします。
埋没法とはどんな二重整形か
二重整形術には大きく分けて二つの種類があります。1つは、メスを使って瞼を切開し二重瞼を作る「切開法」。
もう1つは、医療用の糸によって、上瞼を二重のラインが出来るように固定して二重瞼を作る「埋没法」です。
このうち、特に埋没法は、簡単、お手軽な施術方法として知られており、別名プチ整形とも呼ばれ、人気の高い二重整形術です。美容整形術の中でも受けている方が最も多く、口コミ広場でも数万件の口コミが寄せられています。
埋没法による二重整形術が人気の理由は、メスを使わずに行うため、術後の腫れや痛みといったリスクが極めて軽く、施術時間も10分~15分ほどで完了し、費用もかなりリーズナブルに行えるためです。そもそもメイクによって二重瞼を作っている方も多いことから、二重整形については抵抗を感じる方も少なく、また最近では著名人が二重瞼整形をカミングアウトする機会も増えてきているため、非常に身近な施術となっているといえます。
【埋没法のリスク】術式によっては糸が眼球にあたる可能性も
埋没法は、「糸で瞼を留めるだけ」でお手軽に二重になれるところが人気の理由ではありますが、その術後リスクの1つに「術後の目の違和感・ごわつき感」を感じるというものがあります。
このリスクは埋没法の中でも特に「瞼板法」と呼ばれる術式行った場合に発生しやすくなります。
埋没法には大きく分けて二通りの方法があり、それぞれの方法により糸の掛け方、留め方が異なります。そして、これらのどちらの術式で施術を行ったかによって、術後リスクの度合いや、仕上がりの二重幅にも差がでてきますので、埋没法の2つの術式の特徴の違いを見ていきましょう。
瞼のすぐ裏と糸を留める「瞼板法」
瞼板法とは、瞼のすぐ裏にある瞼板という軟骨に近い硬さの部位に、1~4点の点状に瞼の裏側で糸を結んで留める方法です。
簡単でシンプルな方法の為、施術時間も10分~15分で終了し、痛みや腫れも少ないとされています。
瞼の数か所を糸で留めるという単純な方法であるためやり直しもしやすく、気に入らない場合は糸を抜去してあげることで、綺麗に元に戻しやすいというのもメリットになります。
ただし、これは一方で糸が緩んだり取れたりしやすいというデメリットにも繋がっています。
その他のデメリットとしては、瞼のすぐ裏にある組織と糸を結ぶため、幅の広い二重にしたいという要望には不向きである他、点で留めているため細かな希望のデザイン、形にしたい場合には向かないという点があります。
また、瞼のすぐ裏と糸を結ぶため、糸が眼球にあたりやすい位置にあり、目の異物感、ごわつき感が起きるリスクが高いというデメリットもあります。留める位置だけではなく、瞼板という組織は軟骨状の硬い組織であるため、結んだ糸が沈み込まないというのも眼球に糸が当たりやすくなる要因です。
特に、糸の結び目が目立たないよう瞼の裏側で留めた場合では、目を開閉する際にゴロゴロしてしまい、これが違和感、異物感へと繋がってしまいやすくなります。
瞼を持ち上げる筋肉に結ぶ「挙筋法」
挙筋法とは、瞼裏奥の上部にある、目を開くときに使う筋肉の眼瞼挙筋(がんけんきょきん)部分に糸を線状に掛けて留める方法です。
瞼板と比べて瞼の深い場所にある柔らかい筋肉に糸を掛けるため、点ではなく線状に糸を掛け、大きな輪となるような形で糸を結ぶ方法が一般的です。
糸を入れる範囲が広いため取れにくく、また瞼の上の方と結ぶため、幅の広い二重幅を作りやすいという利点があります。
糸を二重にしたいラインに沿って線状に結んでいくため、二重のラインを細かくデザインしやすいというのもメリットとなります。
ただし、施術難度が瞼板法より高い為、施術時間が長い事や、糸の除去がしづらく、やり直しが難しい。また、腫れや痛みの症状が瞼板法よりは強く出やすく、かつ長引きやすいというのがデメリットです。
柔らかい組織に糸を掛けるため、長期的には糸が瞼に沈み込んでしまい、もし後から除去したいとなった場合に、瞼の皮膚を切開する必要が生じやすくなるデメリットもあります。
しかし、糸が沈み込むことや瞼の上の方に糸を留めることから、糸が眼球と触れることはほぼ無く、ゴロゴロ感や違和感を感じることは少なくなります。
コンタクトレンズをしていると違和感をもちやすい
このように埋没法による術後の違和感や異物感が出てくる確率は、行なった術式によって異なりますが、それ以外の要因として挙げられやすいのがコンタクトレンズの使用です。コンタクトレンズは、普段から目や眼球に負担がかかりやすい器具とされていますが、特に二重整形の埋没法を行った後は、コンタクトレンズの装着時は十分に注意して頂く必要があります。例えば、瞼を強めに引っ張って無理に装着しようとした際、刺激で瞼を留めている糸が緩んでしまったり、洗浄不足のコンタクトレンズを装着してしまったことで眼球に汚れが入り目を擦ってしまったりすることで、目元の違和感をもちやすい状態になってしまいます。
また、そもそもコンタクトレンズを装着すると瞼が内側から押しあげられた状態となるため、糸と触れて違和感が発生しやすくなります。
挙筋法を利用することでコンタクトレンズ装着時の違和感を軽減
瞼の裏側には瞼板という硬い組織があり、この瞼板が光を遮断することで、目を閉じた時に真っ暗な状態が作られます。コンタクトレンズを使用される方は、常にこの瞼板にコンタクトレンズが触れている状態となり、瞼が内側から押されたような状態になっています。
瞼板法による埋没法では、この瞼板から瞼側に糸が飛び出るような形で結び目が作られるため、コンタクトレンズと糸が触れやすく、違和感が起きやすくなります。
一方、瞼裏の上部奥にある眼瞼挙筋で糸を留める挙筋法であれば、コンタクトレンズによって瞼が圧迫されても、糸が触れる位置ではないため、違和感が起きる可能性はかなり低くなります。
眼球に対してダメージが加わりにくくなる挙筋法は、コンタクトレンズを付けた場合であっても安心感が高い手術方法であるといえます。
どちらの手術法でも手術後しばらくはコンタクトレンズが使用できない
瞼板法でも挙筋法でも、二重整形の埋没法を行った術後1~2週間は、瞼に腫れや痛みなどのダウンタイムが続くことになります。ここでコンタクトレンズ利用者の方に気を付けて頂きたいのは、この期間のコンタクトレンズの使用は避けて頂くことです。
クリニックによっては、ソフトタイプなら術後3日、ハードタイプなら術後1週間ほどでコンタクトレンズ装着OKとしているところもあります。しかし、術後1~2週間は、無理にコンタクトレンズを使用してしまうと、腫れや痛みなどの症状が落ち着きにくく、場合によっては瞼への負荷だけではなく、コンタクトレンズ装着によって雑菌が入り込み、症状が悪化してしまう恐れもあります。
特にコンタクトレンズの使用に対して緊急を要しないようであれば、装着無しの状態でダウンタイムを過ごすようにして、代わりにメガネを利用するようにしましょう。
手術前からメガネに変えておくと二重整形がバレにくくなる
繰り返しになりますが、特に二重整形の埋没法を行った直後1週間前後は、目でみてわかるレベルの腫れや浮腫みが強く出ている状態になります。
こういった場合、二重整形したことを周りに知られないようにするオーソドックスな対策の1つに「メガネをかけてごまかす」というものがあります。また、そもそもコンタクトレンズによって視力を矯正している方は術後しばらくの間コンタクトレンズが使えない為、メガネを利用する必要が出てきます。
しかし、これまで裸眼だった方やコンタクトレンズを使用していた方が、急にメガネに変えると周りの人から「どうしたんだろう?」と思われ、必要以上に目元周りに人の視線が集中しがちになってしまいます。
こういったことを防ぐために、周りバレ対策にメガネを使用する場合は腫れが目立つ術後に急に行うのではなく、目元がまったく腫れていない術前の1カ月ほど前からメガネに変えておくと、術後症状がわかりにくくなり、二重整形を行ったことも周りにバレにくくなります。
埋没法後にコンタクトレンズを使う場合はソフトタイプを
埋没法後にコンタクトレンズを付ける場合、出来ればソフトの1dayタイプを選ぶようにしましょう。
ハードタイプはレンズの柔軟性も少ないため、瞼の圧迫が強くなって糸と擦れやすく、埋没法が取れやすくなります。
ソフトタイプであればレンズに柔軟性がありある程度負担が軽減されます。
また、ハードタイプはレンズのサイズが角膜より小さい為、糸とのひっかかりが発生して違和感がおきやすくなることや、レンズのケアが不十分だと雑菌が繁殖して目のトラブルを誘発しやすいという点からも、ソフトタイプがおすすめです。
場合によっては切開法による二重整形も検討して
これまでは、コンタクトレンズ利用者が埋没法で二重整形を行う場合のお話をさせて頂きました。前述しましたように、コンタクトレンズは装着しているだけで常に瞼板とレンズが擦れてしまっている状態になっている為、瞼に刺激が加わり、違和感や異物感が引き起こされたり、糸が緩んで二重瞼がとれてしまったりする恐れがあります。
こういったことから、コンタクトレンズ利用者の方にはもう1つの二重整形法である切開法で施術を行う方が、より満足のいく施術結果が得られる可能性も高くなるといえます。
切開法は、目尻や目頭の皮膚を切開して二重瞼を作る二重整形法で、術後の腫れや痛みは埋没法よりもかなり強めに長期間続くこととなり、ある程度の費用も覚悟する必要がありますが、一度行ってしまえば糸などの異物が目元に残ることはなく、その効果の永続性も半永久的に期待ができます。
これは、そもそも目元や眼球に負担がかかってしまいがちなコンタクトレンズ利用者の方にとっては、長い目で見た場合、快適に二重瞼を保っていくことができますので、ぜひ切開法での二重整形術を行うことも併せて検討してみましょう。
まとめ
いかがでしたか?今回は、コンタクトレンズ利用者が埋没法で二重整形を行うにあたり事前に知っておくべきことを詳しく解説せて頂きました。結論として、コンタクトレンズを利用されている方が埋没法で二重整形術を行う場合、瞼板に糸の結び目が触れやすい瞼板法よりも、瞼裏奥の上部にある眼瞼挙筋に糸を掛ける挙筋法で行うほうが、よりリスクが低いことになります。また、永続的に快適な状態で二重瞼を綺麗に保つには、糸のような異物を使わない切開法で行う方がさらに理想的と言えますので、是非切開法で行うことも視野に入れて検討してみましょう。