正しい?薄毛の対処法
薄毛治療
公開日:1970/01/01
薄毛を原因や機序を考えず、一括りにして論じるのは間違ったアプローチといえます。
よく話題になるシャンプーやサプリメントや育毛ローション類や果ては育毛発毛サロンでの効果は科学的分析(エビデンス)が十分とは言えないし、それどころか過剰はかえって薄毛の原因になりかねません。
薄毛予防の一般論があるとすると、それは「健康的な生活をする」ことでしょう。
予防でなく対処法ならその原因を知るところから始まります。(とはいえ、脱毛症の機序はまだ十分に解明されているわけではないのですが)
【AGA男性型脱毛症の対処法(男性の脱毛症に多いタイプ)】
遺伝性であり、現時点において治すということはできません。対症療法のみとなります。
AGAではメカニズムの経路をブロックする手段があります、すなわち薬ではフィナステリド*が有名です。ノコギリヤシ*にもそのような作用があるようです。
また成長期を延長させるのは、薬ではミノキシジル*が有名です。
皮脂の分泌も多い傾向にあり、痒みのある脂漏性皮膚炎*や粃糠性脱毛症を併発することもあります。注意点は、油っぽいからといって、皮脂を洗い流しすぎないようにすべきです、健康な頭皮には適度の皮脂も必要です。
【CTE慢性休止期脱毛症(女性の脱毛症に多いタイプ)】
自律神経や性ホルモンの変調が脱毛機序の一部にあるようですが、よく分っていませんし、遺伝的要素も多い脱毛症です。したがって特効薬がないのが現状です。
機序からして、単にリラクゼーションや頭皮のマッサージなどが役立つこともあります。規則正しいおおらかな生活は大切、無理なダイエットや暴飲暴食過食もよくありません。ヒステリックやパニックになるのもよくありません。メンタルクリニックで相談するのも良いでしょう。またピルなどが誘因となることもあります、さらに生理不順などあれば、基礎体温をつけ一度婦人科で相談してください。平熱が標準より高い・低いがあれば内分泌科の受診も考えてみる。いずれにせよ、できるだけストレスフリーな生活を目指すことが大切なようです。注意点というほどではないですが、各病院で処方される薬には薬剤性脱毛症*を起こすものもあることを知っておく必要はありますね。
薬としては、成長期に移行させる、あるいは成長期を延長させる作用のあるものが有効のはずです。現在その効果が科学的に立証されているものはミノキシジルです。また最近では成長因子を直接導入することもできるようになりました。
こちらも時として、過剰な汗やそれに伴う皮脂により、粃糠性脱毛症となることもあります。
【粃糠性脱毛症】
過剰な汗や皮脂があると、シャンプーが合わない、ヘアダイしたなど、またミノキシジルの外用でも接触性皮膚アレルギーを誘因として、または特に何の誘因もなく、痒みを伴うフケを発生し、これに伴い抜け毛が起きます。実際の皮膚症状は真菌によって起こることが多いため、抗真菌剤ケトコナゾール*、ミコナゾール*が役立つこともあります。これらの薬は皮膚科でも処方されますが、シャンプーとして市販もされています。
【円形脱毛症】
誘因は、ストレスであることが多いのですが、これもまた発生機序が解明されていません。毛球近くには免疫細胞(リンパ球)の集簇があるので、自己免疫疾患の一種かもしれませんが、CTEのように自律神経と関係しているかもしれません。遺伝的な素因もあるようです。
多くのケースでは、ほっておいても数ヶ月で治ります、しかし治っても繰り返すことがあります。また、完治まで行かず多少休止期毛が増えたり(いわばCTEの状態)、白髪が増えたりすることもあります。
現在において決定的治療法対処法がありません。難治性ではDPCP*やステロイド*などの免疫療法が行われます。いずれにせよ、自分でやれる対処法ではないですね、やれることはCTEの対処法と似たことでしょうか。
少なくとも、抜毛癖*や頭部白癬*などとの鑑別は必要です。