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食べ物を選んで体の中からシミ対策! 美肌に良い食事の選び方

シミ取り・肝斑・毛穴治療 (老人性色素斑)

解説 口コミ広場編集部
監修 笠井美貴子 医師

公開日:2019/03/13


加齢と共に多くの人が頭を悩ますのがシミです。世の中にはシミ予防のサプリメントや美白化粧品など多くのシミケア用品が流通していますが、それらを活用する以外にも日頃の食事でシミ対策が可能だということをご存知でしょうか。

シミ対策の基本は体の外側からの対策と、体の内側からの対策の両方です。多くの人は化粧品などを使った外側からのケアに集中していますが、実は体の内側からの対策こそ重要です。そこで今回は体の内側からシミ対策をするためにおすすめの食材や栄養素、NG食材なども含めて紹介します。

監修 笠井美貴子

シロノクリニック 銀座 副院長

2009年 東京女子医科大学医学部 卒業
     大森赤十字病院(内科、外科、皮膚科)で研修
2011年 東京女子医科大学病院皮膚科勤務
2012年 三井記念病院皮膚科勤務
2014年 都内美容クリニックにて経験を積み・・
2015年  シロノクリニックに入職

食事でシミを改善するメカニズム

肌の表面に現れるシミはどうしても化粧品などを使って体の外側から解消しようと躍起になりがちですが、体の内側にある細胞の環境を整えてシミを発生しにくくすることも大切です。


体の内側から対策するにはまず、食事によって取り入れた栄養素がどのように働くことでシミを予防または解消するのか、その仕組みから考えてみましょう。


シミの原因をおさらい

いわゆるシミと呼ばれる症状は医学的には「老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)」と呼ばれます。

老人性色素斑は、主に紫外線や摩擦などの刺激に対して細胞を守るために生成されるメラニンが、肌内部に留まって長期間滞留し、色素沈着を引き起こすことで引き起こされます。

メラニンそのものは問題ではありませんが、メラニンが過剰に生成されると定着してしまう可能性が高まるため、シミが出来てしまうリスクが高くなります。


また、通常このメラニンは肌の新陳代謝であるターンオーバーによって、一定周期で垢と共に排出され、肌に残りません。そのため、通常は日焼けなどによってメラニンが作られても、時間経過とともに肌の色は元の状態に落ち着いていきます。

しかし、加齢やストレスなどの様々な理由でターンオーバーのサイクルが乱れ遅くなると、メラニンが適切に肌から排出されなくなってしまう事があり、これが色素沈着となってシミの状態となる一つの原因です。

ターンオーバーは若く健康な肌であればおおよそ28日周期で繰り返されていますが、年齢とともに除々に長くなっています。このサイクルを乱さないように保つことが重要です。


このように一般的なシミが出来る原因は、過剰なメラニンの生成ターンオーバーの乱れのふたつが大きく起因していると言えます。そのため、シミ対策グッズは基本的にメラニンの抑制とターンオーバーの正常化に焦点が当てられています。


肝斑などでもメラニンの蓄積予防が大切

紫外線の影響でできるシミ以外にも、女性を悩ませる事が多いシミがや肝斑(かんぱん)です。

肝斑は特に30代以降の女性に多いシミで、その原因はホルモンバランスの変動によるものとされています。

通常のシミと原因は違っても、肝斑が表れる原因は老人性色素斑と同じメラニンの沈着。

肝斑の場合は、ホルモンバランスの変動によって発症し、紫外線により悪化します。

つまり、シミができる大元の原因は違っても、どちらも作られたメラニンが肌に蓄積されてしまうという点は同じであり、シミを解決していくためのアプローチは基本的に同じとなります。


食事でのシミへのアプローチ

メラニンの抑制とターンオーバーの正常化が鍵になるシミ対策ですが、これらのふたつは食事を通じて対策が可能です。


メラニンの抑制に対しては、肌を始め人の細胞を酸化させて刺激となる活性酸素という物質の働きを防ぐ働き「抗酸化作用」がある食材が有効。

活性酸素を除去して肌のダメージを防ぐ事で、そもそもメラニンが過剰生成される事を防止するのです。


また、ターンオーバーの正常化には様々な栄養素の摂取が必要となりますが、その中でも重要で有効とされているものの一つがビタミン類。

ビタミン類には古い角質を剥がす作用や、コラーゲン生成など肌内部の細胞を活性化する作用のものがあり、肌のターンオーバーを正常にたもってシミを作らない状態にする効果があります。


この他にも、メラニンの過剰な生成を抑制したり、ターンオーバーを正常化させたりしていくために効果的な栄養素には様々なものがありますので、こうした栄養素を含む食材を積極的に摂取することはシミ対策にとても有効です。

シミ対策に効果的な栄養素は次で解説します。


食材を通じて摂るシミに効果的な栄養素

メラニンの抑制とターンオーバーの正常化に有用な働きをする栄養素は多々ありますが、その中でもビタミンやリコピンは特に有効とされています。ここではシミ対策に効果的な栄養素やその働きについて詳しく解説します。


ビタミンC

シミに限らず肌トラブル全般に効果的とされるのがビタミンCです。ビタミンCにはシミに対してふたつの作用があります。ひとつはメラニンの生成を阻害すること、ふたつめがメラニンの還元作用です。つまり、別の言い方をすれば、ビタミンCはシミの予防と、出来てしまったシミの解消に効果がある成分と言えます。


ビタミンCにはメラニンが生成される際に不可欠なチロシナーゼという酵素の働きを阻害する作用や、肌の活性酸素を除去する抗酸化作用があるため、シミの原因になるメラニンそのものを抑制します。また、ビタミンCには酸化して茶褐色になったシミを薄くする還元作用があります。この還元作用によってシミや肌色が改善される効果があります。ビタミンCはシミ対策の基本的な成分として欠かせない存在と言えるでしょう。


ビタミンCが含まれる主な食材リスト

トマト、パプリカ、人参、ブロッコリー、ほうれん草、かぼちゃ、オレンジ、レモン、みかん、いちご、柿、緑茶など


ビタミンCを摂取する際に気を付けるべきこと

ビタミンCは体内に貯蔵できない成分のため、一定量を継続して摂取する必要があります。また、ビタミンCは水溶性で熱と水に弱い特性のため、食事で摂取する際は調理時間を短くすること電子レンジを使って栄養を逃さないように調理する必要があります。

果物による摂取も可能ですが、糖分も加わるため野菜から摂取する方が理想です。

糖分の過剰な摂取は血管を傷つけるなどの原因となり、肌のターンオーバーにとって悪影響ともなります。


柑橘類の果物摂取はソラレンにも注意

オレンジやグレープフルーツなどの柑橘系の果物にはソラレンという紫外線を吸収する成分が含まれています。そのため、朝食や昼食に摂取すると外出の際に紫外線の影響を受けやすくなります。摂取後はソラレンが完全に消化される2時間を目安にして紫外線を避けることを推奨します。


ビタミンCも過剰摂取はNG

ビタミンCは、厚生労働省が5年ごとに発表する日本人の食事摂取基準(2015年版)では100mg/日が摂取基準とされています。

よくビタミンCは取り過ぎても尿などで排出されるから大丈夫という話がありますが、サプリメントなどを通じて1g/日以上の摂取は排出量を考慮すると推奨できないとされていますので過剰な摂取は控えてください。


ビタミンE

ビタミンEにもシミ対策に有効な抗酸化作用があるため意識して摂取したい成分です。

また、ビタミンEには血管の強化による血行促進作用もあり、血行促進作用によってターンオーバーの正常化にも役立ちます。ターンオーバーを正常化する事でメラニンの色素沈着を防ぐため、シミの予防に重要な役割を果たします。

ビタミンEには体の循環を促す働きがあるため別名で「若返りの成分」と呼ばれています。


ビタミンEが含まれる主な食材リスト

アーモンド、大豆、かぼちゃ、アボカド、ウナギ、緑茶、ひまわり油など


ビタミンEを摂取する際のポイント

ビタミンEは脂溶性のため油と馴染みやすく油脂と一緒に摂取するのが効果的です。酸や熱には強いものの、光に弱い特性があるためナッツ類などで摂取する場合は保管に注意してください。


厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2015年版)によると、ビタミンEは6.0-6.5mg/日が目安量とされており、健康障害を回避するために650-800mg/日が許容上限にされています。食事を通じて過剰摂取になることはほとんどありませんが、サプリメントによる過剰摂取には注意してください。


リコピン

リコピンはビタミンCを含む食材に共通して含まれる事の多い栄養成分のひとつ。紫外線を受けた際に増加する活性酸素を除去する抗酸化作用が非常に強く、紫外線から肌を守る日焼け止めのような働きがあるとされていて、「食べる日焼け止め」と呼ばれることもあります。

ビタミンCやビタミンEは抗酸化作用が強い栄養素として知られていますが、リコピンはビタミンEのさらに100倍もの抗酸化作用があると言われており、活性酸素による肌のダメージを防ぐためにはとても有効な栄養素です。


リコピンが含まれる主な食材リスト

トマト、ミニトマト、スイカ、さくらんぼ、柿、グレープフルーツなど


リコピンを摂取する際に気を付けるべきこと

リコピンはトマト2個分に相当する15mg/日が摂取の目安とされていますが、ビタミンCを含む食材からも摂取できるため摂取しやすい栄養素です。

日焼け止め効果もあるとされるリコピンが体内に吸収されるには約10時間を要するとされており、紫外線対策の効果を期待するならば前日の夜に摂取するのが好ましいでしょう。


β-カロテン(ビタミンA)

人参やかぼちゃなどの緑黄色野菜に豊富に含まれているβ-カロテンは抗酸化作用と活性酸素を除去する働きがあります。これによりメラニンの生成を抑制するだけでなく肌荒れも防ぎます。ちなみに、摂取後のβ-カロテンは小腸上皮細胞でビタミンAに変換されます。ビタミンAに含まれるレチノールには皮膚や目の粘膜の抵抗力を向上させる働きがあり、力強い体を作る基本の成分です。


β-カロテンが含まれる主な食材リスト

モロヘイヤ、人参、かぼちゃ、ほうれん草、ピーマン、スイカなど


β-カロテンを摂取する際に気を付けるべきこと

β-カロテンは油脂と一緒に摂取するのが効率的で、胡麻油を使った野菜炒めや、ほうれん草や小松菜の炒め物など比較的簡単に摂取しやすい栄養素です。仮に、β-カロテンを過剰に摂取した場合でも、体内でビタミンAに変換されるため過剰摂取の心配はありません。サプリメントを通して摂取するよりも緑黄色野菜を通して摂取することを心がけてください。


厚生労働省はβ-カロテンの摂取量の目安は設けていませんが、ビタミンAの摂取推奨量は650-800mg/日とされています。また、高齢期を健康に過ごすことを目的に食材や栄養素について研究している公益財団法人の長寿科学振興財団によると、β-カロテンはビタミンAに適切に変換されるため過剰症は起こらないとしています。


このようにシミ対策に効果的な栄養素はビタミンCリコピンビタミンE、そしてβ-カロテン(ビタミンA)です。これらの栄養素だけを摂れば良い訳ではありませんが、シミの予防や改善に作用する栄養素であるだけではなく体の健康を保つ為にも非常に重要な栄養素ですので、積極的に摂取しましょう。


シミやくすみなどに逆効果になるNG食材

シミがない美白肌を目指して体の内側から対策をしていても逆効果になる栄養素や食材があります。ここではシミ対策に不向きな食材を紹介します。


カフェイン

コーヒー、紅茶、ウーロン茶、栄養ドリンクなどに含まれているカフェインは、毛細血管を収縮させるなどの作用によって血行不良を引き起こす働きがあるため長期的にみると新陳代謝が悪化して色素沈着を進行させる作用があります。

また、カフェインはシミの原因になるメラニンを拡散させるため、シミのリスクが高まるとされています。


アルコール

体内に取り込まれたアルコールが分解される際には活性酸素が生成されます。この活性酸素の除去に体内にあるビタミンCなど抗酸化物質が使われてしまうため、肌が紫外線などによって受けた刺激で作られる活性酸素が除去されなくなり、これによりシミができやすくなります。

また、肌内部のハリを保つためにコラーゲンが分解されてしまうため、肌に弾力が無くなってダメージを受けやすくなり、より一層シミができやすくなります。


糖分

糖分は体に不可欠な栄養素ですが、過剰な摂取は血管を傷つける作用を持つため、血行不良を引き起こしターンオーバーの乱れに繋がります。

糖分というと砂糖や甘いもののイメージが強いですが、清涼飲料水や果物にも多量の糖分が含まれていやすくがつかない間に摂取していることが多いため注意が必要です。


2015年、世界保健機関(WHO)は遊離糖類(吸収されやすい砂糖などの糖類で、穀物に含まれるでんぷんなどとは別)の摂取量を1日で摂取する総カロリーの10パーセント未満に抑える事を推奨し、更に5パーセント未満に抑える事が出来れば多くの健康効果が得られるという新方針を発表しました。5%というと成人であれば約25g/日、ティースプーン6杯分に相当します。WHOはトマトケチャップ大さじ1杯に対し4gの砂糖が含まれている事例もあるとし、知らぬ間に摂取してしまう糖分に注意するように警鐘を鳴らしています。


カフェインや糖分などシミ対策にNGな食材については、過度に神経質になる必要はありませんが、これらの物は断つよりも量を減らすことを意識してください。


まとめ

シミや美白対策には継続的に体の外側からのケアと内側からのケアの両方に取り組むことが大切。そして、体の内側から対策するにはやはり体を作る基礎である「食材」や「栄養素」それぞれの働きを正しく理解することが重要です。

ただし、シミを解消するため躍起になって、食事がストレスに感じるようになってしまうと、それはまた逆効果。シミに良い食材ばかりを意識して食べようとするのではなく、普段の食事をちょっとだけ工夫してみるくらいに考え、くれぐれも食生活がストレスにならない程度に対策してくださ

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