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削皮(アブレーション)を成功させるためには

タトゥー除去

解説 六本木境クリニック

公開日:1970/01/01


削皮という手術は、まさに玉石混交、手術器具ややり方さえ全く異なる手技をひとまとめにした総称です。

レーザー治療だけ、分割切除だけ、というのでは治療を完結できない刺青の方が多いといえます。墨を消すのではなく“薄くする”のが目的の場合はレーザー治療、小さな刺青には切除、大きな刺青には植皮、と施術のバリエーションの多い良心的な先生方もいわれています。

削皮はというと、一般的には、「こわい」「傷がなかなか治らない」「100%ケロイドになる」といったイメージが定着しています。削皮で良い結果を出している医師が少なすぎるということでしょう。しかし、丁寧な削皮は、常識を覆すような結果を出せるといえるでしょう。

植皮はドナー(採皮部といって植えるための皮膚を取った部位)にも傷跡ができます。また、一旦血流の途絶えた組織を移植するため、接ぎ木のような手技です。生着しないことも多く、溶けたり腐ったりして植え直すことも多く、どんどん皮膚を取った場所の傷跡が増えて行きます。メッシャーという機械を通すと、非常に生着率は良くなるのですが、見た目がメッシュ状やウロコ状と表現される独特の幾何学模様になります。ネット上の情報などに「メッシュ状やウロコ状に見えることもあります。数年かけてきれいになっていきます」などと、もっともらしいことが書かれています。しかし、わたくしは、もともと形成外科で熱傷専門医でして、広範囲のやけどの治療として実際にこの手技をたくさん行っていましたが、メッシュ状やウロコ状に見えなかったことなど一度もなく、100%の確率でメッシュ状やウロコ状になりました。数年後にきれいになるということもありませんでした。

わたくしも刺青削皮術後治療についての質問をよく受けます。しかし、削皮とは、手術の良し悪しで99%運命が決まってしまう治療です。実は、安全域の極めて狭い、安全域がミクロというほどの手術です。わたくしは短い時間で手術することはなく、3~4時間かけて丁寧に削っています。乾燥するとケロイド状になりやすいので、生理食塩水で洗いながら行っています。個人的には一番疲れる手術のひとつです。

わたくしがこの治療を知ったきっかけは、他院の学会発表だったのですが、そのときの第一印象は「今まで散々やってきたやけど治療にそっくりだ」というものでした。もともとやけどの医者(熱傷専門医・形成外科専門医)でしたので、15年前から体のほとんどの部分を削っておりました。一方、刺青治療も15年前に勤務していた同じ病院が北九州市にあったということもあり、たまたま刺青治療も多かったため、刺青治療も始めることになりました。

この治療の最大の強みは、植皮とは異なり、毎日湯船にもつかれるということ、翌日から削った部位も直接洗えるということ、手術当日は朝ぶろで来ていただき、なんと、翌日からは湯船につかれない日がないということです。

夏に受けても臭くなる、ばい菌が増えて危険、などといったこともありません。部位や大きさによっては、術後に仕事を休む必要がなく、真夏に土木作業の仕事を休まなかったという方もいます。また、非常に広範囲の刺青の方が、削皮を受けるために九州や四国から通われるというケースも多いです。

上皮化といって、皮膚ができてしるが出なくなるまでの2週間が最大の肝です。長期に傷が治らないような治療は術後の見かけが汚いだけでなく、ケロイドのリスクや皮膚癌になるリスクも高くなってしまいます。

また、この手術・・・世の中は人間を数日で簡単に殺せるばい菌で充満しています。削皮(アブレーション)というのはわざわざばい菌に対するバリアーを削り取る治療ですので、やけどの治療や創傷治癒などの専門的知識も大切です。

  ドクターインタビュー


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