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円形脱毛症は通称「10円ハゲ」という言葉でも知られているように、頭部に10円玉サイズの範囲で毛髪が突然抜けてしまう症状のことを指します。かゆみや痛みなどの自覚症状が無く、気づいたら円形脱毛症になっていたというパターンが非常に多いようです。ひとつだけできるものから、頭髪全体が抜けるもの、さらに眉毛、まつ毛、体毛など、ほぼ全身の毛が抜けるまで幅広くあります。脱毛している箇所の周囲の毛を軽く引っ張ってみて、数本の毛が抜ける間は症状が進行中と言われています。また、脱毛箇所の皮膚は周囲よりへこんだ状態になっていて、しばしば赤くなると言われています。

原因としては免疫異常(アレルギー)と精神的ストレスの2つに大きく分類できます。免疫異常の場合ですと、毛の根元へリンパ球が集まってくることから起こるとされています。リンパ球は血液の中にあり、扁桃炎や肝炎などの疾病の際には、炎症部位に集まってきて炎症を鎮めようとします。円形脱毛症もこれと同じような原理で起こります。一方、精神的ストレスの場合、ストレスにより血管が収縮し、その部分の粘膜が死んでしまい、穴があいた状態になってしまいます。これが頭皮で起こることで、血管を中心に毛が丸く脱落し、その結果円形脱毛症になるのです。

円形脱毛症は老若男女問わず、誰にでもなる可能性があります。特に若い人でなる人の多くはストレスによるものが多いと言われています。職場や家庭での対人関係、家事、育児など現代社会は非常にストレスを溜まりやすい環境と言えます。そうしたストレスが溜まるに溜まった結果、円形脱毛症になってしまったというパターンも見られます。また、ハウスダストや環境ホルモンの影響、シックハウス症候群など、自身では自覚していないアレルギーによって引き起こされるのも決して少なくはありません。特に子供やお年寄りなど免疫力が低い方は、余計に影響を受けやすいと言えます。

円形脱毛症のほとんどは自然治癒しますが、人によっては症状が中々改善されない場合があります。そういった人は、皮膚科などの専門医の治癒を受けることになります。主な治療法としては、免疫異常を押さえるためにステロイド剤を患部に塗る、血液の循環をよくするために、フロジン(塩化カルプロニウム)液を患部に塗る、紫外線やドライアイスを患部に当てるなどがあります。ただ、ドライアイスを患部に当てるのは痛みを伴うため、子供には不向きと言えます。また、ストレス性の症状に関しては精神安定剤を服用する、カウンセリングを受けるなど根本的なところを解決する必要があります。