ニキビやニキビ跡があっても脱毛は可能? できなくなるケースや注意点
医療脱毛 (医療レーザー脱毛)
公開日:2018/12/13
とくに、ニキビが出来やすい人や肌荒れしやすい人の場合ではレーザーによる刺激などが気になって、なかなか踏み切れないという人もいると思います。
今回は、そんな肌トラブルの中の代表であるニキビやニキビ跡がある場合に、脱毛が出来るのか、また出来ないとしたらどういったケースなのかをご紹介します。
監修 中村寿
THE CLINIC NAGOYA 【ザ・クリニック名古屋】 院長(医学博士)
1998年 4月 同大学外科学教室入局【救急医療、麻酔科を研修した後、呼吸器・乳腺外科の臨床、研究を行う】
2005年 3月 医学博士(医博甲第969号)取得
2005年 4月 東京都内美容外科クリニック(美容外科・形成外科・美容皮膚科)勤務
10,000症例を超える豊富な施術・執刀経験と治療実績
2007年12月 ザ・クリニック名古屋を開院
2011年 4月 医療法人ジュエリメディカル設立
ニキビがあっても脱毛は可能
まず、気になる答えを言ってしまえばニキビがあっても脱毛する事自体は可能です。
ただし、そこには注意点があり、ニキビがあっても脱毛施術は出来ますが、ニキビが出来ている場所は避けるようにして脱毛が行われる事になります。
そもそもニキビというのは、毛穴に対して皮脂が詰まり、そこに菌が増殖して炎症を引き起こしている状態。ニキビが出来ている部分の肌は現在進行形でダメージを受けている最中であり、そこに医療レーザー脱毛によるレーザーを照射してしまうと、肌が強いダメージを受けてしまいます。
こうなると、強い刺激によって痛みを感じやすい事や、レーザーの刺激によって炎症が悪化するなど更なる肌トラブルを招いてしまう可能性もあるので、ニキビがある場所に直接レーザーを照射する事はできないのです。
つまり、ニキビがあっても医療レーザー脱毛を受ける事は可能ですが、ニキビが出来ている毛穴部分の脱毛は出来ないという事になります。
ニキビが広範囲に出来ていると脱毛が難しい場合も
前述のように、ニキビが出来ていても脱毛は可能ですが、ニキビがある場所へ直接レーザーを照射する事は出来ません。
つまり、ニキビがぽつんと1か所または数か所に出来ている程度であれば、その部分を避けたり、レーザーの光が当たらないように保護したりして脱毛する事が出来るのですが、ニキビが広範囲に出来てしまっている場合は、ニキビを避けてのレーザー照射が難しくなるため、脱毛が難しく施術出来ないという場合もあります。
どの程度ニキビが出来ていると施術できなくなるかなどはクリニックによっても方針が異なるため一概には言えませんが、脱毛したい部位全般にニキビが出来てしまっているような場合は、まずニキビの治療を優先的に治療してから脱毛を行った方が、より脱毛の効果も得やすくなります。
炎症を起こす前のニキビであれば脱毛も可能
ニキビと一口にいっても、白ニキビや黒ニキビという毛穴に皮脂が詰まっただけの状態から、赤ニキビや黄ニキビといった毛穴内部が炎症を引き起こしている状態までいくつかの段階に分かれます。
ニキビにレーザーの照射が行えないのは炎症部位への刺激を避けるためであるため、白ニキビや黒ニキビのように毛穴が詰まっているだけの状態であればそのまま脱毛を行う事が可能な場合もあります。
こちらもやはり医師や施術者の判断によるため、気になる場合は一度相談してみると良いでしょう。
ニキビが治った後のニキビ跡にも注意
ニキビは毛穴から皮脂が除去され、炎症がおさまれば治療が完治するものですが、炎症が肌の深い部分にまで達してしまったり、広範囲に広がってしまったりすると、ニキビ跡として残る場合があります。
ニキビ跡にも様々なパターンがありますが、脱毛をうける上で注意が必要なのが、炎症後色素沈着というニキビの跡に茶色いシミのようなものが残ってしまうタイプのニキビ跡と、青黒く残ってしまうニキビ跡です。
炎症後色素沈着とは、肌が炎症によって刺激を受けやすくなり、その刺激に反応して多量に作られたメラニン色素が肌に蓄積される事でシミとなって残る症状で、多くは肌のターンオーバーに合わせて少しずつ解消はされていくものの、一定期間は残り続ける状態となります。
医療レーザー脱毛のレーザーは毛のメラニンに反応して脱毛効果を得るものですが、毛以外でもメラニン色素があると反応してしまうため、シミがあったり、日焼けしていたりする肌には、強い痛みや肌の火傷といったリスクが高くなるため照射が行えません。
そのため、ニキビ跡で茶色の色素沈着を起こしている場合でもレーザーの照射が難しく、やはりその部分を避けて脱毛が行われるケースが多くなります。
ニキビ跡が青黒く残るケースについては、ニキビが肌の深くまで進行する事で、毛細血管が傷つき、内出血を引き起こした場合に発生します。
内出血を引き起こした箇所の周囲に対して血液の色素がくっつき、その色が肌表面から見える事で青黒いニキビ跡となります。
この場合についても、やはりレーザーが色素に反応して余計なトラブルを招く可能性があるため、レーザーの照射が難しくなります。
炎症後色素沈着の場合でも、青黒い内出血後の場合でも、肌についてしまった色(色素)が薄い場合にはレーザーを照射して脱毛を行う事が可能な場合もありますが、やはり医師や施術者の判断によるものなので、一度相談してみてください。
しっかりとリスクも説明し、その上で最適な対応を行ってくれるクリニックを選ぶ事が、トラブルなく脱毛を受けるためのポイントとなります。
ニキビやニキビ跡を避けるために脱毛期間中はスキンケアをしっかり
医療レーザー脱毛によって脱毛施術を行っている期間は、実は通常よりも肌荒れしやすくなる時期でもあります。
というのも、レーザーの照射によって局所的ではあるものの肌の細胞を破壊しているため、多少の炎症などは発生しやすい他、レーザーの熱や細胞へのダメージによって肌が乾燥しやすい状態となり、肌のバリア機能が低下する事から、ニキビを始めとした肌トラブルが発生しやすい状態になるのです。
こうしたトラブルを避けて快適に脱毛を受けるためにも、脱毛期間中はいつもより保湿を中心としたスキンケアを心がけるようにしましょう。
たっぷりと肌に水分を補給し、肌内部に浸透するセラミドなどの保湿成分や、水分の蒸発を防ぐクリーム、乳液などでのケアを欠かさず行うようにする事で、肌のバリア機能を保ってトラブルを防止する事ができます。
保湿だけではなく紫外線ケアもしっかりと
また、脱毛期間中の保湿ケアとしていつも以上に注意して頂きたいのが、紫外線に対するケアです。
脱毛はメラニン色素に反応するため、肌にメラニン色素があると行えない事はここまでに紹介していますが、肌のメラニン色素が一番増加する原因は、紫外線による刺激、いわゆる日焼けによるものです。
医療レーザー脱毛によって肌がダメージを受けている状態では、いつも以上に肌が紫外線の刺激にも敏感となり、メラニン色素も作られやすい状態になっています。日焼け止めをしっかり利用する事や、長袖の衣服や帽子、日傘といったアイテムで紫外線を防ぐようにするなど、脱毛期間中は十分な紫外線対策を行う事が、脱毛の効果をしっかり発揮するためにも必要となります。
脱毛期間中のムダ毛処理はなるべく電気シェーバーを利用
もう一つ、脱毛期間中に気を付けたいスキンケアは、ムダ毛の処理方法です。
脱毛は毛周期という毛の生え変わるサイクルに合わせてレーザーを照射していく方法のため、1回の脱毛で効果を発揮する毛は全体の20%程度。残りの毛は少しずつ期間をずらしながら生えてくるため、脱毛後1か月もすれば次の20%分の毛が生えてきます。
その際、生えてきたムダ毛の処理はなるべく肌に負担のかからない電気シェーバーを利用するようにしましょう。
カミソリで毛を剃ると、どうしても毛と一緒に肌の角質も削ってしまい、肌へのダメージとなってニキビを始めとした肌トラブルが発生しやすく、場合によっては毛嚢炎などのトラブルになる場合もあります。
電気シェーバーは構造的にムダ毛を完全に根本から処理する事は難しいですが、その反面、肌を削ってしまうなどのトラブルには繋がりにくいため、脱毛期間中だけでも電気シェーバーを利用する事がおすすめです。
その他、ムダ毛の処理方法としては毛抜きやワックス除毛などがありますが、こういった手法は絶対にNGです。
というのも、医療レーザー脱毛は毛穴の中にある毛に対してレーザーを反応させるため、毛抜きなどによって根本からムダ毛を除去してしまうと、そもそも脱毛の効果を発揮する事が出来なくなってしまうためです。
また、毛抜きやワックス、薬剤によるムダ毛処理は肌への負担も大きいため、肌トラブルを引き起こして脱毛が行えなくなる場合もあります。
脱毛期間中のムダ毛処理は、電気シェーバーを利用して肌を傷つけないように行いましょう。
脱毛後に起こりやすいニキビと似た症状の「毛嚢炎」
脱毛期間中は肌トラブルが引き起こされやすい事はご紹介しましたが、脱毛の後に起こりやすい肌トラブルの一つに毛嚢炎というものがあります。
毛嚢炎の症状は毛穴が赤くぽつんと腫れるようなもので、見た目にはかなりニキビと似た症状ですが、ニキビとの違いは炎症を引き起こす菌の種類。
ニキビは「アクネ菌」という肌の常在菌が増殖して引き起こされるのに対し、毛嚢炎は「表皮ブドウ球菌」や「黄色ブドウ球菌」といった菌が、毛穴の中に感染して炎症を引き起こすという違いがあります。
そして、菌が違うという事は菌が増殖する条件にも違いがあり、アクネ菌が増殖して引き起こされるニキビは毛穴内部に皮脂が詰まる事で発生しますが、毛嚢炎は皮脂ではなくバリア機能が低下した皮膚に感染するため、毛穴内部がダメージを受けてバリア機能が低下していると引き起こされやすくなります。
こうした理由から、毛穴内部が熱によるダメージを受けている脱毛期間中は特に毛嚢炎が引き起こされやすく、毛嚢炎によるトラブルを防ぐためにも十分なスキンケアや、ムダ毛の処理方法への注意が必要となります。
毛嚢炎の数も少なく、症状が軽度であればある程度放置しておいても自然に治癒していきますが、範囲が広がってしまったり、痛みを伴うような状態になったりしてしまう場合には、早めにクリニックで相談しましょう。
まとめ
ニキビやニキビ跡などの肌トラブルがあっても、その部分を避ける事で基本的には脱毛施術を受ける事が可能です。
しかし、ニキビが広範囲に広がっているような場合には脱毛が出来ませんし、ぽつんと出来ている場合でもその部分に脱毛をする事が出来ず残ってしまう事にはなるので、なるべく脱毛を行うのはニキビなどの肌トラブルを治療してからの方が良いでしょう。
また、脱毛期間中はニキビや毛嚢炎を始めとした肌トラブルが発生しやすくもなるため、普段よりも十分なスキンケアを行うようにする事も大切です。
最近では肌トラブルがある程度あっても脱毛できるレーザーなどもありますので、心配な方はまず一度クリニックのカウンセリングに行ってみてくださいね。