目を二重にする埋没法とは?手術の特徴と仕組みについて徹底解説します
目・二重整形 (二重埋没法)
公開日:2018/10/25
しかし、プチ整形と言われる埋没法にもデメリットやリスクはあります。自分の希望通りの二重にするためにはどのような事を気をつけるべきなのか、事前にしっかり把握しておきましょう。
そこで今回は、埋没法の詳しい仕組みやメリット・デメリット、そして失敗しないためのクリニック選びまでを解説します。
1. 埋没法とは
埋没法とは、まぶたに小さな穴をあけ、そこに糸を通して数カ所結ぶ事で二重を形成する手術方法です。糸の結び目は皮膚の中に埋め込んで表面からは見えなくする事ができ、また生まれつきの自然な二重まぶたと同じような構造を人工的に作る方法のため、非常にナチュラルな仕上がりになります。
まぶたにメスを入れて二重を作る切開法と違い、10分程度で手術は終了し、まぶたに傷は残りません。なかには翌日から仕事に行く人もいるほどダウンタイムが短い事も魅力です。また、手術から年数が経過していなければ、簡単に糸を解いて元に戻す事が出来る事から、プチ整形のカテゴリーで扱っているクリニックもあります。
そんなメリットばかりに思える埋没法ですが、中には手術後数ヶ月でもとに戻ってしまったり、まぶたの状態によっては思い通りのラインにならない事もあります。また、いくらメスを入れないとは言え、まぶたに穴を開けて糸を通す訳ですから、失敗やリスクもあります。まるでアイプチをするような感覚で埋没法を行う女性もいますが、事前のクリニック選びやカウンセリングでしっかりとした準備が必要になる事を覚えておいて下さい。
2. 埋没法の種類
埋没法は、大きく分けて「瞼板法」と「挙筋法」という二つの方法があります。
瞼板法(けんばんほう)
まぶたの裏にある軟骨状の組織「瞼板」と、まぶたの皮膚を結ぶ事で二重のラインを作る方法が瞼板法です。
埋没法の中でもオーソドックスな方法で、「〇点止め」と表記されていたら瞼板法での施術になります。
埋没法の中でも糸の除去ややり直しがしやすいというメリットのある方法です。
挙筋法
まぶたを持ち上げる「眼瞼挙筋」という筋肉とまぶたの皮膚を結ぶ方法で、生まれつきの二重瞼とより近い構造になります。
筋肉に糸を止めるため、瞼板法のように何か所も止めるのではなく、大きな輪っか状にした糸で結ぶ形となります。
まぶたの上にある筋肉と糸で止めるため、わずかに目ヂカラ強化の効果があり、幅の広い二重などにも対応が可能という考えから行っているクリニックもあります。
また、瞼板法では術後数日間糸が眼球にあたって異物感が生じることもありますが、挙筋法では糸が眼球に触れる事が無い少ないというのもメリットとなります。
しかし、デメリットとしてはこの手術による眼瞼痙攣発生のリスクが最近指摘されています。
▼糸の止め方によっても違いがある
埋没法は、糸の留め方によっても二重の固定力やダウンタイムが左右されます。自分のまぶたに合っているのはどの方法なのか、医師と良く話し合いましょう。
2点止め
もっとも手軽でダウンタイムが少ない方法です。まぶたに通した糸の結び目を2カ所だけにする事で、手術後の腫れを最小限におさえる事が出来ます。料金がリーズナブルで手術時間も短い事から、気軽に二重にしたい人や、初めて埋没法を行う人にも最適です。しかし、その反面まぶたの固定力が弱くなり、もともとまぶたが厚い場合や、幅の広い二重にした場合はもとに戻ってしまう事も。中には再手術をしてもラインが消失してしまうため、定期的なメンテナンスが必要になる人もいます。
最近では1点止めを格安のメニューとして行っているクリニックもありますが、1点止めはまぶたの1か所しか止めない方法のため、それだけで二重のラインを作ろうとすると不自然な形になることもありります。元々二重の方が二重のラインを調整したいという場合に利用するイメージでとらえると良いでしょう。
3点・4点止め
糸の結び目を3カ所・4カ所と増やす事で、固定を強くする方法です。2点止めよりも二重のラインが取れにくく、くっきりとした目元を作れます。しかし、手術後の腫れが比較的大きくなるというデメリットがあります。また2点止めと比べて料金も割高になります。
結び目は多いほど良い?
クリニックのホームページなどを見ると、強度の強い3点・4点止めをすすめているところが多いようですが、結び目は多ければ多いほど良いという訳ではありません。まぶたに埋め込む糸が多くなる訳ですから、手術後に違和感を感じやすくなったり、結び目が目立つ事も。希望通りの仕上がりにする為には、医師の技術が必要になります。
中には料金が割高だという理由で3点・4点止めをすすめるクリニックもあるので、自分のまぶたに最適な方法で手術出来るよう、複数のクリニックでカウンセリングを受けてみる事をおすすめします。
ループ止め
主に挙筋法で施術を行う際に利用される糸の止め方で、糸を大きな輪っか状にして結ぶ方法です。
二重のラインを作りたい場所に沿って糸を入れるため、理想の形を作りやすく、結び目が少ないため、結び目が眼球にあたってゴロゴロするなどのトラブルも発生しにくいという利点があります。
ただし、ループ止めを行うには医師の技量が必要であるという事や、この方法で止めた場合は糸が皮膚にめり込んで見えなくなってしまうため、除去ややり直しが難しいという点がデメリットです。
3. 埋没法のメリット
埋没法を検討している人が事前に知ってくべき、メリット・デメリットをまとめました。
切開しないからダウンタイムが短い
まぶたにメスを入れる事に抵抗がある人や、出来る限りリスクの少ない方法で二重にしたいという人には、埋没法はとてもメリットのある方法です。腫れや内出血も最小限でおさまるため、仕事を長く休めない人でも周囲の目を気にせずに手術出来ます。当日〜翌日は近くで見ると腫れが分かりますが、3日も経てばメイクや眼鏡などで十分誤摩化せるでしょう。医師の腕によって内出血などもかなり抑える事が可能です。
ただし、体質によってはどうしても腫れやむくみになってしまう場合はあり、絶対に腫れないという手術は難しいといえます。
傷跡がほぼ残らない
まぶたにメスを入れる切開法の場合は、腫れが完全におさまっても切開の後が完全に消える事はありません。人によっては傷跡が二重のラインに馴染むまでに半年近くかかることもあるので、かなりの覚悟が必要です。埋没法なら、切らずに糸で留めるだけなので、傷跡はほぼ残りません。手術直後は糸が埋まっている部分が多少ボコボコする事もありますが、通常であれば時間とともに消えていきます。但し、針穴程度のわずかな傷跡が残ることは希にあります。
修正がしやすい
手術後に仕上がりが気に入らなかった場合や、左右差が出てしまった時、埋没法なら糸を解いて修正する事が出来ます。切開法を検討している場合でも、一度仕上がりを確かめるために埋没法で二重を作ってみるのも良いでしょう。ただし、手術から数年経過している場合は、糸を上手く解けない場合があるので注意しましょう。
4. 埋没法のデメリット
元に戻りやすい
すでにお話ししたように埋没法は半永久的な方法ではなく、手術の後に糸が外れ徐々に食い込みが浅くなって、元に戻ってしまう事があります。特に2点止めの場合は糸が外れやすく、まぶたが厚い人は3年以内に3〜4割の人が戻ってしまうとも言われています。
傷跡が残る訳では無いので、繰り返し手術を行う事は可能ですが、同じ箇所に何度も糸を通す事で皮膚がダメージを受けるのは避けられません。そのため、再手術を行っても糸が外れてしまう場合は、切開法をすすめられる事もあります。
まぶたが厚いとラインが付きにくい
埋没法の場合は、余分な脂肪や皮膚を切開せずに二重を形成するため、点状に留めるオーソドックスな方法ではラインが付きにくい事があります。特に、目のすぐ上よりも眉毛に近づくにつれて脂肪が厚くなるので、手術は難しくなります。無理をして糸を食い込ませると、引きつれたような目もとになり痛みが出ることもあるので、まぶたが厚い人ほど自然な幅のラインを希望した方が良いでしょう。
5. 埋没法の手術方法と当日の流れ
埋没法の手術当日は具体的にどのような事を行うのか、1日の流れを解説します。
- 手術の前に、二重のデザインを最終確認。その後マーキングをする。
- 麻酔の後、まぶたに小さな穴をあけて極細の糸を通し結ぶ。結び目を皮膚の中に埋め込んだら手術は終了。
- 冷たいタオルでクーリングする。
- 痛み止め・化膿止めを処方されたら、当日に帰宅。
このように、埋没法は入院の必要も無く、当日に帰宅出来ます。さらに、まぶたに穴をあけてから結び目を埋め込むまでに10分から20分程度しかかかりません。抜糸もしないため、カウンセリングも合わせると最短2回の来院で終了します。手術後2日程度はアイメイクとコンタクトは避けた方が無難です。腫れがおさまるまで目を擦らないように注意しましょう。
6. 埋没法の痛み
まぶたに穴をあけ糸を通すと聞くと痛みを心配する人も多いようですが、埋没法は非常に痛みの少ない手術方法です。手術中は、デザインの確認をするため全身麻酔はしませんが、点眼麻酔と局部麻酔を使えば痛みは感じません。強いて言うなら、局部麻酔を打つ時に採血程度の痛みを感じる程度でしょうか。
手術後の痛みの感じ方は個人差がありますが、処方された痛み止めだけで問題無い人がほとんどです。特に、2点止めの場合は痛み止めも飲まなかったという人が多いので、あまり心配する必要は無いでしょう。
7. 埋没法のダウンタイム
埋没法の手術後、どれくらいで腫れが引いてラインが完成するのかを3点・4点留めのケースで解説します。回復には個人差があるので、一般的な例として参考にして下さい。
当日〜7日 : 周囲に気づかれる程の大きな腫れは当日〜2日程度でおさまります。その後は、泣いた後のような厚ぼったさが残りますが、それほど違和感は感じません。多少の赤みや内出血が出ても、メイクで隠せる程度のものです。
7日〜14日 : 人によっては、徐々に腫れが無くなりすっきりした目元になります。まだ多少のむくみを感じる場合もありますが、周囲に気づかれる程では無いでしょう。
14日〜1ヶ月 : 遅くとも1ヶ月後にはダウンタイムが終わり、ラインも安定します。ここで仕上がりに満足出来なかったり、糸の食い込みがある場合は早めに相談しましょう。
このように、手術から2週間くらいでは腫れが完全に引いていない場合もあるので、仕上がりを判断するには早すぎます。まぶたに厚ぼったさがあるので、二重の幅が広すぎると感じたり、片方だけ腫れがあると左右で幅が違う状態になる事もありますが、ラインが完成する1ヶ月後までは焦らずに待ちましょう。
腫れを早く引かせるには、とにかく目元を擦らない事。そして手術から2日程度はアイスノンをタオルでくるんだもので目元を冷やすと効果的です。長時間の入浴や運動などの体を温める行為も、腫れが落ち着くまでは出来るだけ避けましょう。
8. 埋没法のリスク
埋没法というと、とにかく手軽に二重を作れる方法だと思われがちですが、もちろんリスクが無い訳ではありません。ここでは、手術後に起こりうるトラブルをいくつかご紹介します。
元に戻せないケースもある
埋没法=簡単にもとに戻せるというのが一番の魅力だと感じている人も多いと思います。ですが、手術から長期間が経過してしまうと、糸を解こうとしてもまぶたの組織に癒着が生じてラインを元に戻す事が出来なかったり、そもそも糸が見つからなくなってしまう事があります。また、糸を解いたとしても長年のクセがついていてラインが消えない事も。一度完成したラインを必ず消す事が出来る訳ではないため、カウンセリングの際にデザインを良く話し合う事が大切です。
糸の食い込みや違和感がある
腫れが完全に引いた後も、糸が食い込んで引きつれていたり、違和感を感じる場合は一度糸を解いてから再手術が必要になります。ただし、もともとまぶたの脂肪が厚い場合や皮膚が余っている場合は、通常の点で固定する方法では二重のラインを作れない事があります。そうなると再手術をしても結局同じ結果になるか、手術後すぐにラインが取れてしまう事になりかねません。
その場合は、まぶたを切開して二重を形成する切開法の適用になります。切開法の場合は、余分な脂肪や皮膚を切除してから縫合するため、まぶたが厚い人でよりきれいな二重を作ることが出来る可能性があります。
糸がまぶたから出てくる
稀に、手術の後に皮膚側や眼球側から糸が飛び出てくる事があります。もちろん皮膚側に糸が出ているのは見た目上の問題がありますが、眼球側に出ている場合もチクチクとした刺激を感じるようになります。放置すると目を傷つけてしまうので、早急に医師に相談して糸を抜いて下さい。
9. 埋没法に失敗しないための、医師やクリニックの選び方
埋没法に関わらず、手術の仕上がりやダウンタイムは医師の腕にかかっています。また、良心的なクリニックを選ぶ事も大切ですね。何を基準にして選べば良いのか分からないという人のために、医師やクリニックを選ぶ際のポイントを解説します。
保証があるクリニックを選ぶ
すでにお話ししたように、埋没法で作った二重は半永久的では無いため、元に戻ってしまう事があります。特にまぶたが厚い人は3〜5年で4割近くの確率で糸が取れるとも言われているので、再手術の際の保証があるかを事前に確認しておきましょう。クリニックによって、1年保証・3年保証・永久保証などさまざまな保証制度が用意されているので、加算される金額などを考慮しながら検討して下さい。もちろん保証がある方が料金は高くなりますが、期間内であれば無料で再手術をしてくれるので、結果的には得をする事もあります。
複数のクリニックでカウンセリングを受ける
すでに信頼しているクリニックがある人でなければ、カウンセリングは2〜3カ所のクリニックで受ける事をおすすめします。なかにはキャンペーンなどで料金が安くなると言って手術を急かすクリニックもありますが、その場で即決するのは危険です。さらに料金を少しでも高額にするために、埋没法だけでなく目頭切開や脂肪切除などもすすめられる事もありますが、本当に必要なのかを他のクリニックでカウンセリングを受けて確かめるくらいの慎重さが必要です。
医師の経歴は必ずチェックする
埋没法というと「プチ整形だからどの医師でも同じでしょ」と言う人もいますが、実際は医師の技術が仕上がりやダウンタイムを大きく左右します。糸が緩ければまぶたから糸が表面に露出したり、反対にきつすぎれば食い込みや違和感を感じます。ひとりひとりのまぶたの状態を見て、ベストな強さで糸を結ぶ技術やセンスが必要なのです。埋没法の場合は少なくとも3年以上の経験がある医師を選ぶと良いでしょう。
10. まとめ
メスを入れずに二重を作れる埋没法についてお話ししました。糸でまぶたを留めるだけで手軽に二重になれて、しかもダウンタイムも最小限で済む事からプチ整形とも言われる埋没法ですが、リスクやデメリットもある事を把握しておきましょう。せっかく手術をしてもすぐに二重が取れてしまったり、希望どおりの仕上がりにならなかったなどのリスクを避ける為にも、くれぐれも医師やクリニック選びを怠らないようにして下さいね。この記事を読んでいるあなたが、理想の二重を手に入れられる事を願っています。