医療脱毛の痛い部位はどこ? パーツ別の痛みの強さ
医療脱毛
公開日:2019/04/08
そこで今回は、医療脱毛の痛みについてお話するとともに、痛い部位とそれほど痛くない部位のランキングを発表したいと思います。
監修 小野健太郎
スキンクリニック藤枝 院長
2003年 東京大学教育学部卒
2007年 群馬大学医学部卒
2009年 厚木市立病院(神奈川県厚木市)初期臨床研修修了
昭和大学病院 形成外科
2010年 聖路加国際病院 形成外科
2013年 山梨大学医学部付属病院 形成外科
2016年 スキンクリニック藤枝 開院
医療脱毛が痛い理由
医療脱毛による痛みとは、一体何が原因で起こるのでしょうか?
脱毛による痛みといっても、その痛みの程度には色々な表現のされ方があり、よく言われるものに輪ゴムで弾かれたような痛みやチクっとした痛みなどがあります。
そもそも、痛みというものは人によって感じ方が違い、怪我をしても痛みを強く感じる人もいればあまり痛みを感じないというような人がいるように、医療脱毛の痛みについても個人差がありますので、ほとんど痛みを感じない人もいる一方で、脂汗が出るほど痛かったという人や、部位によっては声が出るほど痛かったという人もいます。
医療脱毛の中でも特に痛いと言われているのが、毛穴に針を刺して電流を流し、毛根にダメージを与える「ニードル脱毛」です。効果は高いのですが、その分、針を刺す時の痛みや電流を流して細胞にダメージを与えている時の痛みが強く、とても強い痛みに耐える必要がある施術と感じることがあります。
現在主流となっているレーザー脱毛が普及する前は、脱毛といえばこのニードル脱毛であったため、医療脱毛は非常に強い痛みを伴う施術という認識が広く持たれていたという面もあります。
もっともクリニックによっては麻酔を併用することでこの痛みを軽減しているところもありますので、これもケースバイケースと言えるでしょう。
一方で、近年になって広く普及し、主流となっている医療脱毛方法のレーザー脱毛は、毛穴に針を刺すという行為も無く、レーザーの熱によって一瞬で毛根部分の細胞を破壊するため、ニードル脱毛と比べ大幅に痛みが軽減されるようになってきました。
また、普及した理由としては痛みが少なくなったと同時に施術にかかる時間も大幅に削減された事により、低価格で施術を受けやすい状態になってきているという背景があります。
とはいえ、やはりレーザー脱毛でも痛みが無いというわけではなく、冒頭にあげたような「輪ゴムで弾く程度」の痛みは、レーザー脱毛の痛みを指す言葉としてよく使用されています。
皮膚科で行っている医療レーザー脱毛では、実に約200℃の熱が、照射時に発生します。一瞬なので強い痛みを感じたり、ヤケドなどの肌ダメージを負ったりするわけではないのですが、この高温が発生する瞬間に毛根部分の細胞が破壊されるので、痛みが生じるのは自然なこととも言えるでしょう。
ちなみに、医療機関ではなくエステサロンで行われている光脱毛は、照射時に発生する熱は約70℃といわれていて、レーザー脱毛に比べてパワーが抑えられています。その分、痛みが少ない事は確かであり、医療レーザー脱毛は光脱毛の3倍くらい痛いと言われる事もある程ですが、一方で光脱毛では毛根部分の細胞を破壊する事は難しいため、永久脱毛の効果を十分に得られるとは到底言えません。
また、医療レーザーにはお肌の負担を最小限にするための種々の冷却装置が各機種に備えられています。熱は低くてもジェルや保冷剤のパックで冷やすしかないエステに比べて、実際のお肌の負担は少ないと言えるでしょう。
医療脱毛で痛いと感じやすい部位
脱毛の種類によっても痛みの程度が変わりますが、部位によっても痛みの大きさが変わってきます。皮膚が薄かったり、毛が濃く密集したりしている部位は、特に痛みを感じやすいと言われています。また、骨に近い部位も痛みや刺激を感じやすくなります。
まずは、脱毛で痛いと感じる部位をご紹介します。
①女性の脱毛では一番痛いといわれる「VIO(デリケートゾーン)」
全身の中で最も痛いと言われている部位が、VIOです。口コミ情報によれば、基本的には我慢できないような痛みという程ではないですが、中には強烈な痛みを感じて慌てて麻酔をお願いしたという人もいて、様々な調査で最も痛い部位とされています。VIOは毛が濃い上に皮膚が薄いため、痛みに敏感な部位です。また、女性でも毛が非常に密集して生えている箇所であるなど痛いと感じる条件が揃っているため、どうしても強い痛みを感じることがあります。
VIOと一言でまとめていう事が多いこの部位ですが、細かく言えばVライン(ビキニライン)、Iライン、Oラインの3つの部位にそれぞれでやはり痛みの感じ方なども異なります。
最も痛いと感じるのがIラインで、Oラインも痛みが強めです。これはそもそも粘膜に近いこれらの部位が痛みに対して敏感という事の他、摩擦が発生しやすく色素沈着を引き起こしやすい場所でもあるため、肌に蓄積されたメラニン色素などにもレーザーが反応してしまい、痛みを感じるという理由もあります。
一方でVラインの、特にパンティラインに沿った部分は、肌もある程度強いためそれほど痛みを感じないという人も少なくありません。
このように痛みはあるのですが、VIOは脱毛をすることで、ムレを防いで清潔に保つことができるため、衛生面でのメリットは大きくなります。また、水着やショーツから、ムダ毛がはみ出すこともなくなるので、ファッションもより安心して楽しむ事ができるようになる事から、近年人気が高まっ来ている部位です。
痛い上に恥ずかしいという気持ちから、なかなか施術に踏み切れない部位かもしれませんが、デリケートゾーンのムダ毛に対しカミソリなどでの自己処理を続けていると、肌を傷つけたり埋没毛が出来てしまったりといったようなトラブルを招く恐れもあるため、思い切ってクリニックで医療脱毛の施術を受けるほうがのちのちのためにも安心です。
痛過ぎて我慢できないという場合は、照射の出力を下げてもらってください。3回目くらいまでは特に痛いと感じやすいのですが、毛の量が減って密集度合いが軽減されてくると、痛みも感じにくくなってより強めの出力で照射ができるようになっていきます。
②女性でも意外と痛い「鼻の下」
鼻の下に薄っすら生えているヒゲ。処理をサボっていると、うっかりヒゲが伸びていることってありませんか?他人からもチェックされやすい部位なので、鼻の下にヒゲが生えている女性を見て、ガッカリする男性は多いようです。
鼻の下は放置すると目立つ部位なので、顔の中でも、鼻の下の脱毛を希望する人は少なくありません。一方で、同時に、この部分の脱毛は痛いと感じる人も多いようです。鼻の下は、ゴムで弾いたような痛みを感じます。
顔の脱毛では、皮膚の薄さと毛質に加え、肌の色も痛みに影響を及ぼします。基本的に顔の皮膚は薄いので、脱毛による痛みを感じやすい部位になります。
また、顔の産毛は薄いので、出力が高くないと、あまり効果を感じられません。そのため、産毛の脱毛に対しては強めの出力でレーザーを照射する事が多いのですが、出力の高いレーザー脱毛を行えば、当然痛みも感じやすくなります。
また、顔はやはり全身の中でも日焼けをしやすい部位。肌が黒い人も痛みを感じやすく、極端に日焼けをしていると、クリニックやサロンによっては施術を断られる場合があります。と言うのも、光は黒いものに反応して、熱に変わります。そのため、脱毛器によっては皮膚のメラニン色素(黒色)にも反応してしまうので、日焼けして肌が黒い人は火傷などの肌トラブルを招く恐れがあるからです。肌の色が黒ければ黒いほど、メラニン色素も多くなりますので、痛みを感じやすくなります。
顔に限らず、脱毛前後の日焼けはNG。美白は痛みを軽減するだけではなく、レーザーのエネルギーが毛に集中しやすくなるため脱毛効果を高めるためにも重要です。
鼻の下は処理することで、化粧ノリが良くなるといったメリットもあるので自己処理を行っている方も多いと思いますが、シェービングでは肌が傷ついて余計なトラブルとなる可能性も高いため、医療脱毛がおすすめです。
また、顔は全体的にデリケートなので、他の部位に比べて、赤みなどの肌トラブルが出やすい場所。エステサロンでの脱毛ではトラブルの際の対応が不可能という面もありますので、医療脱毛を選択するようにしたほうが無難といえます。
③一番ムダ毛が目立ちやすくきになる「膝・膝下」
レーザー脱毛に限らず、エステサロンで行われる光脱毛でさえも痛いと感じる部位が、膝小僧と膝下です。針で刺されたような痛みを膝下全体に感じたという人もいれば、膝小僧にゴムで弾かれたような痛みを感じたという人もいます。骨に響くと、ジーンとした痛みを感じます。膝や膝下は骨に近いので、レーザー光が骨に響きやすい部位です。また、皮膚が薄かったり、肌が乾燥していると、熱を感じやすくなります。照射によるダメージも受けやすいため、痛みを感じます。
また、膝や膝下の痛みには、毛の太さや毛の量も関係しています。太くて硬いムダ毛が集中して生えていると、痛いと感じやすくなります。膝下部分は女性でも太い毛が生えやすいところなので、全身の中でも痛みを感じやすい部位なのです。
そうは言っても膝下は人目に触れやすい部位なので、毛が生えてくる限りは定期的に処理をしなければなりません。自己処理を続けているとブツブツが目立ってくるので、クリニックでの医療脱毛がおすすめです。どうしても痛みが不安という場合は、医療機関であるクリニックなら麻酔をしてもらうことができます。
医療脱毛で痛いと感じにくい部位
医療脱毛して痛い部位があるように、それほど痛いと感じない部位もあります。痛いと感じる理由とは逆で、基本的には毛の薄いところや、そもそも肌が刺激になれている(痛みに強い場所)が痛くない部位になります。
①毛が薄く刺激につよい「腕」
比較的、痛みを感じにくいと言われている部位が腕です。ワキに比べて、腕のムダ毛は細くて長いので、痛みを感じにくくなります。皮膚が薄くて骨に近い手の甲や指の脱毛に比べると、腕脱毛ではほとんどの人が痛みを感じていません。痛みを感じるとすれば、腕の毛が濃いヒジのあたりに、ピリピリとした痛みを伴う程度です。たいていの人が我慢できる程度の痛みで、施術範囲も狭いため、すぐに終わります。耐えられないほどの痛みを感じる人は、ほとんどいないはずです。
半袖を着る季節になると、人から見られる機会も増えてくるので、腕はスッキリした印象を与えるためには人気の部位でもあります。
ただし、痛みが少ないとはいっても肌が日焼けをしているなど刺激に弱い状態にあると、痛みは感じやすくなります。
顔には日焼け止めを塗って対策をしていても、腕はついついおろそかにしがちな部位でもありますので、しっかりと紫外線対策を行っておくようにしましょう。
②暖かくて気持ちいい程度の刺激の「背中」
背中には濃い毛が生えている事があまりなく、薄くて細い産毛のような毛が生えている程度なので、脱毛しても比較的痛くない部位になります。もし痛みを感じたとしても、ピリッとする程度の痛みで、むしろ暖かく感じるくらいという声もあります。
ただし、施術箇所が広範囲に及ぶため、照射時間は比較的長くなります。また、背中の中でも毛が濃い箇所や背骨に沿った部分、腰骨近くは、痛いと感じることもあるようです。
自分では処理しにくいものの、他人からは案外見られている場所なので、比較的需要が高い部位となっています。また、背中の脱毛をすることで、ニキビ予防にもなります。ニキビができるのは、背中の毛穴に皮脂が詰まるから。脱毛をすると毛穴に皮脂が溜まりにくくなり、炎症も起きづらくなるのです。
それほど大きな痛みもないので、背中が汚い!という人は、背中脱毛にチャレンジしてみると良いでしょう。毛の処理に加え、ニキビ予防も期待できます。
③痛みの程度を経験するのにちょうどいい「ワキ」
脱毛する部位の中でも、一番人気なのがワキです。やはりワキの毛はいつでもちゃんと処理したい部位ですので、永久脱毛してしまえば安心ですよね。ワキの脱毛はニーズも高く、範囲も小さくて「医療脱毛」を体験するのに向いている事から、多くのクリニックがワキ脱毛の初回限定プランなどを提供しています。
痛くない部位の一つとして紹介していますが、実際には痛みが無いというわけではなく、むしろ人によっては痛みを感じやすい部位。
しかし、ワキは範囲が小さいため、あまり痛みに対する我慢し続けなくてもすぐに終わるという点で、楽な部位でもあります。
ワキ脱毛で痛みを感じたという人の声を聞くと、輪ゴムで弾かれるような痛みや電気が走ったような痛みを感じているようです。しかし、ワキ脱毛で痛みを感じた人でも、大半は我慢できないほどの痛みではないという意見が殆どです。
ワキ脱毛が痛いと感じる理由は、3つあります。まず、濃くて太い毛が生えている部位なので、痛みを感じやすいと考えられます。また、皮膚も柔らかくて薄いため、痛みに敏感なことも挙げられます。そして、日常生活で刺激を受ける事が少ないため、痛みに対して免疫のない部位であることから、刺激に敏感に反応しやすいとも言えます。
しっかりとした毛に対してのレーザー照射がどの程度の痛みや刺激になるかを経験しやすく、かつ狭い部位なので短時間で終わるワキは、レーザー脱毛の特徴・効果を実感するためにも非常に適した部位。レーザー照射によって何らかのトラブルが発生しても、人から目立ちにくいというのも体験に適している理由の一つです。
医療脱毛を受けてみたいけれど、痛みの程度が気になるという場合には、やはりワキ脱毛でまず脱毛を体験してみてから、気になる他の部位の脱毛を検討してみても良いでしょう。
まとめ
脱毛においては多少の痛みを伴いますが、痛みは毛を育成する毛根部分などの細胞にダメージを与えている証拠でもありますので、基本的には、ある程度の痛みを感じるような施術の方が効果も高くなるといえます。ですが、痛みが原因で通えなくなってしまったら、せっかくお金を払っても意味がありませんよね。
あまりにも痛みを感じる時は、麻酔をしたり出力を下げるなど、病院ならではの方法で痛みに対処してもらえるので、我慢せずクリニックで相談してみましょう。
それでも痛みが不安という人は、最初に痛みを感じにくいと言われている部位から、脱毛を始めてみてはいかがでしょうか?