みずほクリニック

施術の解説

鼻先の太さを細くすると同時に鼻橋部（鼻柱部）を下方向に伸ばしたいという希望の32歳の女性です。

下から撮影した鼻先の術前写真を見ますと、そのシルエットはドーム状もしくは半円を描いていて、いかにも「ダンゴ鼻」の形状です。

鼻先は鼻尖修正手術にて細く作り、鼻橋部は耳介軟骨移植術によって下方に伸ばします。これら2つの手技は大変相性が良く、2つを同時に行うことで鼻先がより細く見えさらに、鼻全体の長さが上下方向に伸びたように見えるため、いわゆる相乗効果が得られます。
鼻手術の手技においては、お互いの手技がお互いの良さををさらに増強して伸ばし合うタイプの組み合わせと逆にお互いの良さ、目的を打ち消し合ってプラマイゼロの結果になってしまうものもあるため要注意です。

術後の写真は１ヶ月後です。腫れは既に引いており完成型に近い形となっています。前方正面から見た写真で比較しますと、鼻スジから鼻先において絞り込みがうまく効いて術前より細身の鼻という印象に変化しています。この絞りの量を術中に患者様が上体を起こして、鏡で形状を見てもらいながら鼻の絞り加減（絞りの量）を医師が調整致します。それには、全身麻酔、静脈麻酔などを出来るだけ使用せず意識がハッキリと明確な状態で患者様が鼻の形を正面、斜め、下から、横など多方向から入念に注意深くチェックすることが重要です。

患者様のご希望によっては、こちらで絞りの糸をゆるめたり外したりすることで微調整が可能となります。今回も、そうすることによって鼻スジから鼻先にかけて「自然な細さ」が得られています。絞り過ぎはピンチノーズと言われるいわゆるわざとらしい「整形鼻」の印象となるため避けなくてはなりません。

また、この手術では鼻の絞りの量を間違えると、横顔から見た鼻においてsupratipと呼ばれる鼻先より少し上方の皮膚が前方に突出して、鼻先が絶壁のようにつぶれて見えたりすることがあります。
また、横方向で見る鼻先が丸く見えるためPolybeak変形（オウムのくちばし様変形）となるケースがあり得ますが写真上、術前・術後はsupratipの極端な変化はなく、ストレートなラインが保たれています。
これが、この手術において実は重要なポイントなのです。