ホルモンバランスが崩れるとムダ毛も増える? 予防する方法は?
医療脱毛 (医療レーザー脱毛)
公開日:2019/02/04
今回は、体内のホルモンバランスが崩れる原因や、それを予防する方法についてご紹介していきますので、急にムダ毛が増えたと感じる方はぜひ、参考にしてみてくださいね。
監修 宇井千穂
やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原院/シミレーザー東京 院長
2004年 公立福生病院勤務
2006年 土佐清水病院勤務 同時に非常勤として銀座の某クリニック勤務
2019年 やさしい美容皮膚科・皮フ科秋葉原院 開院
ホルモンバランスが崩れるのはこんなとき
よく、肌の調子が変化すると「ホルモンバランスの変化」が原因と紹介されますが、普通に過ごしていても崩れるときには崩れるのがホルモンバランスです。
ホルモンというのは体の特定の部分の成長や活動を促したりする作用があるため、バランスが変化すると特定の箇所だけ急に元気になって、他は逆に元気がなくなってしまうというような変化などが発生します。その一つがムダ毛の成長で、例えば男性ホルモンが増えるとヒゲなどが濃くなり、逆に頭髪は薄くなったりしていきます。
ホルモンバランスが崩れる原因には色々なものがありますが、意外なところにその原因が潜んでいることもあります。急激にムダ毛が増えたと感じている方は、まずは以下のいずれかがご自身に当てはまっていないかチェックしてみましょう。
妊娠
女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があり、妊娠するとプロゲステロンの分泌量が増えます。プロゲステロンは妊娠を継続させるように体を作り変える、妊娠サポートの役割を持ったホルモンです。
エストロゲンとプロゲステロンの分泌量変化は生理周期によっても変化していて、月経から排卵まではエストロゲン分泌が多く、排卵から次の月経までの間はプロゲステロンが多くなります。妊娠した場合は次の排卵が起こらなくなるため、エストロゲンの分泌量が減ったままとなり、プロゲステロンの分泌量が多いままという状態が維持されます。
プロゲステロンは「ブスホルモン」と揶揄される事もあり、引き起こされる変化の一つとして体毛が濃くなるというものがあります。なぜ体毛が増えるのかというと、プロゲステロンには毛周期の成長期を長くする作用があるため、これが体毛を濃くする原因になります。
その他、プロゲステロンには、体内の水分量蓄積作用や皮脂分泌の促進作用というものもあるため、体がむくみやすくなったり、ニキビなどの肌トラブルが発生しやすくなったりするという変化もあります。
ただし、これらの変化は現代人から見れば「よくない」変化に違いがありませんが、生物としては必要な変化で、例えば妊娠中にムダ毛が増える事、特にお腹のムダ毛が濃くなる事は「保温」や「赤ちゃんを守るクッション材」としての役割があるといわれています。
このように、妊娠中にムダ毛が増えるのには理由がありますので、まずはあまり気にせず、無事な出産に向けて身体をいたわってあげることが大切です。
自律神経の乱れ
自律神経には「興奮」をつかさどる交感神経と「リラックス」をつかさどる副交感神経があり、このうち男性ホルモンを活性化させ、ヒゲなど体毛を濃くするのは交感神経です。
自律神経は加齢や極度のストレスなどによって崩れることが多く、ムダ毛が濃くなるだけでなく、睡眠障害の引き金となることもあります。また、更年期に差しかかっている方の場合では更年期障害の原因になることもありますので、これに該当する方は、なるべく早めに婦人科で適切な治療を受けておくことが望ましいでしょう。
自律神経の乱れを解消するためにはストレスがなるべくかからない環境にする事が有効ですが、難しい場合はリラックスするための呼吸法や、香りの利用、マインドフルネスや瞑想といった動作が、副交感神経の働きを高めて乱れを解消するために有効です。
無理なダイエット
ダイエットとムダ毛は一見すると関係なさそうですよね? しかし、極端なダイエットで体内の脂肪やコレステロールが一気になくなってしまうと卵巣機能が弱まり、女性ホルモンの分泌量が減ることがあると考えられています。そしてその結果として男性ホルモンが優勢な状態になると、その影響を受けてムダ毛が増えることがあります。
食事を過剰に制限するなどの無理なダイエット方法は、吸収する栄養素も偏りがちとなって痩せにくく太りやすい体質へと向かってしまいますので、ダイエットは無理しすぎず、適度な食事と適度な運動によって少しずつ行うようにしましょう。
喫煙
タバコは1本数だけで体内の活性酸素量を増やしますので、肌老化のスピードを速める原因になります。さらに、体内の女性ホルモンを分解することもあり、これがムダ毛を増やす原因になります。
急にムダ毛が増えたと感じたときの対処方法
急にムダ毛が増えたと感じた方は、まずは生活の中にその原因が潜んでいないか確認し、ご自身で改善できるところは改善するように努力してみましょう。
また、妊娠によるホルモンバランスの崩れで体毛が濃くなった場合では、出産後しばらくすると元の状態に戻ることが考えられますが、もしも戻らなかった場合では、以下の対処を行ってみると良いでしょう。
抑毛ローションの使用
ムダ毛処理後に、大豆イソフラボンを配合した抑毛ローションを使用するという方法です。大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た働きをするといわれていますので、この成分を繰り返し毛穴から送り込むことが、濃くなったムダ毛の改善効果を期待できるでしょう。
ただし、抑毛ローションには脱毛効果はなく、ムダ毛の成長を遅らせる抑毛効果に留まりますので、この点については頭に入れておく必要があります。
適度な運動を行う
適度な運動には、自律神経の働きを整え、ホルモンバランスを整える効果を期待できます。特にウォーキングなどの有酸素運動には皮下脂肪の燃焼効果も期待できますので、余分な皮下脂肪が気になる方も、この機会に適度な運動を行うことを心がけてみてはいかがでしょうか。
ただし、今まで運動不足によって全身が血行不良状態であった人の場合、運動によって血液がいきわたるようになり、栄養供給がされる事から、肌質が改善されると同時にムダ毛が成長しやすくなるという場合もあります。
食事で対処
食事でのホルモンバランスの調整には、大豆イソフラボンとビタミンEがおすすめです。大豆イソフラボンは豆腐や納豆、豆乳に、ビタミンEはアーモンドやアボカドなどに多く含まれています。これらの食品はどれもお手軽に摂ることができますので、できるだけ毎日のメニューに取り入れてみると良いでしょう。
どうしてもムダ毛が減らないときにはこの方法で!
自分でできる対処をして、それでもムダ毛が減らない場合には、脱毛施術を受けましょう。脱毛施術にはエステサロンなどで行われているフラッシュ脱毛(光脱毛)とクリニックで行われる医療レーザー脱毛がありますが、それぞれ効果に違いがあり、永久脱毛効果を得られるのは医療レーザー脱毛のみです。
フラッシュ脱毛の特徴
エステティックサロンや脱毛サロンで受けることができる方法で、弱い光の熱で毛根組織にダメージを与えて、ムダ毛を弱らせる方法とされています。
この方法は脱毛に分類されていますが、毛根組織を破壊することはできませんので、ムダ毛の再発を防ぐ「永久脱毛」は行えません。一時的なムダ毛の減少を目的とした場合に利用すると良いでしょう。
医療レーザー脱毛とくらべ、一回毎の金額が安い事や、痛みが少ないというメリットがあり、肌を傷つけやすい自己処理の代わりに利用するというイメージになります。
医療レーザー脱毛
強いレーザーのパワーで毛根に熱を加えて、組織ごと破壊する方法です。この方法は毛根組織など、毛の成長をつかさどる組織を破壊するため、永久脱毛を行う事ができます。細胞の破壊=人体を傷つけるという行為であるため、医療機関においてしか行えず、医師や医師監督下の看護師のみしか施術を行う事はできません。
確実に脱毛したい方におすすめできますが、施術中にはフラッシュ脱毛よりも強い痛みを伴い、一回毎の料金は、多くの場合でフラッシュ脱毛と比べると高額になります。
短期間で脱毛を済ませたい方や、永久脱毛効果を得たい方におすすめです。
永久脱毛した後にホルモンバランスが変化すると?
ホルモンバランスの変化によってムダ毛が増えたり減ったりする事はここまでにご紹介している通りですが、永久脱毛を行った後にホルモンバランスが変化した場合はどうなるのでしょうか?
答えは「基本的には一度永久脱毛が完了した毛穴からはムダ毛が生えない」というもので、永久脱毛はそもそもムダ毛の成長を担う毛根組織を破壊しているため、ホルモンの影響を受けたとしてもムダ毛が再発するという事はありません。
ただし、それまでは細く目立っていなかった「うぶ毛(軟毛)」が、ホルモンバランスの変化により太く、濃く変化する事があり、この変化によってムダ毛が再発したと感じるケースはあります。
毛の総数が増えるわけではないのですが、永久脱毛しきれていなかったムダ毛が目立つようになって「再発した」と感じる事はありますので、その場合は少ないショット数での脱毛施術などを受けて、目立つようになった毛を再度脱毛してしまえば良いでしょう。
注意点として、成長期にある子供については、ムダ毛の総数自体が増えていくため、永久脱毛を完了してもまた毛が生えてくる可能性があります。
まずは生活習慣の見直しを!
ムダ毛が急に増えたと感じたのなら、まずはご自身で行える努力を行ってみましょう。
しかし、自分で行う努力では基本的にムダ毛の総量を「減らす」というものではありませんので、ムダ毛を根本的に解消したいのであれば、医療レーザー脱毛で永久脱毛してしまう方が良いでしょう。