埋没法の糸を抜糸したらどのような経過で元のまぶたに戻るのか
目・二重整形 (二重埋没法)
公開日:2019/02/21
埋没法が人気の理由としては、理想的なぱっちり二重まぶたを手に入れられるという点は元よりその手軽さも非常に大きな理由で、手術自体は約15分程度の日帰りで終える事ができるほどです。
また、埋没法はメスによって皮膚を切開するようなこともないため、傷跡などを心配する必要がなく、体に対する影響が最小限であるという事も、人気の理由の一つでしょう。
そんな人気の埋没法による二重まぶた整形術ですが、一方で、手術を受けてから一定期間が経過した後に、元の状態に戻したいというような要望から、まぶたを留めている糸を抜糸(除去)したいというケースも存在します。
例えば手術によって得られた二重まぶたが理想的な状態でなかった場合や、糸による違和感などが日常生活に影響を及ぼす場合、または実際に二重まぶたにしてみたら、自分の印象に合っていなかったというような場合などがありますが、埋没法は糸によってまぶたを留めているだけの方法であるため、早期にこの糸を除去してしまえば元に戻す事ができるというのも利点の一つになっています。
今回は、埋没法で作った二重まぶたを抜糸によって元に戻したいという場合に、どのような経緯で元の状態に戻っていくのか、また抜糸を行う際の注意点などを詳しくご紹介します。
埋没法の特徴と抜糸について
二重まぶた整形術の埋没法はメスを使わず、あらかじめ決めた二重のラインに沿うようにして糸を使って瞼と筋肉や瞼板(まぶたの裏にあるシャッターの役割をする硬めの組織)などを結んで固定する方法です。
最大の特徴とも言えるのがメスを使わずに針と糸のみを使用して行う術法であることですが、使用する糸の耐久性や固定方法、体型の変化、瞼への刺激など様々な原因によって効果の持続性が変わるという側面もあります。
埋没法のメリットとしてはとにかく手軽であるという点で、手術時間が短時間で済むというだけではなく、体への負担が最小限である事から、術後の腫れなどが最小限に抑えられ、多くの場合で術後すぐにいつも通りの生活を送る事ができるようになります。
一方デメリットとしては、埋没法はあくまでも糸で止めているだけの状態であるため、経年による糸の耐久力低下や、外部からの衝撃などによって糸が切れたり外れたりしてしまい、元に戻ってしまう可能性があるという点です。
ただし、この糸が取れてしまえば元に戻るというのは利点でもあり、冒頭で挙げたように、実際に二重まぶたにしてみたら自分に似合っていなかったという場合や、理想と違う二重だったというような場合には、糸を抜糸すれば戻す事ができるというメリットという事もできます。
整形をしても後で戻せるという安心感も、埋没法が高い人気を誇っている一つの理由ではないでしょうか。
注意点として、抜糸というと治療に使っている糸を除去するだけという簡単なイメージを持ちやすいものですが、実際には埋没法を行う時にはなるべく糸が目立たないように、糸がまぶたの皮膚に潜り込んでいくような形で結ぶため、どこに糸があるのかを見つける事が難しかったり、実際に糸を除去しようとしてもそう簡単には行えなかったりする事が殆どです。埋没法を行った医師が、手術内容を記憶している間に抜糸を行う場合にはまた対処しやすいですが、治療から年月が経過していたり、他の医師に抜糸を依頼する際には難しい施術となる場合がある事を覚えておくと良いでしょう。
そもそも抜糸を行うためには埋没法の手術を行うよりも高いレベルの技術や知識が必要になる事も多く、抜糸を行いたい際は、埋没法を受ける時以上に信頼できる医師を探すという事が重要なポイントになります。
抜糸が推奨される主な事例
埋没法を受けた後に抜糸が推奨される主な事例には以下のようなものがあります。医師によっては抜糸を最善策としない場合もありますので、あくまでも参考として考えてください。
心境の変化
埋没法後の抜糸において最も多い理由が、心境の変化によるものです。主に、施術前に抱いた理想と現実が異なることや周囲からの反応、二重まぶたの効果を実感できなかったことなど人によって様々です。
ほとんどの医療機関ではこのような事態を防ぐために、施術前に入念なカウンセリングやシミュレーションを実施していますが、それでも術後の二重まぶたが好みではなかったという場合は、抜糸を選択し元の状態に戻すことになります。
理想的な仕上がりでなかった場合
埋没法によって二重まぶたになったものの、理想的な二重のラインではなかった場合には、再手術で二重のラインを調整する事があります。
この再手術を行う際、二重の幅をより広げたいというケースでは抜糸を行わず、追加の糸で調整する事が可能となりますが、二重の幅を狭めたい……例えば、平行二重にしたが、末広二重にしたいというような場合には、抜糸が必要となります。
過度に二重幅を広げすぎると、顔のバランスと合わなくなって抜糸が必要になる事がありますので、広い幅の二重まぶたにしたい場合は、より慎重に仕上がりのイメージを作るようにしましょう。
ゴロゴロなどによる不快感
埋没法を受けてしばらく経過してから、眼球にゴロゴロした違和感が生じることがあります。これらには様々な症状があり、気にならない程度のものから、目の開閉が困難になるほどのものもあります。
埋没法の影響によるゴロゴロの主な原因とされているのが、糸の露出です。とくに、二重まぶたを固定した際の糸の結び目が眼球に触れたり、コンタクトレンズの着用によって圧迫されることで生じます。
ストレス
抜糸を選択する理由のひとつに、長期間にわたって瞼に糸が存在するという精神的なストレスを挙げる人もいます。瞼に触れる度に糸が緩むことを懸念し、知らぬ間に精神的な不安を覚えることもあります。そのような状況から解放されるために抜糸を選択することは決して珍しいことではありません。
また、二重整形をしたという事に精神的な負い目を感じて、それがストレスとなってしまうケースもありますので、二重整形を受ける際にはしっかりと自分自身で納得してから行うようにしましょう。
整形したことが周囲にばれたくないという気持ちがストレスになるようであれば、いっそのことカミングアウトしてしまうというのも一つの手です。
痛みや腫れ
非常に稀なケースではありますが、ある日突然、瞼周辺で痛みや腫れが生じて、その状況が長く続くような場合は抜糸を選択することがあります。術後数年から数十年経過してからこのような事態になる可能性も否定できません。この場合の根本的な解決策として抜糸があります。
抜糸後の経過イメージ
実際に埋没法の抜糸をする場合、糸を除去するだけという点では埋没法手術よりも負担がありませんが、実際には糸を除去するために小さな切開などを行う必要があるため、完全に負担なく抜糸するという事は難しくなります。
まぶたに多少のダメージが加わるという点から、基本的に埋没法の手術を受けた時と同じような症状が発生すると考えると良いでしょう。
具体的な抜糸を行う際の状況や変化などについては下記の通りです。
抜糸前
埋没法を受けた医療機関または別の医療機関において、医師によるカウンセリングを受けます。
どこにどのような形で糸を埋めているかが分かった方が抜糸がしやすいので、基本的には手術を受けた医療機関での抜糸を依頼すると良いのですが、そこがどうしても信頼できないという場合には、埋没法の他院修正などを積極的に取り扱っているところを選ぶと良いでしょう。
カウンセリングによっては、抜糸ではなく追加の手術などほかの選択肢を提示される場合もあります。
抜糸当日
カウンセリングの結果に基づいて抜糸をおこないます。除去する糸を取り出すため、一般的には瞼を2ミリ程度切開して糸を取り除きます。埋没法の術後、日が浅い場合は切開を伴わないこともあります。抜糸の施術時間は、数分で終わることもあれば1時間近くに及ぶこともあります。
この際に注意すべき点として、糸が見つからず、抜糸が行えない可能性があることを認識しておきましょう。とくに、埋没法を受けてから数年以上経過しているような場合は、糸が皮膚の中に埋もれてしまうため、糸が見つからず除去が行えない可能性が高まります。
この場合に、どうしても抜糸をしたい場合は、糸を見つけるために大きく切開する必要があるため、術後の腫れや傷跡などの影響が大きくなります。
埋没法を受けてから2か月以内程度の場合は、抜糸した段階ですぐに元のまぶたの状態に戻ることがほとんどです。
しかし、数ヶ月経過し、まぶたの細胞が瘢痕化などによって二重まぶたの形状に定着していた場合は、完全に元の状態に戻る事が難しい場合もあります。
抜糸から3日目まで
切開した部分を中心にして腫れと赤みが生じます。施術の際に毛細血管に傷がつくと内出血を起こして紫色に変化することもあります。結膜側からの抜糸の場合、一時的に出血が続いて血が混ざった目やにの発生や、視界が赤くなることもありますが、時間の経過と共に解消されることがほとんどです。
多くの場合、抜糸翌日が最も影響が大きいとされており、腫れや内出血は2日目にピークを迎えると考えて良いでしょう。しかし、抜糸の際に切開を伴うかどうかでも影響が変わるため、個人差があることも認識しておいてください。
抜糸から4日目以降
腫れや内出血などの諸症状が治まり始めます。医療機関によって異なりますが、切開と縫合を行っている場合は、この段階で縫合糸を抜糸することがほとんどです。埋没法の糸を抜糸するにあたり通院するのはこの段階が最後とされています。
抜糸から1週間経過後
あとは自然に傷跡が消えるのを待つことになります。傷跡が完全に消えるまでは、1ヶ月程度かかるとされていますが、抜糸後2週間程度で周囲からはバレないほどに回復するとされています。また、この段階では傷口が塞がっているためメイクでカモフラージュすることも可能です。
抜糸による注意点
埋没法の糸を抜糸するにあたり、主に以下のようなことに注意してください。
埋没法は基本的に抜糸を想定していない
そもそも埋没法は抜糸を想定していない施術法です。むしろ、糸がなるべく取れないように工夫が凝らされているため、抜糸を行うという事はそもそもが難しい治療となるケースが多いといえます。
多くの医療機関では埋没法への抵抗感を減らすために抜糸をすることで簡単に元の状態に戻せることを謳っていますが、現実的には抜糸を行う時に高い技術が必要で、抜糸には切開を伴い、場合によっては元には戻せないという可能性もあります。
とくに注意すべきことは、埋没法を受けてから年月が経過しているケースです。埋没法の糸は時間経過とともに皮膚の中に埋もれて癒着状態になっていくので、抜糸の際に糸が見つからないことや、大きく切開しない限り除去できないなどのリスクを伴います。
大きな切開を行った場合は、当然術後の影響も大きくなるため、埋没法そのものよりも大掛かりな手術になると考えておきましょう。
腫れや内出血
埋没法は切開を伴わない施術ですが、埋没法の抜糸は切開を伴うことがほとんどです。
埋没法の糸の抜糸は埋没法の手術よりも腫れは少ないですが、内出血の可能性は高く、日常生活への影響は多少あると考えてください。
元の状態に戻らない
埋没法を受けてから一定以上の期間が経過すると、二重まぶたが癖付くことがあります。これは糸による皮下組織の癒着によるものです。この場合、抜糸をしても元の状態には戻らない可能性があります。
目安として、埋没法から2か月以上が経過して完全に腫れなどが落ち着いてきた段階では、同時にまぶたの状態も二重まぶたのラインで最適化されてきているため、完全には元に戻らない可能性が出てくると考えて良いでしょう。
まとめ
埋没法は非常に手軽かつ確実に二重まぶたになれる整形術ではありますが、抜糸は埋没法そのものよりも困難な場合が多く、簡単なことではないと理解しておきましょう。抜糸術は日常生活への影響もあり、年月が経過しているケースほど困難を極めますので、あらかじめ注意するようにしてください。