ボトックスは、ボツリヌストキシンという菌がつくるタンパク質から生成した成分を皮下に注入し、汗腺の働きを抑える治療です。この治療は手術のように皮膚を切開することがないため、ダウンタイムはほとんどなく、日常生活に支障をきたす心配もありません。
また、治療時間は部位にもよりますが約10~20分程ですので、学校帰りやお勤め帰りなどに気軽に受けていただけるというメリットがあります。さらに、手術よりも費用は安価、効果は約3~6カ月程度持続しますので、経済的な負担を最小限にしたい方や一時的に汗を抑制したい方にお勧めです。
【脇ボトックス】
脇のボトックス注射は、多汗症の原因となるエクリン腺の働きを抑えられます。多汗症はエクリン腺が発達しており、緊張したときや辛い物を食べたとき、急な温度差などによって大量の汗をかいてしまう状態です。
臭いの原因であるアポクリン腺も発達していると、エクリン腺から分泌された汗が蒸発するときに臭いを周りに飛散させてしまう恐れがあります。ボトックス注射によってエクリン腺の働きを抑えることでワキガと多汗症の両方の改善が期待できます。
【手のひら・足のひらボトックス】
緊張したときに手のひらに汗をかくのは誰にでもあるのですが、普段から手のひらや足に大量に汗をかいてしまう場合は、手のひら・足のひらボトックス注射をおすすめします。
手のひらに汗をかくことで書類が濡れてしまったり、握手ができないなどの弊害が発生します。また、足に汗をかくことで靴の中が蒸れてニオイの発生源になってしまいます。手のひらも足のひらもボトックス注射で汗の制御は可能です。