眉間のシワ取り整形の治療法と種類について ボトックスやヒアルロン酸注射の方法と注意点
しわ・たるみ整形(注入、糸、フェイスリフト) (ヒアルロン酸注入(シワ・たるみ治療))
公開日:2018/11/12
シワか癖づいてしまうとなかなか取れない眉間のシワを、美容医療で整形しようとお考えの方に、眉間のシワ取り整形治療法の種類と、それぞれの特徴について解説します。
監修 西尾謙三郎
もとび美容外科クリニック 新宿院 院長
東京医科歯科大学
平成15 都立墨東病院(救命救急センター、麻酔科、皮膚科)
平成17 東京女子医科大学 形成外科 研修
平成17〜26
有名美容外科 医長・技術指導医など歴任
浦和美容外科院長
埼玉医科大学 形成外科・美容外科 非常勤ドクター
平成26〜 もとび美容外科クリニック院長
■所属
美容外科専門医(JSAS)
■所属学会
日本美容外科学会(JSAS)
日本形成外科学会
日本美容皮膚科学会
抗加齢学会
日本レーザー医学会
眉間の縦シワができる原因
左右の眉頭の間の肌に、縦に入ってしまう眉間のシワ。このシワができる人とできない人がいますが、その違いはどういったところにあるのでしょうか。
眉間のシワを整形治療で消すことを検討する際、まずはそもそもなぜ眉間にシワができるのかということを理解しておく必要があります。
肌の乾燥
顔の皮膚は体全体の中でも特に薄いのですが、目の周りはさらに皮膚の層が薄く、ほかの部位に比べて水分や油分も少なくなりやすいため乾燥しがちなパーツです。しかも顔や頭部は空気や紫外線にさらされやすいため、乾燥やダメージを受けやすいので、特段保湿などを気をつけていなければ乾燥し皮膚が硬くなったりたるみやすい状態にあります。
さらに表情などで皮膚が伸縮することで、より肌としては乾燥しやすいので、眉間にかかわらず目元周辺というのは乾燥や外的ダメージによるシワ、しみ、たるみなどが出やすい箇所と言えます。
眉をひそめたり、シワを寄せて笑うなどの表情グセ
ストレスが続く、目を酷使する作業、怒りっぽいなど、つい眉をひそめてしかめっ面をする機会が多い人は、眉間にシワを寄せる表情が多く表情グセになりやすいです。
また、怒りっぽくなくても、くしゃっと顔をしかめるようにして笑うようなタイプの人でも、やはり同じような表情グセができています。
何れにしても、頻繁に眉を寄せるような表情が多い人はその表情を動かすための筋肉が動きやすくなっているため、当然その時に出るシワも癖づいて跡に残ってしまいます。
寝ている時の表情や、寝相、姿勢
眠る時に目元に力が入ってしまう癖がある人は、その時にできたシワが癖づくことがあります。辛い夢を見たり、明かりがまぶしかったり、よく寝付けないなどの状態が頻繁にあると、表情グセと同じようにシワが癖づいてしまいます。
また、枕や腕で顔を横から圧迫するような姿勢で眠る寝相の人も、圧迫した時によるシワが癖づくことがあります。
疲れ目や、肩こり、血行不良
普段の生活の中で目を酷使するような生活を送っていると、目の疲れから目元や顔の筋肉がこわばって、無自覚のうちにしかめっ面になってしまうことがあります。
また、同じ姿勢でいる時間が長かったり、肩こりや冷え、頭皮が突っ張るなど、疲れや上半身のコリなどが影響し、目元の強張りが緩和せずシワとなって残ることも考えられます。
頭部の皮膚のたるみ、老化
皮膚のシワは、誰もが知るとおり老化によって誰しもできる可能性があります。皮膚が硬くなり弾力を失うと、顔の肌の表面にたるみが出て、余分な皮膚が折りたたまれることでシワになります。
しかし眉間の縦じわに関しては、上から下への重力に応じてつく横ジワと違い、左右から力が加わることでできるシワです。つまり、老化によって皮膚がたるんだ状態から、さらに左右の眉がよるような表情や動作によってできます。
表情グセと老化が組み合わさることで、より深くくっきりとしたシワになってしまいます。
視力の低下や、眩しさによる、目を細める動作
見づらいものを見ようとする時、人は目を細めるような動作をします。たまにやるくらいであればシワにまでなりませんが、例えば視力が低下してメガネやコンタクトが合わなくなると、目を細める動作を頻繁にしてしまいます。
また、太陽の光が眩しい中を出歩くと、同じように目を細めてしまいます。
自分の視力にあったメガネやコンタクト、サングラスを着用しないことで、眉間にシワができる機会が増えてしまいます。
美容整形で消すことができる眉間のシワとは
眉間にできる縦じわは、「表情ジワ」と「静的シワ」とに分けることができます。
表情ジワというのは、文字通り表情によってシワがよっている状態、または表情によってよったシワの跡をさします。
一方、静的シワというのは、無表情の時でもくっきりと出てしまう深いシワのことを指します。
表情ジワもずっと繰り返していくうちに、深く戻りにくくなっていき、静的シワになっていく可能性があります。
美容整形ではこれらのどちらも治療することができますが、それぞれ適した治療法が異なります。
眉間のシワ取り整形治療の種類と特徴
先ほどの「表情ジワ」と「静的シワ」について、それぞれに対して効果のある治療法の種類と特徴を説明します。
「表情ジワ」にはボツリトキシン注射(ボトックス)
表情ジワの代表的な整形治療法として、「ボツリヌストキシン注射」というものがあります。ボツリトキシンとはボツリヌス菌が産生するタンパク質の一種で、注射をすると神経に働き神経から筋肉への伝達を阻害することによって、強制的に筋肉の動きを抑えるという治療法です。「ボトックス注射」等とも言われますが、正確にはボツリトキシン注射の元祖が米国の製薬会社アラガン社の「ボトックス」という商品で、ボトックスという商品名が施術名として長く一般的に使われたため、ボトックスがこの治療法の代名詞のように使われています。
<ボツリトキシン注射の効果・持続性>
ボツリトキシン注射は、様々な表情ジワに効果があり、眉間のシワに使用した場合は、眉間周辺、または眉周辺の動きが止まります。
表情の癖や薬剤の効き方、医師の注入テクニックによって多少の違いはあり、眉間のシワの部分だけがよらないようになる場合もあれば、ひたいの途中あたりまでシワがよらないくらい広範囲に効果が出ることがあります。
一度施術をすると、数日~1週間の間に効果が現れ、それから3〜6ヶ月ほど持続し、そのあと次第に効果が薄まって行き数ヶ月~半年後には治療前の状態に戻ります。
<ボツリトキシン注射の施術方法・費用>
ボツリトキシン注射による眉間のシワ取り治療の方法はとてもシンプルです。
まず眉間周辺を消毒し、医師が眉間のシワを寄せる筋肉を確認した上で、注射を打ちます。
注射は、通常5点に注入しますが、医師の術式や個人の筋肉のつき方によって様々です。
術後は施術痕や目立った腫れなどはなく、その後すぐ普段通りの生活に戻れるのでダウンタイムはあまりありません。ただし、ポイントで内出血することがあり、1,2週間で徐々に消えていきます。メイクでカバーが可能です。
施術後1週間は注入部位はマッサージしないようにする必要があります。
眉間のシワ取りに使う薬剤は大体0.15cc程度ですが、これももちろんあくまで参考値です。
料金はクリニックによって様々ですが、薬剤の種類などで決まります。
アラガン社のボトックスという薬剤を使って眉間のシワ取り治療をする場合は、大体8000円〜3万円くらいと幅があります。
たまに「ボトックス治療」と表示があるのに3000円等と安い金額のものを目にすると思いますが、この場合アラガン社のボトックスではなく、韓国製や中国製といった比較的安価な薬剤を使用している場合があります。このような安い金額の施術ももちろん効果はありますが、効果のばらつきや早さ、治療後の保証の有無などの違いがありますので、医師に相談し納得した上で選ぶのが良いでしょう。
<ボツリトキシン注射のメリット・デメリット>
ボツリトキシン注射によって眉間のシワを取ることで、例えば眩しくてつい目を細めても、眉間だけはシワがよらないまま目を細めることができます。かといって、不自然な表情になるわけではなく、とても自然です。
シワが寄るような表情になるのを防ぐだけで、シワの跡が残りにくくなるうえ、表情も柔らかくなり、その表情が癖づいてくると、眉間のシワ取り治療を受けなくても少しずつシワのできにくい表情に近づいて行くこともあります。
また、筋肉の拘縮を解除するため、無表情時の眉間のしわも少し改善し、皮脂腺も抑えるため肌質も改善しより若々しくなる可能性もあります。
デメリットとしては、不適切な注入方法によって眉間部分の額の筋肉に効かせてしまい、眉の外側が鬼のようにつり上がってしまうことがあります。
適切な注入を行ってくれるドクターにお願いすることが大切になります。
メリットともデメリットとも取れるのが、持続性です。良くも悪くも数カ月~半年で効果が切れるので、もし整形後の仕上がりが満足行かなくてもしばらく待てば元に戻ります。
また、これもデメリットというよりも注意点ですが、ボツリトキシン注射による眉間のシワ取り治療は、シワにならないようにすることはできますが、完全に痕に残ってしまったシワを消すことはできません。
できてしまったシワを消す方法についてはこの次の治療法をご覧ください。
「静的ジワ」にはヒアルロン酸注射(フィラー)
ヒアルロン酸注射は、皮膚の中にヒアルロン酸液を注入することで、その箇所を物理的にボリュームアップし、凹みなどを内側からふっくらとさせてシワを目立ちにくくする方法です。同様の両方を総称し、「埋めるもの」「詰め物」を意味するフィラーと呼ばれることもあります。
ヒアルロン酸は、もともと肌の内側にある成分で、肌をふっくらとさせてハリや弾力、潤いの保持などをする役割があります。深く跡が残ってしまっているシワは肌の内側にヒアルロン酸や肌の弾力を作るエラスティンなどの様々な組織が壊れてしまっている状態なので、そこを“埋める”ようにして補うことで、内側からシワの凹みを押し上げる仕組みです。
ヒアルロン酸は比較的硬いため、ある程度の深いしわには効果的ですが、細く浅い小じわや、目周りなどの薄い皮膚の小じわなどでは、より柔らかくなじみやすいコラーゲンなどがおすすめです。
<ヒアルロン酸注射の効果・持続性>
ヒアルロン酸注射は施術したすぐ後から効果が出ますが、肌になじませ定着するまでは多少の違和感があったりもします。また、シワが深い場合、治療後もまだうっすらと線が残ることがあります。
効果の持続性は、施術後3〜6ヶ月ほどで少しずつ薄れて行きます。ヒアルロン酸は体内に少しずつ吸収されて行きますので、施術した当日がピークでシワが伸びています。施術直後は若干むくみなどありますが、2,3日~1週間程でなじんでいきます。
<ヒアルロン酸注射の施術方法・費用>
ヒアルロン酸注射で眉間のシワを取るときは、眉間のシワに沿ってヒアルロン酸を少しずつ入れて行きます。痛みを感じにくくしたい場合はガスの麻酔などを行うこともあります。
施術自体は5分ほどで終わり、施術痕やダウンタイムも特にありません。稀に針を刺した箇所から血が出ることがありますが、すぐに止血すれば特に問題ありません。
<ヒアルロン酸注射のメリット・デメリット>
ヒアルロン酸注射はとても手軽に受けれる「プチ整形」として人気の美容整形ですが、注入する上では医師の施術経験やセンスが試されるため、施術する医師によって仕上がりのクオリティが変わります。また、眉間は血管に誤注入してしまうと最悪失明のリスクがある部分です。経験の浅い医師が行ったことで不自然な仕上がりになったり、まれですが血流障害を起こして皮膚が壊死したり、最悪失明してしまう例もありますので、しっかりと口コミなどを調べてから病院を選ぶことが重要となります。
「静的ジワ」に適用する他のフィラー療法(くぼみとり)
静的シワのくぼみを埋めてふっくらとさせる、ヒアルロン酸治療というフィラー療法を先に紹介しましたが、さらに再生医療を用いて根本的なシワの改善を目的としたフィラー療法も多数あります。
例えば、PRP療法は自分の血液から採取した血小板成分を濃縮したPRPという有効成分と、コラーゲンを増やすFGFを混ぜてシワの部分に注入することで、皮膚祖活性化させ、新しい皮膚の組織を再生し、コラーゲンやエラスチンなどの弾力を生み出す成分を作り出し、シワを元に戻していくようなものがあります。また、効果の出やすいFGFだけ単独で注入することもあります。
PRPやFGFの他にシワの再生療法としてあげられるのは複数あり、幹細胞注入、成長因子注入などがあります。これらは単純にフィラーを注入してボリュームを出すのではなく、組織再生を促して自分の力で組織にボリュームを出します。
眉間のシワ取り整形治療の病院を選ぶ基準
やはり眉間は顔の中心であり、注目されやすい部位ですから、失敗は避けたいですよね。
施術はシンプルですが、眉間はリスク部位であり、経験豊富な医師の繊細な技術が試されます。
病院を選ぶ際は値段だけではなく、まずは病院や医師の施術の口コミをよく読んで、経験豊富か、その施術が得意かどうか、同じ施術をした人の満足度はどうかなどをよく見た上で慎重に選びましょう。
また、病院に行ってからも、その施術の補償についてや、施術に関するリスク、副作用など、しっかり確認し、納得した上で治療に望みましょう。