クリニックで産毛脱毛は可能? 色素の薄い毛への脱毛効果
医療脱毛 (医療レーザー脱毛)
公開日:2018/11/13
そこで今回は気にならないようで気になる産毛の脱毛や、産毛の脱毛のメリットとデメリット、そして脱毛する際のクリニックの選び方などをご紹介します。産毛の脱毛を考えている人はぜひ参考にしてみてください。
産毛の脱毛はできるの?
産毛は非常に細く、目に見えないような毛のため自分でキレイに処理することは難しいもの。頑張ってカミソリなどで除毛しても残ってしまいやすく、何とか解消したいという方は多いのではないでしょうか。
ちなみに、本来産毛(うぶげ)というのは赤ちゃんが生まれた時に生えている毛の事を指し、成長してから生えてくる薄く細い毛は「軟毛」と呼びますが、一般的にはこれも産毛と言われますので、今回はこれら全てを含んで産毛として解説します。
産毛の処理方法としておすすめなのが医療機関(クリニック)による脱毛で、通常の太く目立つムダ毛と同じように、毛根部分を破壊してしまえば、再度成長してくる事がなくなるため悩みから解放されます。
ただし、産毛の脱毛は1回だけの通院や治療で終わるものではなく、更に言え太く色の濃いムダ毛よりも脱毛効果を発揮しにくいという特徴があるため、複数回の通院が必要であり、産毛が再び生えてこなくなるまで半年以上の時間が必要となります。
産毛の脱毛にはクリニックでの脱毛以外にもエステサロンなどで行われている脱毛施術もありますが、クリニックのレーザー脱毛とエステサロンの光脱毛には大きな差もありますので、この点をそれぞれ紹介していきます。
産毛を脱毛する方法や機材は?【クリニック編】
産毛を脱毛するためにはレーザー治療が一般的で、なかでも産毛の脱毛に最も効果的とされているのがダイオードレーザーやYAGレーザーを使った方法です。これらは色素が薄い産毛にも効果があるとされています。ここではレーザーの特徴や実際にクリニックで使われている機材について解説します。
ダイオードレーザー
産毛の脱毛で最も定番とされるレーザー光がダイオードレーザーです。使用される機材によって特徴は異なるものの、半導体を使ったダイオードレーザーは波長が長く(810nm程度)、肌の深い部分まで光が届くため毛根そのものを破壊させる力があります。また、他の光と比較して肌への負担が少ないことが特徴です。多くの機材では施術しながら肌を冷却する機能があり、施術時の負担を軽減しています。
肌に優しいからこそ強い出力での照射が可能で、色素の薄い産毛でも脱毛効果を得やすくなっています。
ダイオードレーザーを使用した脱毛機には下記のようなものがあります。
Lumenis Lightsheer DUET(ライトシェアデュエット)
ほぼ無痛の施術が自慢のアメリカ製のライトシェアデュエットは、産毛の脱毛における定番の機材のひとつです。最新式の機材ではジェルが不要でなおかつヘッドが大きいため施術時間を大幅に短縮しています。産毛の脱毛には複数回の施術が必要なためだけに、1回に受けるストレスを最大限に減らす工夫がされています。
Asclepion MeDioStar NeXT PRO(メディオスターネクストプロ)
色黒肌の人や、とにかく早く施術を終わらせたい人向けに開発されたドイツ製のメディオスターネクストプロ。
痛みを抑えた「蓄熱式脱毛」を行う「蓄熱式のスムースパルス照射」ができる脱毛機として、取り扱う医院も増えているレーザー機器です。
808nmと940nmの2種類の波長を同時に照射でき、従来の脱毛で狙う毛根部分だけではなく、毛の成長を促す成分が分泌される「バルジ領域」という箇所にも集中してエネルギーを照射する事が可能であるため、長期的な減毛効果が得られるとされています。
蓄熱式脱毛は理論上より毛穴の浅い部分に熱を蓄積する方法であるため、産毛のような薄い毛でも効果を発揮しやすい可能性があります。
Asclepion Soprano(ソプラノ)
ドイツ製のソプラノシリーズには、ソプラノ、ソプラノアイス、ソプラノアイスプラチナムの3種類がありますが、国内では主にソプラノアイスが主流です。1秒間に10回の照射でリズム良く照射し、毛に熱エネルギーを蓄積して脱毛する「蓄熱式脱毛」の元祖とも言えます。施術中は痛みよりも蓄熱による温かさを感じる状態が続き、従来の脱毛よりも少ない痛みで受ける事ができます。痛みが苦手な人に向いていると言えるでしょう。
こちらウェルネスビューティクリニック大阪院にて導入しております。
YAGレーザー(ヤグレーザー)
約1,064nmの長い波長が皮下組織まで届いて毛根から脱毛します。深くまでエネルギーを照射しやすい事から、近年ではワキやVIOなどのデリケートゾーンの脱毛にも使われています。
こちらも波長が長いため色素が薄い産毛などに効果を発揮しやすく、またある程度日焼けをしているような肌質でも照射を行う事が可能です。
YAGレーザーを照射する機器にも、下記のような種類があります。
Cutera Xeo(ゼオ)
アメリカ製の皮膚療複合機であるXeoは産毛の処理だけでなく、肌のくすみの改善やコラーゲンの増成などを促す美容効果が高い機材です。産毛の処理以外にも肌質の改善を目指す方に最適な一台です。
ゼオは複合機のため脱毛や美容を展開する全国のクリニックで導入されています。比較的、身近な機材と言えるでしょう。
Cutera G-MAX(ジーマックス)
アレキサンドライトレーザーとYAGレーザーの2種類が使えるG-MAXは産毛から太い毛、また、全身のあらゆる部位に対応していることが特徴です。また、照射スピードの調整や照射範囲の拡大、対象の部位も様々なことから広く使われている機材のひとつです。
Cutera CoolGlide(クールグライド)
1回の治療での脱毛効果を向上させた機種で、照射と同時に稼動する冷却装置があるため痛みを緩和させられるのが特徴です。男性のヒゲの脱毛にも使われることもあり、産毛が濃い人にも向いていると言えます。アメリカではFDA(Food and Drug Administration)と呼ばれる政府機関によって永久脱毛効果が承認されています。
アレキサンドライトレーザーは産毛に不向き
医療レーザー脱毛で多く用いられるものに「アレキサンドライトレーザー」があります。
アレキサンドライトレーザーは通常の濃い毛に対しては非常に高い脱毛効果があり、レーザー脱毛の定番でもあるのですが、波長が短く肌への刺激が強いため、出力を上げにくいという性質もあります。
このことから、アレキサンドライトレーザーは日焼けしているような肌への照射に向かず、また産毛の脱毛に対しても不向きという特徴があります。
クリニックによっては脱毛ようのレーザーがアレキサンドライトレーザーのみという場合もありますので、産毛の脱毛を行いたい場合は他のところも検討する方が良いでしょう。
産毛を脱毛する方法や機材は?【サロン編】
医療機関とサロンでは使用できる機材が異なります。エステサロンや美容サロンではフラッシュ脱毛(光脱毛)と呼ばれる方法が用いられています。近年では、産毛の脱毛に効果的なフラッシュ脱毛はSHR脱毛やSSC脱毛とされています。
SHR脱毛(スーパー・ヘアー・リムーバブルテクノロジー)
SHR脱毛は最新の脱毛方式で、従来のように毛乳頭に光を当てるのではなく、毛包に光を当てて発毛因子を作り出すバルジと呼ばれる部分に熱を蓄積させることで発毛を抑える仕組み。医療レーザー脱毛で言う所の「蓄熱式脱毛」です。
弱い光を蓄積させていくため痛みが少なく、産毛への効果が期待できるとされます。
ただし、光脱毛はレーザー脱毛と違い照射する光の周波数も複数のものが混ざるため、狙った場所(バルジ領域)に対し的確にダメージを与えるのは困難。照射出力も弱いため、除毛効果を狙うなら良いのですが、産毛の永久脱毛の効果を期待するのは難しいでしょう。
導入しているサロンはやや限定的であるようです。
SSC脱毛(スムース・スキン・コントロール)
イタリアのDEKA社が開発したSSC脱毛は専用のジェルを使い、脱毛と同時に毛の成長を抑制する方法です。ジェルを使うため施術時間や手間はかかるものの、痛みや刺激はほとんどなく温かみを感じる程度のようです。
成長期の毛に対してアプローチを行い、毛根にダメージを与えていくものですが、やはり医療機関でのレーザー脱毛と比べると出力が弱く、特に色素の薄い産毛に対して永久脱毛効果を発揮する事はまず困難だといえます。
産毛については永久脱毛ではなく、定期的な除毛処理と考えて通うのであれば良いでしょう。
大手のサロンで積極的に採用されている脱毛方法です。
IPL脱毛(インテンス・パルス・ライト)
通常、光脱毛というとこの方式の脱毛を指します。
毛のメラニンに反応する波長をもった光を照射する事で、毛根組織に熱刺激を与えていくという原理で脱毛を行うため、基本的にはレーザー脱毛と同じ仕組みです。
クリニックで使用されているレーザー光と比較して照射強度が弱いため、脱毛にかかる回数が多くなってしまう事や、産毛には脱毛効果を発揮する事が難しいといえます。
近年では、SHR方式やSSC方式が台頭していますが、昔からある産毛の脱毛の方式です。大手サロンを始め、多くのエステサロンで受けられます。
産毛の永久脱毛はエステではまず難しい
以上のように、エステサロンでも産毛の処理ができるとしているところはありますが、そもそも産毛のように色素が薄い毛は医療機関でのレーザーでも永久脱毛が難しく、それよりも出力が弱いエステサロンの光脱毛ではまず困難でしょう。
サロン脱毛では「永久脱毛」ではなく光による除毛という形で説明しているところが多いように、産毛などムダ毛を光のエネルギーで焼いて処理する事で、一時的にムダ毛が無い状態を作る「ムダ毛処理」の一環として受ける感覚が良いと言えます。
産毛の脱毛によるメリット・デメリット
産毛の脱毛にはメリットとデメリットがあります。クリニックに通う前にメリットとデメリットを理解しておきましょう。
産毛の脱毛のメリット
産毛の脱毛による主なメリットは肌色の向上、肌トラブルが起きにくくなる、メイクが映えることなどがあります。
産毛を脱毛することで毛が毛穴からなくなるため、単純に肌の色が明るくなるというだけではなく、皮脂や汚れなどが付着しづらくなります。
これにより、肌のくすみが引き起こされにくくなり肌色がワントーン明るく見える効果があります。同時に、毛穴汚れが少なくなることでニキビや吹き出物などの肌荒れの機会も減少します。
また、顔においては産毛がなくなることでファンデーションや化粧下地が密着しやすくなるため、化粧ノリが良くなり化粧崩れも防げます。とくに女性にとっては、見た目の印象に大きな影響を与えると言えます。この他にも自己処理の時間削減やメイク時間の短縮など副次的なメリットもあります。
産毛の脱毛のデメリット
産毛の脱毛にはデメリットもあります。主なデメリットは毛嚢炎(もうのうえん)、硬毛化や増毛化のリスクが高まることです。
一般的に産毛の脱毛はレーザー光を使った光治療が行われますが、これらは肌にとって刺激になります。光を受けた肌には小さな傷ができ、その部分に雑菌が付着することで軽度の炎症(毛嚢炎)を引き起こすことがあります。見た目はニキビのような赤色の突起のようなものですが、目立つため日常生活に支障が及ぶ場合もあります。
硬毛化や増毛化も産毛の脱毛のデメリットと言えます。硬毛化は光を受けた毛根が壊滅状態にならず、半端に活性化されることで起こるとされており、毛の色が濃くなる症状のことです。施術者の経験や機材によっても発生リスクが変わり、自覚するのに半年以上かかるため厄介な症状です。
増毛化は、光を受けた毛穴が活性化されて毛が伸びてくる症状です。施術前は目立たなかった毛穴が施術によって活性化されて起こるため、脱毛したのにもかかわらず毛が増えたように感じる症状です。硬毛化も増毛化も直接的な原因は解明されていませんが、施術機関や機材にかかわらず脱毛に共通して起こる症状です。
硬毛化や増毛化してしまった場合でも、その毛を脱毛すれば良いので最終的には解消が可能ですが、一時的に毛が濃くなる可能性という点ではデメリットになります。
この他にも、産毛を脱毛するには複数回の通院、施術時の痛みなどのデメリットがあります。カウンセリングの際にデメリットについてしっかり説明を受けるようにしてください。
クリニックの選び方
産毛を脱毛する際に重要なことは施術機関の選び方です。ここではこれらを見分ける際のポイントを解説します。ポイントは「機材の充実度」、「硬毛化や増毛化への対応」そして「実績」です。
産毛の脱毛に使用される機材はクリニックやエステによって異なりますが、ご自身の理想に沿った機材を導入している機関かどうかを見極めることが大切です。ご自身が優先する事項(無痛、コスト、施術時間、通院期間など)をカウンセリング時に伝えて、それに見合った機材を持っている機関を選んでください。
産毛の脱毛には硬毛化や増毛化などのリスクが伴います。これらに対する保証を行ってくれる機関かどうかも大切です。中長期的な施術が必要な産毛の脱毛には予想外のトラブルも発生しやすいため、無料で保証される範囲が広い機関を選ぶといいでしょう。
最後に、脱毛を施術した実績も見極める際に重要なポイントです。一般的なワキやVIOなどの脱毛ではなく、産毛の脱毛の実績が多い機関が望ましいでしょう。
脱毛のように機械を使った施術では、どうしても機械の性能ばかりに着目しがちですが、脱毛は最適な肌質の見極めや出力の調整、そして脱毛機の扱い方によっても効果が変わるため、しっかりと実績のあるクリニックを選ぶ事が大切です。
このように、機材、保証、実績についてはカウンセリング時に直接尋ねることが理想ですが、ホームページや店頭で公表している場合がほとんどですので、事前の情報収集に活用してください。
まとめ
産毛の脱毛は関心が高い分野のため、低価格や著名人を売りにした機関が散見されます。クリニックにしてもエステにせよ、コストと時間がかかることですので、事前に正しい知識を身につける事が、満足できる脱毛を受けるためには大切です。