整形失敗の返金はあり得ますか？

TCB東京中央美容外科 新宿三丁目院新宿三丁目院 院長

安本匠男性

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まず、腫れや内出血に関しては、これらを最小限に抑える努力はどんな医師でも行なっているはずです。

しかしながら、程度の差はあれど腫れは100％でますし、可能性は低くても内出血は想定される通常の経過の範囲です。また、術後のトラブルを避けるために、術前に説明をして、書面にて同意書に患者様のサインをもらうのが一般的だと思います。

これらの手続きがされていないのであれば、確かに説明不足だと思います。まつ毛に関しては、わからないですが、例えば目の下の皮膚のたるみを取る施術であれば、まつげが抜けたり、何本か切れてしまうというのは想定される範囲の出来事だと思います。もし、偶発的にまつげが切れてしまい、医師が気づいたのであればその場で説明をするのが一般的な対応かと思います。

また、医療は不確実性があり、美容整形に限らず結果に満足できない患者様がいるのも想定されます。例えば、高血圧の患者様がいて、同じ薬を同じ量出しても、効果は人によって違いますし、全然効かない方もいますよね。胃がんの患者様がいて、手術をしても全ての患者様が癌が治るかというとそうではないということはご理解いただけるでしょう。だからと言って、手術して治らなかったから「お金を返金してください」ということにはならないですよね。

医療サービを提供することに対して対価が発生するのであって、結果が伴わなかったことで返金を受けることは基本的にはできないと思います。これは飲食店で注文した料理が不味かったとしても料金を支払わないければならないのと同じ理屈です。

しかしながら、その前提として施術前に仕上がりや個人差、リスクなどについて説明を受けていて、患者様が同意していること、満足しなかった場合の医療機関側の対応などが重要になってくると思います。例えば、二重の手術をして二重にならかったということであれば、明らかに契約の不履行だと思いますのでもう一度無料で手術したり、返金という対応があり得ると思います。結果が出ていないことを客観的に証明することができなければ、返金は難しいかもしれません。

まずは、返金ということを前面に出すのではなく、現在の経過がどのような状態なのか、今後効果が出てくる可能性があるのかなどをクリニック側からよく説明を受けることをお勧めします。その上で、今後どのような対応があるのか見極めましょう。