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大きく開いた毛穴は治療可能?毛穴の種類別に出来る皮膚科でのケア方法

シミ取り・肝斑・毛穴治療

解説 口コミ広場編集部
監修 仁木須美子 医師

公開日:2019/07/30


鏡を見ると、頰や小鼻などの大きく開いた毛穴が気になるというような悩みは、特に肌の曲がり角を迎えた女性には多いのではないでしょうか?
毛穴は必要なものというのはわかっていても、毛穴が開いていることで肌がざらついたり、メイクのノリが悪くなってしまうこともあることから、毛穴をなるべく、小さく、目立たなくしたいと思っている方は多いですよね。
そこで今回は、開いてしまった毛穴の治療や最適なケアの仕方について、ご紹介します。

監修 仁木須美子

茶屋町皮フ科クリニック 院長

〈仁木医師プロフィール〉
兵庫医科大学 医学部医学科 卒業後、一般皮膚科の研鑽を積んだ後、神戸の美容皮膚科で長年、副院長を務めておりました。
・日本皮膚科学会正会員
・米国レーザー医学会正会員
・日本レーザー医学会正会員 認定医
・日本美容皮膚科学会正会員
・日本アロマセラピー学会正会員 認定医
・日本抗加齢医学会正会員

毛穴トラブルの種類は大きく分けて5タイプ

毛穴は肌のバリア機能として働く皮脂膜の元、皮脂を分泌させる役割や、閉じたり開いたりすることでの体温調節機能、そして汗の分泌によるフェロモン機能など、体にとって必要な、様々な役割をもっています。

では、そもそもなぜ毛穴は開いてしまうのでしょうか?

よく、お店で見かける「毛穴ケア」商品がありますが、こういった商品はほとんどが毛穴の汚れやつまりを解消するというものになっていて、このことから、なんとなく毛穴が開く原因=皮脂などの汚れが詰まる事という認識を持っている方も多いかもしれません。

しかし、実は毛穴開きの原因は、メイクなどの汚れや過剰な皮脂の分泌といったものだけではなく、ストレスや生活習慣の乱れなどでも起こります。さらに、紫外線や肌の乾燥などによっても刺激を受けて開いてみえるようになってしまうため、皮脂の分泌が落ち着く年齢になっても、逆に毛穴の開きが目立つようになっていくという事が多くなります。


このように、ひと言で「毛穴のトラブル」と言ってもその症状にはいくつかの種類、原因がありますので、まずは自分がどのタイプの毛穴なのかを知っておく事で、最適なケアや治療方法の選択ができるようになります。


毛穴のトラブルは、大きくわけて以下の5つに分ける事ができます。


1.開き毛穴

肌が乾燥していたり、肌が紫外線などによってダメージを受けやすい状態になっている方に多いタイプの毛穴トラブルで、最も多くの方が気にしているタイプのトラブルです。

実は、このタイプの毛穴トラブルは、毛穴が直接開いたまま閉じないというものではなく、ほとんどの場合で毛穴周辺の肌が薄くなり、毛穴周辺がすり鉢状になる事で毛穴が目立つようになります。

本当の意味での毛穴は、体温調整などのために開いたり閉じたりすることはありますが、基本的にはただ開いたままになるようなものではないので、冷水などで毛穴を引き締めたところでこの症状が改善するという事はありません。


なぜ毛穴の周辺がすり鉢状になってしまうのかというと、その原因はまず肌のターンオーバーが低下する事に始まります。

加齢による変化や乾燥、そして紫外線などの刺激によって肌の細胞がダメージを受けると、新しい肌の細胞が作られるスピードは遅くなり、ターンオーバーの速度が低下していきます。

一方で、毛穴からは皮脂が分泌され、その皮脂からは肌を弱酸性に守るために脂肪酸という酸性の物質が作られるのですが、この脂肪酸は、少なからず古い角質細胞を溶かしてしまいます。

つまり、新しい肌の細胞がなかなか出来てこない上、古い細胞は毛穴を中心に徐々に溶かされていくため、毛穴周辺の層が薄くなって、すり鉢状になっていくのです。


ここに更に毛穴パックなどを使ってしまうと、毛穴周辺の肌細胞は余計に削られて、毛穴が目立つ度合いが悪化する事もあります。


このように、毛穴そのものが開くわけではなく、毛穴周囲の肌が薄くなって凹凸に見えるというパターンが、実は毛穴トラブルの中でも特に多い開き毛穴の原因です。

肌の乾燥が大きな原因となるため、皮脂の分泌が少ない頬などでも発生しやすいトラブルです。


2.つまり毛穴

白くザラザラした角栓が毛穴に詰まっている状態です。角栓によって毛穴が押し広げられて目立っているため、角栓を除去すればすぐに解消できます。

毛穴の詰まりによって膨らみが出てくると、白ニキビと呼ばれる状態になります。


角栓による毛穴詰まりは、こちらもターンオーバーの低下によって古い角質が積み重なり、毛穴の出口をふさぎやすくなってしまう事や、メイクなどの汚れと皮脂が混ざる事によってドロドロの状態になり、それが毛穴を詰まらせる事によって発生します。


また、この角栓が空気に触れて酸化する事によって黒くなると、より目立つ状態になります。角栓が黒く変色したパターンは「黒ニキビ」とも呼ばれます。


鼻パックなど毛穴の汚れを除去する事で解消できる毛穴トラブルは、主にこのタイプのもののみとなります。


3.黒ずみ毛穴

紫外線の刺激などで過剰に増えたメラニンが原因で、黒っぽく見えてしまう毛穴のトラブルで、毛穴のシミともいわれます。

通常、作られたメラニンは肌のターンオーバーによって排出されるのですが、ターンオーバーの低下などによって排出がされにくくなると、色素沈着を起こして毛穴が茶色っぽく見えたり、黒っぽく見えるようになります。小鼻にできることも多く、前述の詰まり毛穴とも間違われやすいです。


毛穴は紫外線による刺激だけではなく、皮脂から作られた脂肪酸による刺激も受けるため、メラニンが作られやすくなっています。

黒ずみ毛穴になってしまうとセルフケアでの解消には時間がかかるため、しっかりと紫外線などの刺激を予防して黒ずみを起こさせない事が大切です。


4.たるみ毛穴

加齢による老化現象が原因で、皮膚のコラーゲンやエラスチンといった成分が減少して弾力が失われることにより、肌がたるむのに合わせて毛穴も目立つようになるというトラブルです。

重力によって引っ張られて広がるため、毛穴がしずく型でたるんだように見えるようになるという事や、少し上に引っ張れば目立たなくなるという特徴があります。

加齢だけではなく、強い紫外線によってコラーゲンなどが分解されてしまった場合や、急激に痩せた場合にも起こります。特に、たるみやすい頰やほうれい線周辺に多く見られます。


また、肌のハリが更に失われていくと、毛穴同士がつながったようにシワができるようになり、「帯状毛穴」という更に目立ちやすいタイプの毛穴トラブルへと発展する場合もあります。


5.ニキビ跡毛穴(クレーター)

ニキビができた時に、なかなか治癒できず炎症が真皮層など肌の深い部分にまで広がり、肌の再生がしっかりと行えない状態になってしまった事が原因で、クレーターとして残ったタイプの毛穴です。

肌表面からのケアが難しく、解消するためには医療的なケアが必要となります。



毛穴の治療は種類別に美容皮膚科で行うのがベター

以上のように、毛穴は原因で目立つようになってしまいますが、この毛穴のトラブルを解消するには、美容皮膚科をはじめとした皮膚系の専用クリニックで行う治療がおすすめです。

セルフケアではなかなかすぐに解消する事が難しく、また間違えたケアにより状況を更に悪化させてしまう事もあるので、とりあえず気になった商品を試してみるなどの行動はやめておいた方がいいでしょう。


ちなみに、一般的な皮膚科診療では保険適用として定められた治療が中心であるため、毛穴トラブルなど健康に影響がない症状には適した治療を行う事が難しいというのもあり、美容に特化した治療を受けられるクリニックを選ぶ事をおすすめします。


美容皮膚科では毛穴トラブルを解消するために有効な治療が数多くあり、特に下記のような治療方法がおすすめです。


1.開き毛穴におすすめ【イオン導入】

開き毛穴の原因は、主に肌の乾燥などによるバリア機能低下や、ターンオーバーの低下です。

こうした症状にお勧めの治療がイオン導入などによるスキンケア治療で、肌の深い部分にまで美容成分を浸透させることで、肌のうるおいを取り戻し、健康な状態に回復させていきます。

イオン導入で浸透させる成分としては、ビタミンCなど肌のダメージを回復させるようなものが良いでしょう。

一回の治療で大きな効果を得る事は難しいですが、定期的に繰り返す事で肌質を徐々に改善させていく事ができ、毛穴だけではなくシミやシワなどの予防としてもおすすめです。


そのほか、フォトフェイシャルなど肌のターンオーバーを促進していく治療によって、肌を健康な状態に導く事も効果的です


2.つまり毛穴・ニキビ毛穴におすすめ【ケミカルピーリング】

ケミカルピーリングとは、フルーツ酸などのピーリング剤を使用して、毛穴の角質や角栓などの老廃物を溶かすことにより、肌のターンオーバーを正常にする治療法です。使用される酸は、グリコール酸やクエン酸、リンゴ酸や乳酸などのフルーツ酸で、肌の状態に合わせて自分に合ったものを選んでもらうことができます。


酸によって肌表面の角質層を除去するため、毛穴の詰まりを直接解消していくことができるほか、肌のターンオーバーを促進して健康な肌に入れ替えていく事が狙えます。


施術後は肌のバリア機能が低下するため、いつも以上に保湿など気を付ける必要があるとう注意点がありますが、逆に言えばバリア機能の低下により美容成分が浸透しやすくなっているため、前述のイオン導入などを組み合わせる事で美肌治療効果を高める事も可能です。


ピーリングはエステサロンなどでも受ける事ができますが、肌質の状態を見極めて適切な頻度や強度で行わないと、余計に肌が荒れてしまう可能性もあるのでクリニックでの治療がおすすめです。

肌質を改善させるためには、初めのうちは2週に1度程度通い、肌の状況がよくなるにしたがって頻度を少なくしていくと良いでしょう。


3.黒ずみ毛穴におすすめ【レーザー、光治療】

黒ずみタイプの毛穴は、簡単にいえば毛穴にシミができている状態ですので、シミの解消に用いられるような、レーザー治療や光治療がおすすめです。

シミの黒い「メラニン」成分に反応する光を照射する事で、シミを分解して排出させやすくし、治療後1週間程度でシミが解消されます。


尚、老人性色素斑と呼ばれるような、いわゆるシミであればレーザー治療でしっかりととってしまった方が良いのですが、毛穴のシミは一つ一つが小さいため、広い範囲で満遍なく光を照射する、フォトフェイシャルなどの光治療の方がより向いているといえます。


レーザーや光による黒ずみの治療は、肌質や黒ずみの状況にもよりますが、早ければ一度の治療で黒ずみを解消する事ができる可能性もあります。


4.たるみ毛穴におすすめ【ラジオ波、HIFU治療】

たるみによって発生するしずく状の毛穴は、肌のハリを作り出すコラーゲンを増幅させるケアが効果的です。

美容医療分野ではラジオ波(RF)というものを使った治療や、HIFUという特殊な超音波発生装置を使った治療がおすすめです。


ラジオ波を使った治療としてはサーマクールが代表的で、肌のコラーゲンを増幅させる事で、施術の1月後から1年程度の間、たるみ毛穴だけではなく顔全体のたるみを解消します。

肌だけではなく筋肉からたるみが出ているような場合にはHIFUを利用した治療がおすすめで、ウルセラなどの治療がこれに該当します。


定期的なケアは必要となりますが、肌全体のたるみを解消して若々しさをキープするためにも非常に効果的な治療です。


5.ニキビ跡毛穴におすすめ【フラクショナルレーザー】

真皮部分が傷つき、瘢痕化という変化によって肌がくぼんだ状態で固まってしまったクレータータイプのニキビは、一度この固まった部分を破壊しなければ修復できないため、セルフケアで改善する事が難しい症状です。

美容治療では、フラクショナルレーザー治療という方法であればこの瘢痕化部分を破壊して、正常な細胞に生まれ変わらせる事に有効で、フラクショナルレーザー治療というのは、通常のレーザー治療で利用されるレーザーと比べて細いレーザーを、広い範囲で照射するという治療方法です。

細いレーザーによって肌に無数の小さな穴が開き、その穴を肌の修復機能が回復させることで、正常な肌に入れ替えていきます。


フラクショナルレーザー治療は1回の治療で肌全体の10%程度がケアできるとされていて、しっかりと効果を感じるためには10回程度、効果を感じ始めるまでに3回以上は治療を受ける必要があります。


セルフケアではとにかく保湿をしっかりと

以上のように、美容医療分野でのケアとしては様々なものがありますが、セルフケアで毛穴トラブルを解消していく場合、基本的にはとにかく保湿をしっかりと行うという事が重要です。


毛穴トラブルの多くは肌の乾燥から発生するもの。しっかりと潤いをキープしていれば、肌のターンオーバーは健康に維持されやすく、また過剰な皮脂の分泌なども避ける事ができるため、さらなる毛穴トラブルの予防や解消につながります。


逆に、毛穴をすぐに何とかしようとスクラブなど強い洗顔料を使ってしまったり、毛穴パックなどの商品を使ったりすると、かえって毛穴周囲の肌細胞が傷ついてトラブルを引き起こしやすくなります。

毛穴を引き締めるというコスメの利用についても、商品によってはアルコール成分などによって毛穴を冷却させて引き締めるため、余計に乾燥してトラブルが発生しやすくなるなど、結果からみればマイナスに働いてしまうものもあるので注意が必要です。


毛穴が目立たない美しい肌の基本は十分な保湿ケアにありますので、セルフケアではとにかくこの部分を第一に考えると良いでしょう。


その上で、更に毛穴を解消するためには一度専門家である美容皮膚科の医師に診断してもらい、最適な治療法やケア方法を模索する事がおすすめです。


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