鼻毛をブラジリアンワックスで処理するのは実は危険?安全な処理方法は?
医療脱毛 (その他(脱毛))
公開日:2019/02/01
最近では、ブラジリアンワックスで一気に処理する方法も流行っているようですが、実はこうした処理方法には様々なリスクもあり、医学的にはおすすめできる方法ではありません。
この記事では、ブラジリアンワックスでの鼻毛処理がおすすめできない理由と、安全な鼻毛の処理方法についてお伝えします。
1. 鼻毛をブラジリアンワックスで処理してはダメ?
ブラジリアンワックスとは、熱で溶かしたワックスをムダ毛に張り付けて、固まったところを一気に引きはがす事でムダ毛を抜く処理方法です。もともとはデリケートゾーンのムダ毛を処理するために開発された方法で、露出の高い服装でカーニバルなどを行うブラジル人女性が多く行っている事からブラジリアンワックスとよばれているものですが、最近ではデリケートゾーン以外のムダ毛処理としても用いられる事が増え、単にワックス脱毛(除毛)と呼ばれる事もあります。
最近ではこうしたワックス除毛が鼻毛の処理にも使われる事が増えてきてるようで、短時間で行える身だしなみの一つとして、テレビなどで取り上げられる事もあったので、知っている方は多いと思います。
確かに、1本ずつ鼻毛を抜いたりカットするよりは手軽ですし、ごっそり抜ける感じがクセになるという人もいるようです。
ですが、医学的な観点からすると、ブラジリアンワックスでの鼻毛処理はおすすめできるものではありません。その理由を、3つのポイントに分けてお伝えします。
毛穴から雑菌が入り込む
ワックスによる除毛は、毛を強制的に引きちぎるように力が加わるため、毛穴内部が傷つきやすいというデメリットのある方法です。
また、鼻の中は、温度が高く湿っているため、雑菌が繁殖しやすい部分です。そのため、ブラジリアンワックスで鼻毛を引き抜く際に毛穴を傷つけると、そこから雑菌が繁殖する危険が高い部分だと言えます。
雑菌が繁殖すると毛囊炎という症状になってしまう事があり、鼻の中が腫れ上がり強い痛みをともなう事も。毛嚢炎は基本的には体のもつ免疫力で解消されますが、悪化すると、膿を出す手術が必要になる事もあります。
また、これは極端な話ではありますが、鼻の血管は脳に繋がっているため、鼻の毛穴に感染した菌が脳にまで侵入して、最悪死につながる事も考えられるのです。鼻の中は粘膜の下にたくさんの血管が通っているため、とても慎重に扱う必要があります。
鼻の粘膜が傷つく
さらに、ブラジリアンワックスでの除毛では、毛を引きはがす際に、一緒に鼻の穴内部の粘膜も引っ張るため、鼻の粘膜を傷つけてしまう事があります。
鼻の粘膜は、ウィルスや菌などの異物が肺に侵入しないように防ぐフィルターの役割をしています。それが傷ついて機能しなくなる事で、免疫力が落ち、鼻炎や気道炎などにかかりやすくなってしまうのです。また、鼻の粘膜のダメージによって、匂いを感じる機能が鈍くなる事も。
病院でも、アレルギー性鼻炎の治療で鼻の粘膜を焼くようなレーザー治療をする事で、かえって症状が悪化してしまうケースがあります。そのため、たとえ医師でも粘膜を傷つけるような治療はとても慎重に行っているのです。
鼻から出血する事も
鼻の中を傷つける事によって、時には出血してしまう事があります。鼻の入り口から約2cm程度のところに、キーゼルバッハという毛細血管が集中している場所があります。そこには薄い粘膜のすぐ下に血管があるので、ちょっとしたダメージで血管が破れてしまうのです。
さらに、もっと奥の部分には太い血管があるので、そこを傷つけると大量出血する危険もあります。鼻の中は非常にデリケートなため、鼻毛がダメージを和らげる役割をしているのです。
ワックス脱毛が基本的にそこまで深くのケアを行わないとしても、万が一という可能性がある事を考慮すると、気軽に受けない方が良いでしょう。
2. 鼻毛は体にとって必要なもの
そもそも、鼻毛を毛根からごっそり引き抜くという処理方法は、たとえ毛穴や粘膜を傷つけなくてもあまりおすすめできるものではありません。
というのも、鼻毛は風邪やインフルエンザのウィルス・花粉・ホコリなどの空気中の有害物質が体内に侵入するのを防いでくれているからです。それが無くなる事によって、風邪を引きやすくなったり、花粉症が悪化したりなど、さまざまな弊害が出る危険性があります。
さらに、鼻毛は吸い込む空気の湿度を調整する役割も持っています。鼻毛は触ってみると湿り気を帯びていますが、これは鼻から吐いた息に含まれる水蒸気が鼻毛に付いているためです。この水蒸気が鼻から息を吸う際に蒸発して、乾燥した空気が肺に入るのを防いでくれます。
このように、嫌われがちな鼻毛は人間の体にとってとても重要な役割を果たしてくれています。もちろん、鼻毛が伸びていてはマナーの面でも良くありませんが、あくまでも鼻毛の機能を損なわないように処理する事が大切なのです。
そのためには、鼻毛が飛び出してしまうような範囲のみを限定して処理するという事が重要となります。
3. 安全な鼻毛の処理方法
鼻毛の処理方法は、ブラジリアンワックス以外にも毛抜きや脱毛・鼻毛カッターなどさまざまなものがあります。そのなかでも、安全に処理できるのはどの方法なのでしょうか。
毛抜きは危険
毛抜きで鼻毛を抜く方法は、ブラジリアンワックスと同じように毛穴や粘膜を傷つける危険性があります。また、毛抜きの先端で毛細血管を破ってしまう事もあるので、安全な方法とはいえません。
鼻毛が出ている事に気づくとついつい抜いてしまいたくなりますが、基本的にやめておいた方がいいでしょう。
鼻毛カッターや鼻毛切りバサミなら安全
安全性と、あくまでも鼻毛の役割を残しながら処理をするという面では、鼻毛カッターや鼻毛切りバサミでの処理がおすすめです。
鼻毛を抜いたり生えなくするわけでは無く、伸びている部分だけカットする事で、鼻毛の機能はしっかり残す事ができます。伸びるのが早い人は、ある程度マメなお手入れは必要になるかもしれませんが、やはり安全面を考えるとカットする方法がベストです。
処理方法のポイントとしては、まず鼻の中が湿っていると鼻毛が粘膜にくっついてしまうので、ティッシュで優しく水分を拭き取ります。
鼻毛カッターを使う場合は鼻に押し付けずに、刃で粘膜を傷つけないよう注意してカットしましょう。刃が直接肌に触れない構造のものや、先端が丸みを帯びているものならより安全です。
そして、鼻毛バサミは鼻の中に入れずに、伸びている部分だけをカットしていきます。ハサミの先端が尖っているものは避けて、鏡を見ながら少しずつカットしましょう。
鼻毛カッターや鼻毛バサミは、処理が終わったら水洗いをして清潔な状態をキープする事が大切です。鼻毛カッターは水洗いできないタイプのものもありますが、雑菌の繁殖を防ぐためにも水洗いOKなものを選びましょう。
鼻の入り口部分だけであれば脱毛もおすすめ
鼻毛カッターやハサミで処理する方法は、当たり前ではありますがある程度時間が経過して鼻毛が伸びてくると、再度鼻毛が出てくるという状態になってしまいます。
その状態を解消したいのであれば、医療レーザー脱毛での処理を検討するのも良いでしょう。
鼻毛の毛根組織を破壊する事で永久脱毛が可能であるため、鼻毛が飛び出てくるという事に悩まなくてすむようになります。
ただし、注意点としては、鼻毛の脱毛はあくまでも入り口近辺のもののみにする必要があるという点です。
深い部分まで脱毛しようとすると、粘膜を傷つけたり、鼻毛による免疫機能が低下してしまうので、特に目立ちやすい、入り口近辺の毛のみを処理する形が最適。深くにある毛が伸びてきてしまう方は、その部分についてはやはり鼻毛カッターなどで処理する事が望ましいといえます。
鼻毛は脱毛する範囲など注意しなければいけない点も多いため、しっかりと施術者が知識と技術をもっているクリニックを選択する事が大切です。
4. 鼻毛が早く伸びる原因とは
「鼻毛をカットするだけではすぐに伸びてきてしまう・・」という人は、もしかしたら鼻毛が早く伸びる環境を自分でつくっているのかもしれません。処理の回数を少なくするためにも、鼻毛の成長を抑える方法を知っておきましょう。
男性ホルモンの影響
鼻毛の成長には、男性ホルモンの分泌が影響しています。そのため、男性の鼻毛は太くて濃く、女性の鼻毛は細くて伸びにくいといわれています。
ちなみに、男性ホルモンの影響で伸びやすくなるというと女性は無関係に思えますが、女性でも男性ホルモンの影響は受けます。
女性なのに男性ホルモン?と思うかもしれませんが、女性も男性の5〜10%程度の男性ホルモンを分泌していて、その分泌量が増えたり、女性ホルモンが減少して男性ホルモンの作用を抑えきれなくなると、鼻毛がどんどん伸びてくるのです。
では、女性ホルモンをしっかり分泌させるにはどうしたらいいかというと、一番重要なのは生活習慣を整え、十分な栄養素や睡眠をとり、ストレスを避けるという事です。
ただし、現実にはそう簡単に生活習慣を整える事ができませんので、女性ホルモンを活発にする方法として手軽にできる方法は、大豆イソフラボンを摂取する事です。イソフラボンは女性ホルモンと似た働きを行ってくれる成分でもあるため、適度に摂取する事でホルモンバランスを整える事ができます。
サプリメントでも良いですが、納豆や豆腐・豆乳などの大豆製品を食べるだけでも十分必要な量を摂取する事ができます。
尚、最近の研究で、イソフラボンはそのままよりも、体内でエクオールという成分に変わるとより高い美容効果を得られるとわかってきています。エクオールは体質によって体内で合成できるかどうかが変わるため、気になる方はエクオールの合成能力があるかどうかというチェックを受けてみても良いでしょう。
体内での合成能力が無い場合でも、エクオールを直接摂取するという形で取り入れる事は可能です。
空気の汚れ
ウィルスや菌・ホコリなどが多い環境にいると、鼻毛でそれらの侵入を防ごうとするため、徐々に鼻毛の成長が早くなります。現代はPM2.5など空気の汚染が進んでいるので、昔に比べて鼻毛が伸びやすくなっているかもしれません。
外出先ではマスクをする以外にはなかなか対策ができませんが、室内にいるときはホコリやカビの胞子などが飛び回らないようにマメに掃除をするようにしましょう。また、タバコの煙は鼻毛の成長を促進させるので、家族に喫煙者がいる場合は換気も忘れずに行って下さい。
まとめ
鼻毛をブラジリアンワックスで処理するのは、毛穴から雑菌が入り込んだり、粘膜を傷つける危険があるためおすすめできません。同様に、毛抜きでの処理も、安全面では避けた方が良いでしょう。
もっとも良い方法は、鼻毛カッターや鼻毛切りバサミでの処理です。鼻毛を残しながら伸びた部分だけカットする事で、本来の鼻毛の機能も失われません。
場合によっては、入り口近辺のみ脱毛してしまうという形が普段の手間を軽減するために有効ですが、鼻の穴の脱毛はリスクもあるため、しっかりと知識や技術のある施術者がいるクリニックを選ぶようにしましょう。
もし鼻毛をカットしてもすぐに伸びてきてしまう場合は、男性ホルモンや空気の汚れなどが原因で伸びやすくなっているのかもしれません。鼻毛が伸びにくい環境を心がけるだけで、処理の回数がグッと減るかもしれませんよ。