二重整形の埋没法はやり直しが可能? 対応可能な範囲などについて
目・二重整形 (二重埋没法)
公開日:2018/10/25
確かに、埋没法は持続性がない二重整形術だと聞いてるものの、まさか、自分の瞼の糸がたった1ヶ月で糸が取れてしまうとは、想像もしていませんよね?
ところが、こういった事は特に珍しいことでもなく、ある程度経験のあるドクターに施術をお願いしたはずが、埋没法の術後にこういった事態に遭遇する人は、決して少なくありません。
今回は、二重整形の埋没法で施術を行った後、やり直しは可能なのか、 可能な場合、一体どのように、どこまでの範囲をやり直してくれるか、また、埋没法のメンテナンスについて徹底解説いたします。
監修 小松磨史
みずほクリニック 院長
H10年 札幌医科大学・大学院卒業 医学博士取得
H10年 米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)
H12年 札幌医科大学・形成外科 助教
H14年 北海道砂川市立病院・形成外科 医長
H17年 大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)
H26年 みずほクリニック開院(院長)
<免許・資格>
・日本形成外科学会・認定専門医
・日本美容外科学会・正会員
・医学博士
埋没法とは
埋没法とは、メスを一切使わず、針を使って特殊な糸でまぶたを止めて二重を作る方法です。
その方法は非常に簡単でシンプルで、施術時間もたった数10分で終了してしまうことから、痛みや腫れ、術後のダウンタイムも極めて少ない方法として知られております。
まるでメイクを行う感覚で施術が受けられることから、別名プチ二重整形とも呼ばれ、これまで整形手術に抵抗のあった層も、この埋没法で気軽に二重整形にチャレンジする人達が増えるようになりました。
ただ、この埋没法は、もうひとつの切開法のようにメスを使う方法ではない事から、 何年かすると瞼を止めている糸が緩んできたり、外れてきたりして二重のラインが崩れてしまうなどその効果は必ずしも永続的というわけではありません。
埋没法で二重の状態を維持するには、糸が緩まないように普段の生活習慣に気を付ける必要や、それでも取れてしまうような場合には定期的なメンテナンスが必要になります。
埋没法でやり直しが必要になるパターン
埋没法は、まぶたの組織を糸で繋ぎとめるだけの方法であるため、どうしてもその効果が確実に永続的とはならず、埋没法によって作られた二重のラインがキレイにそのまま出る持続期間としては、約3年~5年とも言われています。この期間を過ぎると完全に元の状態に戻るというものではありませんが、二重のラインが少しぼやけたり、まぶたが下がってくるような印象を受ける方は多いといえます。
そもそも人は加齢によっても皮膚にハリが無くなるなどして目の形が変化しますので、手術の際に理想的な状態で作り上げたまぶたがある程度の年数を経過する事で変化するというのは、ある意味仕方のない事でもあります。
このように二重のラインが崩れてくると必要になる「やり直し」ですが、加齢以外による変化以外にもやり直しが必要となる場合があり、そのパターンは大よそ下記の通りとなります。
糸が緩んでしまう
瞼を糸で留める方法である埋没法は、その留めている糸が緩んでしまうと、せっかく施術でバッチリ二重を作れたとしても、二重はたちまち元に戻ってしまいます。この糸が緩む原因には次のようなことが考えられます。
①元々瞼に厚みがある、脂肪が多い
埋没法は、お手軽に二重になれることから、非常に人気のある二重施術ではありますが、実は全ての方に向いている施術方法とは言えません。
瞼に厚みのある人や、目元周りに脂肪が多く付いている人は、そもそも糸だけで二重のラインを作り維持する事が難しいため、埋没法でパッチリ二重にする事がそもそも困難であり、結果的に、無理矢理埋没法で二重にしたとしても、瞼の重み(弾力)などで、すぐに糸が外れてしまいやすくなるのです。
こういった術後のトラブルを防ぐため、自分の瞼が埋没法のみで問題なく二重にできるかどうかを、事前のカウンセリング時に担当ドクターとよく相談しましょう。
②二重の幅を広くしすぎる
埋没法で作れる二重のラインは、元々のまぶたの形などに依存する面があり、誰でも思い描いた通りの二重のラインを作れるというわけではありません。
特に、目が非常に大きく見える幅の広い平行二重にしたいという場合、そもそもまぶたが薄い事や、蒙古ヒダと呼ばれる日本人などに特有の目頭の皮膚が無い事など、いくつかの条件を満たさないと作る事ができません。
そのため、仮に外国人やハーフの人のように幅が広い二重にしたい! という願望があったとしても、多くの人は埋没法のみでは無理やりな状態で実現するという形になってしまい、とれたり緩んだりしやすくなります。
埋没法のみを使って二重を目指す場合は二重幅をあまり欲張りすぎないようにしましょう。
③まつエクや誤ったクレンジング、目元の擦り過ぎ
埋没法は糸で留めているだけで二重を作っている方法なので、目元に余計な刺激を与える行為は基本的に全てNG。まぶたに強い刺激が加わると、当然糸も外れたり緩んだりしやすくなります。
例えば、無意識に目元を擦り過ぎてしまう、クレンジング洗顔の際、目元を強めにマッサージしてしまうなど日常生活にも気を付ける必要がありますし、まつエクをする場合などにも皮膚を引っ張ったり、伸展したりすればラインに負担がかかるため、細心の注意を払う必要があります。
希望のラインではなかった
埋没法は、もう1つの切開法に比べると、希望のライン、デザインにすることが難しい施術法であるため、仕上がりの状態を見てやり直しを希望される方も多くいます。
また、埋没法でも、瞼板法か挙筋法のどちらを選択するかで、仕上がりに若干の違いが生じることがあります。一般的には、挙筋法は、挙筋を短縮することでわずかながら目ヂカラを強化することが出来るとされます。ただし、筋肉に糸をかけて皮膚にめり込ませるため、一度とめた糸の除去がやりにくく、施術のやり直しは非常に困難な方法でもあります。
また、希に眼瞼痙攣発生のリスクがあることも近年指摘されています。
反対に瞼板法は、糸をまぶたの裏にある瞼板組織に止める方法ですが、瞼板組織が固いために挙筋法と同じように糸を線状にかけると眼球に触れてしまうという点から、糸を小さな輪にして点で留める方法。
そのため、糸の除去ややり直しは簡単に行いやすいのですが、二重を線ではなく点で留めるため幅の広い二重を作った時にラインが取れることなどもあります。
やり直しには抜糸と再手術が必要
埋没法の施術のやり直しをするには2通りの方法があります。その方法は、術後からどのぐらいの期間が空いているかによって変わってきますので、その時期に最善と思われる方法を選ぶ必要があります。
1つ目の方法は、瞼を留めている糸を抜いてしまう「抜糸」して、一旦元の瞼の状態に戻した上、再施術、つまり、完全に施術の「やり直し」を行う方法です。
術後から期間がそう長く空いていない場合は、止めている糸もまだ発見しやすく、糸を除去してしまった方が良い結果となる事が多いためこの方法がとられやすくなります。
もう1つは、前回施術で使った糸はそのままにし、また新たな糸を使って再施術を行う方法です。
この場合は施術のやり直しというよりは、追加の調整といったイメージの内容であり、まぶたの中に留まる糸の数が増えてしまうため、あまり何度も繰り返す事は推奨できません。
二重にしてからの経過時間が長いとそもそも糸が皮膚に埋もれて見えなくなってしまうため、切開をせずに除去できなくなる事から追加の調整を行う形での対応となったり、そもそもすでに施術されている糸も完全に二重瞼をつくる効果を失っていない場合などにはこちらの方法が選択されやすくなります。
やり直しを考えるのはまぶたの腫れが落ち着いてから
埋没法で、完全に元の瞼の状態に戻したい場合、通常施術日から2ヶ月以内の期間が目安とされています。
なぜ術後2ヶ月までを目安にしているかですが、埋没法の後、瞼が腫れたり、むくんだりなどの術後症状がある程度しっかり回復してくるのが術後1~2ヶ月ほどであり、逆に言えばこれ以上の期間が過ぎると、
糸が皮下の深い層へ沈む込むことで除去しにくくなってくることがあります。
まぶたの腫れが完全に落ち着かないと最終的にできる二重のラインは確認しにくいのですが、逆に完全に落ち着いて時間が長く経過すると除去しにくくなるため、大幅にイメージと違う場合には早めに医師へ相談するようにしましょう。
また、施術による瞼の腫れがひどい状態の時は、抜糸も施術のやり直しも通常は行いませんので、やり直しを検討する場合は、ある程度は腫れなどの術後症状が落ち着くまで待ちましょう。
一定期間が経過するとやり直しが出来ない可能性も
埋没法で二重施術を行って、一定期間経過してしまった場合は、「完全に」元の瞼に戻す事は困難となります。
その理由として、長期間まぶたを糸で止めていると、その形でまぶたにシワが出来たり、ある程度まぶたの内部組織も炎症瘢痕の形成によって癒着してラインのクセがついてしまったいるためです。
その一定期間とは人によって異なりますが、一般的にはおよそ半年~1年半に近い期間を目安と考えると良いでしょう。
埋没法で作った二重瞼がどうしても気に入らなくて、我慢できなくなってしまい、完全に元の瞼に戻したいと考える場合は、前項で述べましたように、術後1~2カ月の早期に決断を出し、術後から長期間経過してしまった場合は、追加施術など別の対応策を考えましょう。
何度も埋没法を繰り返すとまぶたへの負担になる
埋没法で作った二重瞼をきれいな状態に保つには、定期的なメンテナンス(追加施術)が必要になることもあるとご紹介しましたが、一方でこうしたメンテナンスをあまり何度も繰り返すことはおすすめできません。
なぜなら、埋没法のみを使って定期的に瞼を糸で留め続ける事を繰り返すと、その度に瞼にだんだんと負担がかかり、瞼が重い、だるい、などの症状を引き起こし、目を開けていることが辛くなるような症状に頻繁に悩むことになる可能性もあり得るからです。
このような点を考慮しますと、埋没法で二重の状態を保つ為の再施術は、せいぜい2回、持ちが悪い場合でも、最大3回までに止めておき、それ以上に二重のラインを維持したい場合には、切開法を検討しましょう。
クリニックの「永久保証」とは?
二重整形術について、クリニックによっては最初の料金に、この定期メンテナンスごと引き受けてくれる「永久保証」という制度を行なっています。
埋没法はただでさえ、瞼の糸が取れてしまう、思った二重幅と違うなど、何かと自分の理想と仕上がりイメージがことなりやすい性質を持ちます。
そういった意味では、1回こっきりの施術で後は知りません。というクリニックより、
何かあった場合のメンテナンスをバッチリ行ってくれる、永久保証制度を付けてくれるクリニックの方が、長い目で見ると安心です。
ただ、永久保証制度を付けた場合、施術費用が大きく増加するケースもあります。施術料金となりますので、やはり予算のことも十分に加味した上で検討するべきでしょう。
ただ、この永久保証制度で1点注意しなければならないことは、クリニックによって保証内容が微妙に異なることです。
永久保証と言うと、二重瞼がどんな状態になっても元通りにメンテナンスをしてくれると解釈してしまいがちですが、クリニックによって、加齢によるたるみや、体重が増加してしまった場合(太ってしまった場合)、妊娠時のホルモンバランスの乱れによって、くぼみや皮膚のゆるみ・垂れ下がりで目元周りが変化した場合など、それぞれ色々な条件で保証を行ってくれるところと行ってくれない所が分かれています。
永久保証を付けてもいざという時に使えなければ意味がないので、しっかりとチェックするようにしましょう。
埋没法の二重整形は、定期的にメンテナンスが必要な施術であるからこそ、この永久保証制度を是非とも付けておきたいものですが、このオプション条件を付けるには、費用もそれなりにかかりますので、何年保証してくれるかという期間のことだけでなく、「何年間、どこからどこまでの状態を保証してくれるのか」を事前にきちんと確認する事が肝心です。
やり直ししないで済む事が一番良い
埋没法は、施術のやり直しがしやすいことがメリットの1つとされていますが、 実際には、やり直しの際に毎回必ず糸を除去してやり直すというものではなく、追加で糸を止める事で対応するケースも多くなっています。
そのため、再施術がうまくいったとしても、瞼の中には糸を留めた部分だけが増えていってしまい、目の中に違和感やごわつき感、目を開けることも辛くなってきたりなど、日常生活にも様々な支障が出やすくなってしまう事もあり、出来ればやり直しよりも「長持ち」させられるようにする事がベスト。
埋没法で作った二重を長持ちさせるためには、普段から強く目をこするなどといった刺激を避ける事や、デザインなどやり直しの必要なく理想的な二重を作れるドクター選びが重要となります。
まとめ
いかがでしたか?今回は、二重整形埋没法の施術のやり直しや、詳しいメンテナンス方法などをご紹介しました。
埋没法はあくまで瞼を糸で留めているだけの方法のため、その効果はある程度の期間が経過すると失われてしまう事もあります。そんな時、適切な方法でやり直しや調整を行う事ができれば、理想通りの二重を継続して保つ事も可能です。
やり直しにはより一層、高い技術を持ったドクターを選ぶ事が重要となりますので、しっかりと技術のあるドクターを見つけて、満足度の高い施術を受けるようにしましょう。