目を二重にする切開手術とは?具体的な内容と方法別の特徴を解説
目・二重整形 (二重切開法)
公開日:2018/10/26
しかし、気軽に行えるプチ整形と違い、切開法はたとえ希望通りにならなくても元に戻すことが出来ないだけに、慎重な判断が必要になります。そこで今回は、切開法の具体的な方法やリスク、失敗しないためのクリニック選びなどを詳しく解説していきます。
1. 切開法の特徴
目を二重にする整形手術には、切らずにまぶたを糸で留める「埋没法」と、まぶたを切開して縫い合わせる「切開法」があります。気軽に二重にしたい人には埋没法が人気ですが、誰にでも適応する訳ではありません。糸で数カ所止めるだけの埋没法は強度が弱いため、まぶたに厚みがある人は希望通りの二重になりにくく、さらに手術後にもとに戻ってしまうなどのデメリットがあるのです。
切開法の場合は、まぶたを切開した際に余分な脂肪や皮膚を切り取る事が可能なので、もともとまぶたが厚い人でも適用になります。しかも、手術の効果は半永久的に続き、もとに戻ることはほぼありません。
ただし、その分リスクもあればダウンタイムも長くなります。失敗した場合は修正手術が出来ますが、すでに一度切開しているため、美しいラインに仕上げるには医師の技量が必要です。気に入らなければ糸を解けば元に戻せる埋没法とは違い、ハイリスクハイリターンだという事を覚えておきましょう。
2. 切開法と埋没法の違い
目の二重手術を検討している人は、埋没法と切開法で迷うことが多いと思います。参考のために、それぞれの違いをまとめてみました。
埋没法
手術方法 : 切らずにまぶたを糸で数カ所留める
持続 : 元に戻る可能性がある
手術時間 : 10分程度
腫れ : 3日〜1週間程度
完成まで : 1ヶ月程度
傷跡 : 残らない
抜糸 基本的には無し
料金 : 5〜10万円程度
切開法
手術方法 : まぶたを切開し、必要なら皮膚や脂肪を切除してから縫い合わせる
持続 : 半永久的
手術時間 : 40分〜1時間程度
腫れ : 2〜3週間程度
完成まで : 3ヶ月程度
傷跡 : 切開した後がわずかに白く残る
抜糸 あり(手術後5日前後)
料金 : 20〜30万円程度
3. 切開法の種類
切開法には、「部分切開法」と「全切開法」の2種類があります。どちらを選ぶかで仕上がりやダウンタイムが違うので、それぞれの特徴をおさえておきましょう。
部分切開法
部分切開とは、名前の通りまぶたを部分的に切開して二重を形成する方法です。一般的には、まぶたの中央部分もしくは両端を3〜5㎜程度切開し、必要なら余分な皮膚や脂肪を除去してから縫い合わせます。切開する部分が非常に小さいため、腫れやダウンタイムが少なく、傷も時間が経てばほぼ分からなくなります。
ただし、もともとまぶたに厚みがある人が部分切開で幅の広い二重を形成するのは難しい場合もあります。無理をすると糸がまぶたに食い込んで引きつれたような仕上がりになってしまう事もあるので、事前に医師とよく相談をしましょう。基本的には、部分切開は埋没法でも適用になるまぶたの人が、より確実に二重の効果を持続させたい時に選ぶ方法です。
全切開法
全切開は、自分の希望する二重のラインに沿ってまぶたを切開し、必要なら余った脂肪や皮膚を除去してから縫い合わせる方法です。切開する大きさは目の横幅によって違いますが、2〜3cm程度が一般的です。全切開は切った部分がそのまま二重のラインになるので、希望通りの二重になりやすいというメリットがあります。また、まぶたが厚い人でもはっきりとした二重のラインを形成する事が出来ます。
ただし、切開する範囲が大きいだけに回復には時間がかかります。傷口がふさがった後も、目を閉じると切開した跡は白く残るので、二重の線と自然に馴染むように上手く手術する事が重要になります。全切開の仕上がりは医師の腕が左右するので、事前のリサーチを怠らないようにしましょう。
4. 切開法のメリット
切開法を検討している人が事前に知っておくべき、メリットとデメリットを解説します。
半永久的に効果が続く
切開法のもっとも大きいメリットは、やはり固定力が強く、一度手術をすれば半永久的に効果が続く事です。実際には、全切開をして余分な皮膚や脂肪も切除すれば、二重のラインが取れる事はまずありません。部分切開でも、よほど無茶なことをしなければ元に戻る事は無いでしょう。まぶたを糸で留めるだけの埋没法では、まぶたが厚い人は半数近くの割合で元に戻ってしまうとも言われているので、一度の手術で一生二重を保ちたいという人には大きなメリットがあります。
厚ぼったい目の人でも適用になる
生まれつきまぶたの脂肪が厚い人や、皮膚が余っている人、またアイプチなどで皮膚が伸びてしまった人でも、切開法ならきれいな二重にする事が出来ます。埋没法では、脂肪や皮膚の除去は出来ないため、一重でもすっきりしたまぶたの人や、奥二重のラインを少し広げたい人などが適しているのです。クリニックでも、今まで何度も埋没法をしたけれど取れてしまった人には、切開法をすすめる事が多いようです。
5. 切開法のデメリット
元に戻す事が出来ない
切開法のメリットは二重が半永久的に持続する事だとお話ししましたが、言い方を変えれば手術の後は一生その目で生きていくという事です。20代の時はお人形のような二重に憧れていても、40代・50代になった時に不自然ではないか、本当に後悔しないかという事も良く考えなくてはなりません。
ラインを修正する事は出来ますが、初回よりも修正手術の方が難易度が高くなるため、技術のある医師でないと希望通りの目元にはならない事、そしてラインの幅を広げる事は出来ても、狭くする事は不可能な事もあります。プチ整形とも呼べる埋没法とはリスクが違う事を良く把握しておきましょう。
ダウンタイムが長い
切開法の場合、個人差はありますが手術後2週間は腫れや赤み・内出血が目立つため、周囲にバレずにこっそりと二重にするというのは難しいかもしれません。全切開法か部分切開法かによってもダウンタイムは違ってきますが、ある程度の期間は手術跡が目立つ事は覚悟して下さい。場所が場所だけにマスクで隠すという訳にもいかないので、学校や仕事がしばらく休める時など、ベストな時期を見計らって手術に望みましょう。
6. 切開法のダウンタイムや痛みは?
切開法の手術後、どのくらいで傷が目立たなくなるのか?また、手術中や手術後の痛みはどれくらいあるのか?などをまとめました。ただし手術後の経過は、もともとのまぶたの状態や医師の腕にも大きく左右されるので、あくまでも一例として参考にして下さい。
切開法のダウンタイム(全切開の場合)
当日〜5日 : 強い腫れや内出血があります。傷口は縫合した跡が目立ち、目の周りが紫色になる事も。特に脂肪や皮膚を切除した場合は内出血が大きく、メイクで隠すのは難しいでしょう。クリニックによっては抜糸までアイメイクを禁止している事も。
5〜7日 : クリニックにて抜糸をします。徐々に腫れや内出血はおさまってきますが、まだまぶたがむくんでいるような感じで、傷口も目立ちます。目を開いている時なら濃いアイメイクで何とか誤摩化せる人もいるかもしれません。
1ヶ月 : 腫れがおさまりはじめて、すっきりとした目元になってきます。目を開いている時は違和感がありませんが、目を閉じると切開の跡がピンク色に残っているので、メイクで隠すのは必須です。
3ヶ月 : 切開の跡が白くなり、二重のラインと溶け込んできます。回復が早い人はメイクで隠す必要も無く、ラインも完成する頃です。ただし人によってはまだ傷跡に赤みが残っている事も。完全に分からなくなるまでに半年近くかかる人もいます。
このように、切開法(全切開)では少なくとも1週間はメイクで隠すのも難しいほど腫れや内出血が出ます。周囲に隠したい場合は、できれば2週間自宅にこもれる状況にした方が良いでしょう。2〜3日で腫れが引く埋没法を経験した人は「こんなに回復までに時間がかかるの?」と思うかもしれませんが、切開するという事はそれだけ皮膚にダメージがかかるという事です。
中には「ダウンタイムは1週間程度」と説明するクリニックもあるようですが、全切開の場合は回復が早くても1週間で腫れや赤みが消える事はありません。あまりダウンタイムを軽く言い過ぎる医師には注意した方が良いでしょう。
切開法の痛み
手術と聞くと痛みが心配になる人も多いと思いますが、切開法では点眼麻酔・局所麻酔・笑気ガスなどを使用するので、手術中の痛みはほとんど感じません。注射を打つ際にチクッとしますが、大人なら耐えられる程度です。手術当日や翌日は麻酔が切れた後にズキズキとした痛みを感じますが、痛み止めを処方されるのであまり心配は無いでしょう。もし強すぎる痛みを感じた時は、すぐに医師に相談して下さい。
7. 切開法の手術方法
実際に、切開法を行う場合の手術方法や流れをご説明します。
- 手術前に、希望のラインを医師と最終確認。ラインに沿ってマーキングをする。
- 麻酔後、部分切開なら3〜5㎜、全切開なら希望する二重のラインに沿って皮膚を切開。
- 必要な場合は、余分な脂肪や皮膚を切除。
- 皮膚の内側・外側と順に極細の糸で縫合する。
- 化膿止めを塗り、冷却。
手術後は、痛み止めや抗生剤を処方され、その日のうちに帰宅出来ます。両目を一度に手術しても目は見えるので安心して下さい。後日抜糸のために来院し、その後の通院に関しては医師の指示に従いましょう。
8. 切開法のリスク
切開法は、経験の多い医師が手術をすれば、大きな失敗のリスクはありません。ですが、稀に起こりうる手術後のリスクも知っておきましょう。
希望通りの仕上がりにならない
二重の幅が左右で違ったり、思ったよりも幅が狭いなどラインの修正が必要になる事があります。左右の幅の違いは、狭い方に合わせるのは難易度が高いので、幅が狭い方を広げて合わせます。そして、平行二重を希望していたのにイメージ通りにならなかった場合などは、蒙古襞を切除する目頭切開も行わないと実現出来ない事も。いずれにせよ、まだ腫れが残っていたり、見慣れていないせいで「何だかおかしい」と感じている場合もあるので、慌てず時間を置きましょう。
傷跡が目立つ
ほとんどの場合は、3ヶ月から半年ほどで傷跡が白っぽくなりほとんど分からなくなりますが、人によっては色素沈着、くぼみ、傷がガタガタしていて二重のラインと馴染まないなどのトラブルが起こる場合もあります。その場合、傷跡を目立たなくするためにレーザー治療を行うか、再手術で縫合し直します。
まぶたがくぼむ
手術の際にまぶたの脂肪を取り過ぎると、腫れが治まった後にくぼみが出る事があります。すっきりした目元にしたい場合でも、やり過ぎは禁物です。年齢とともに目元がくぼんでいく事も考慮して、事前に医師と良く話し合って仕上がりを決めましょう。
9. 切開法に失敗しないための医師の選び方
切開法で希望通りの仕上がりになるは医師の腕にかかっています。後で後悔しないために、カウンセリングの際にチェックするべき点をおさえてきましょう。
カウンセリングは医師が行っているか
クリニックによっては、カウンセリングをカウンセラーや看護婦が行っている所もありますが、医師と直接話が出来るクリニックを選ぶようにしましょう。まぶたの状態はひとりひとり違うので、自分では切開法を希望していても埋没法で十分な場合もあります。
また、切開法をするにしても部分切開法なのか、それとも全切開にするべきなのかはまぶたの厚さや脂肪の量を直接見ない事には判断出来ません。
そもそも、カウンセラーや看護婦は、本来「一般的にはこのような人にはこの手術がおすすめです」という説明しか出来ない決まりになっています。医師が診断するように、「あなたにはこの手術が必要です」と断定するのは違法行為になるので、そのようなカウンセリングの方法をとっているクリニックは避けるようにしましょう。
リスクやデメリットも説明してくれるか
すでにお話したように、切開法はダウンタイムがあり、人によっては数ヶ月間傷跡が目立つ事もあります。また、埋没法と違いもとに戻せない事、二重の幅を狭くする修正手術は不可能な事もあるなど、事前に知っておくべきリスクがあります。もちろん、必要以上にマイナス面を強調する必要はありませんが、事実をしっかりと説明してくれる医師を選びましょう。くれぐれも、メリットだけを説明して手術を急かすような医師は避けて下さい。
当日の執刀医の経歴をチェックする
カウンセリングの際に信頼出来る医師に出会えても、当日の執刀医は違う医師になってしまう事があります。中には、カウンセリングは院長が対応しても、執刀医は研修が終わったばかりの経験が浅い医師が担当するという事も。必ず当日の執刀医を確認し、ホームページなどで経歴をチェックしましょう。
口コミをチェックする
実際に手術を受けた人の満足度を知るために、個人のブログなどで手術の経過や仕上がり、医師の対応などを書き込んでいるものをチェックするのも良いでしょう。ただし、「おすすめのクリニックランキング」などの広告目的のサイトは信用出来できません。自作自演や、お金を受け取って宣伝をしている場合が多いでしょう。
個人のブログでも、やたらとクリニックの宣伝をしていたり、バナーが貼ってるものはブログを使った広告の場合があります。良い事ばかりでなく、正直な患者目線で書いてあるものを参考にして下さい。ダウンタイムやラインの仕上がりなど、実際に手術を受けてみないと分からない医師の腕を見たり、アフターケアが充実しているクリニックかを調べるのに参考にすると良いでしょう。
10. まとめ
目を二重にする切開法は、効果が半永久的に持続して、しかも厚みのあるまぶたの人でも希望通りのラインを作れるというメリットがあります。同時に余った脂肪や皮膚も切除出来るため、理想の目元を作り上げたい人には最適な方法です。
ただし、一度ラインを作ってしまえば簡単に修正は出来ない事、そしてダウンタイムが長期間に及ぶ事もあると言う事を理解した上で手術に望むようにして下さい。
現在切開法を検討している人は、まずは技術のある医師と信頼出来るクリニックを見つける事から始めましょう。