初めてのシリコンバッグ豊胸で500cc以上いれることは可能ですか?
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(2022-08-04)
バスト手術歴20年のClinic Nine Fieldsの九野です。めめさんのコメントだけでは情報が少なすぎますね。めめさんの体格(骨格や大胸筋、乳腺組織や乳房皮膚の伸展度等)や、担当医の技術力、バッグの形状等のファクターの兼合いで決まります。
しかしながら、一般的に申し上げてシリコンバッグそのものの重大な後遺障害や、(日本人の平均的な体格では)下記の問題が生じることが予想されます。
第一に、腋窩創でも乳房下縁切開でも、傷跡が大きくなるか、ギリギリの切開長でも裂ける可能性があります。とりもなおさず、傷跡が隠れない・瘢痕拘縮が広範囲になるなど目立つ瘢痕になりがちです。
第二に、メーカーやバッグの規格(profileや projection等)にもよりますが、大抵シリコンバッグ一つあたりのdiameterが13-15㎝であるため、めめさんの肋骨形状や皮膚伸展度によっては乳頭が外向きまたは下向きのバストになることが充分にあり得ます。
第三に、(大胸筋下層への挿入ではほぼ間違いなく生じますが)乳腺下層への挿入だったとしても、数ヶ月~数年後には肋骨(肋軟骨)が陥凹し、変形してきます。加えて、剥離時の動脈出血や感覚神経損傷のリスクが大きくなります。
第四に、シリコンバッグ破損の可能性が高くなります。どんなメーカーでも規格でも、シリコンバッグの表面積が大きくなるだけでなく、高度被膜拘縮による破裂や微小漏出、乳癌検査時に万一生検される場合や鍼灸院での治療での誤穿刺事故、ブラジャー装着時の特殊な注意点等、トラブル要因が多いでしょう。
欧米では(多少大きめの)体格に合ったシリコンバッグ挿入から始めて、徐々にサイズupしてゆく手法が一般的でした。然しながら最近ではシリコンバッグそのものの危険性が浸透しつつあり、米国ではFDAが(一部の素材を除いて)使用停止命令を出している時代になってきています。下記を御参照下さい。
https://clinic-nine-fields.com/column/houkyou-saishin/
当院では、シリコンバッグの用途や適応については、例えば乳癌術後の形成や乳房皮膚伸展目的の一時的使用等に限定して考えいています。
九野広夫先生のシリコンバッグ挿入の症例 (アフター)
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