ニキビを即効で解消する治し方はあるの? 一番早い改善法は?
ニキビ・ニキビ跡の治療
公開日:2019/01/30
さらに問題なのは、ニキビがあっても仕事で毎日メイクをしなければいけなかったり、ホルモンバランスが崩れたりと、思春期ニキビよりも大人ニキビのほうが、治療が困難なことも多いという事。しかも、大切な仕事を控えていたり、大切な約束があったりするのは、大人になってからの方が多くなってしまいます。
だからこそ、ニキビは一刻も早く治したいですよね。今回は、ニキビを即効で解消するヒントをご紹介します。
監修 浜口雅光
浜口クリニック梅田 院長
昭和60年~62年・・近畿大学病院「形成外科研修医」を務める
昭和62年04月・・・近畿大学大学院「医学研究科」に進学(平成3年卒業)
平成3年~5年・・・近畿大学医学部助手として勤務
平成5年~7年・・・八尾徳洲会総合病院(関連病院)「形成外科医」を務める
平成 7年4月・・・東京整形浜口クリニックを開設し、梅田院院長就任
ニキビの状態別、早く解消する方法
ニキビをなるべく早く解消したいという場合、ニキビの状態によってそれぞれ効果的な手法も異なります。
白ニキビや黒ニキビはケミカルピーリングで皮脂詰まりを解消
ニキビの初期段階、毛穴に皮脂が詰まっているだけの白ニキビや黒ニキビは、詰まっている皮脂を除去してしまえばすぐに解消します。
そこでオススメな治療法はケミカルピーリング。
ケミカルピーリングは強い酸性の薬剤で肌表面の角質層を溶かすため、毛穴の詰まりを直接解消する事ができます。
ある程度炎症が起こっていても施術を受けることも出来るので、ケミカルピーリングは、ニキビの解消に非常に大きな効果を発揮します。
赤ニキビや黄ニキビはレーザーによる治療を
つまった毛穴が炎症を起こし、赤ニキビや黄ニキビになってしまっている場合は、原因である毛穴の詰まりを解消すると同時に、ニキビの炎症を止めなければなりません。
そこでオススメな方法がレーザーや光線による治療です。レーザーにもいくつかの種類があります。炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、ダイレーザー、赤外線、IPLなどをニキビに照射する事で、排膿、角栓除去、皮脂腺の縮小、ニキビ菌の殺菌、抗炎症作用、などそれぞれの作用を利用して色々な治療をすることができます。
ただ、肌の炎症が完全におさまるためには肌の回復を待つしかないため、レーザーによって殺菌したらすぐに肌がキレイに戻るというものではありません。
レーザー治療の跡は、暫く菌の繁殖を防ぐための軟膏を利用するなど、炎症が再発しないようにケアを行う事が重要です。
盛り上がった状態のニキビ跡
ニキビの痛みが引いた跡、赤いふくらみが残るような形で、盛り上がった状態のニキビ跡が残ってしまう場合があります。
これはケロイド状のニキビ跡で、放置しておいても中々治らない場合もあります。
この状態のニキビには、ステロイド注射などによる治療が有効です。肌の過剰な免疫作用などを抑える事で、ふくらみの形成を抑えます。
ステロイドは長期的に利用すると副作用も強いため、しっかりと医師の判断に従って通院を行う事が大切です。
茶色や青黒く残ってしまうニキビ跡
ニキビが出来た跡に、茶色や青黒く肌にニキビ跡が残る場合があります。
これはニキビの炎症によって作られたメラニン色素などによるもので、炎症性の色素沈着です。
薄い色であれば、肌のターンオーバーと共に色素が排出されて解消されていく可能性もありますが、色が濃い場合は肌の深い部分に色素が沈着してしまい、自然な解消が望めない場合があります。
このように色素沈着が発生しているニキビ跡については、抗炎症作用のある内服薬やハイドロキノン外用薬などを使って治療していきます。
クレーター状のニキビ跡
ニキビ跡の中でも解消が難しいのがクレーター状のニキビ跡です。
クレーターは、ニキビによる炎症が肌の深くまで進行して細胞が傷つき、更に肌の細胞が瘢痕化という状態によって自然な回復が出来なくなる事で発生します。
クレーター状のニキビは大きな毛穴のような見た目でとても目立つため、毛穴のケアで改善しようという方も多いのですが、毛穴ケアでは根本的なクレーター解消にはなりません。
この場合、フラクショナルレーザーなどを利用して瘢痕化している肌の細胞に一度細かく穴を開け、自然な細胞の回復を促す事によって治療が行えます。
ただし、治療は1回で完治させる事が難しく、3回~10回程度の治療回数が必要になります。
セルフケアや軟膏などによるケアではまず解消できないため、この方法で数か月から1年程度かけて治療を行う方法が最速となります。
ニキビの治療は早く行った方が負担も少ない
以上のように、白ニキビや黒ニキビといった初期ニキビは治療がそれほど難しいものではないのに対し、ニキビの症状が悪化したり、跡に残ったりすると、その治療はどんどん難しくなってしまいます。
ニキビは放置せず、悪化する前に対処することは、ニキビ治療の必勝法です。つまり、ニキビ改善は時間との勝負だと言えるのです。ニキビ改善に取り組むのが早ければ早いほど、治療は短期間で進み、逆に対処が遅れれば遅れるほど、ニキビ治療は困難を極め、その分、時間もかかってしまいます。ニキビを早く治したいのならば、少しでも早く改善に取り組みましょう。
ニキビが出来やすい肌質を即効で治療するのは難しい
ここまでに紹介したように、出来てしまったニキビはそれぞれの状態に適した治療を行う事で、なるべく早く解消していく事が出来ます。
しかし、単発でできたニキビを治す事はできても、繰り返すニキビを解消しない限り安心はできないですよね。
ただ、ニキビが出来やすい肌質の改善治療は一朝一夕で叶うものではありません。
その理由として、そもそもニキビは様々な原因が重なって出来ているため、その原因を一つ一つ改善していかなければ、本当の改善に繋がらないからです。
ここからは、何度も辛いニキビを繰り返さないため、ニキビの予防法、そして根本的な解消法を紹介します。
正しい洗顔と保湿をする
まずは何と言っても、正しい洗顔です。清潔な肌は、ニキビと縁遠いところにあるものです。
しかし、洗顔のしすぎも肌の乾燥を招くので良くありません。一日二回、朝と夜だけで十分ですので、正しい洗顔を心がけてください。
肌を清潔に保つというのは何も「潔癖症になる」というわけではなく、適切なタイミングで汚れをしっかりと落とすという事が大切です。
正しい洗顔の方法は色々なところで紹介されていますが、基本的には洗顔料を十分に泡立てて、肌を指で摩擦しないように、しっかりと洗うという事が大切です。
擦らないように注意は必要ですが、皮脂などの脂汚れはしっかり除去する必要がありますので、たっぷりと時間をかけて、泡と皮脂をよく馴染ませ、洗い流すようにしましょう。
洗顔料はなるべくシンプルなものを使い、スクラブなど肌の刺激になるものは抑えた方が良いでしょう。
また、洗顔した後は、しっかりと保湿を行う事も大切です。ニキビの原因となる皮脂は、肌が乾燥しすぎている場合にも、肌を守るために分泌量が増えることがあります。
保湿用のスキンケアコスメには、肌表面でフタをする役割のものよりも、セラミドのように角質層に浸透して肌内部から保湿を行うようなものを多く選びましょう。
ストレスをできる限り溜めないこと
ストレスはニキビの大きな原因のひとつです。そして、ストレスの原因は多岐に渡ります。学校があって、仕事があって、家庭があって……さまざまな人間関係の中で暮らしている私たちには、ストレスを一切感じないで過ごすのは至難の業かもしれません。ただ、「できる限りストレスを溜めない」ことはできるのではないでしょうか?
ニキビ予防のため、自分なりのストレス発散法を見つけておくのはとても効果的です。ストレスを可能な限り引きずらないで生きることは、精神衛生上にも良いことが増えます。ぜひ、ストレスを忘れられるほど楽しいことや好きなことを探してみましょう。
また、ストレスによってニキビが出来やすくなる大きな要因は、ストレスによるホルモンバランスの乱れです。
人はストレスを受けると男性ホルモンが優位となり、その影響で皮脂の分泌などが促進されてニキビが出来やすくなります。
一度ホルモンバランスが乱れてくると、その乱れが更なるストレスを呼び込むなど悪循環に陥る事もあります。
そこで、どうしてもストレスによるニキビが頻発してしまう場合は、ホルモン療法によってホルモンバランスの乱れを改善する事も根本的な解消法の一つです。
ピルなどを適切に利用してホルモンバランスを整える事で、肌質を整えニキビが出来やすい状態に導く事が出来ます。
規則正しい生活をする
規則正しい生活はニキビ予防、そしてニキビの改善にとても重要なことです。睡眠時間をしっかりと確保し、バランスの良い食事を摂り、適度な運動をするのが理想的です。一方、外食に頼りすぎたり、夜更かししたりする生活は、皮脂の分泌を増やして免疫力を下げるため、ニキビが出来やすい状態を作る事になってしまいます。
ただ、毎日のスケジュールや忙しさ、自分のために使える時間の有無、さまざまな要因で、すべてを一度に規則正しくするのは難しいかもしれません。無理なことを頑張ろうとすると、それがストレスになることも考えられます。まずは自分にできることから、少しずつ変えていきましょう。
ニキビが出来やすい肌質の出来るだけ早い改善法とは
以上のように、ニキビが出来てしまう肌質の改善には生活習慣など幅広い改善が必要となります。
これらの中から、出来るだけ早い改善方法を選択するのであれば特に以下の内容を取り入れる事が大切だと言えます。
ニキビ改善としての洗顔
やはり、ニキビが出来やすい肌質の改善に最も重要なポイントは洗顔です。
正しい洗顔によって肌にダメージを与えず、肌の汚れを十分に落とす事が出来ていれば、自然とニキビが出来にくい健康的な肌を目指していく事が出来ますので、まずは洗顔、そして保湿ケアの見直しを行いましょう。
食生活を改善する
肌を整えるためには、体の中からのケアが必要不可欠です。
体内からのケアも色々なポイントがありますが、その中で最も大切なのは食事。偏食しないでバランスの良い食生活を心がけましょう。
また腸は食事の栄養素を取り入れる場所ですので、腸内環境を整える事は食事の栄養素を十分に取り入れるためにも大切なポイント。
また、ストレスを感じやすいかどうかは腸内環境にも左右されると言われ、腸が健康であればストレスも感じにくく、ニキビなどのトラブルも少なくなるでしょう
皮膚科を利用する
ニキビは早く治してしまえば治療法も簡単なのに対し、症状が悪化すると治療も難しくなるのは前述の通り。
さらに言えば、ニキビの症状が悪化して肌の細胞がダメージを受けると、その部分のバリア機能が低下してニキビが繰り返しやすい肌質に向かってしまうという面もあります。
たかがニキビで病院に行くというのに抵抗がある人も多いと思いますが、早く治してしまえばそれだけリスクも低くなりますので、早期にニキビを解消できる皮膚科の治療を上手に活用して下さい。
また、繰り返すニキビ肌にはレーザーや光治療による肌質のケアや、イソトレチノイン療法など、肌質の根本からニキビが出来にくくするような治療法もあります。
出来てしまったニキビの解消も、ニキビが出来やすい肌質の改善にも、どちらも専門的な皮膚科クリニックであれば最適な治療を行う事が出来ますので、まずは一度、信頼の出来そうな医師を見つけて相談してみてください。