糸リフト１２本入れたが、突然くぼみが出始めた。

KUNOクリニック　 麻布院　クリニックナインフィールズ総院長

九野広夫男性

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他院修正専門Clinic Nine Fieldsの九野です。原因は、挿入層のミスマッチと過剰牽引だと思います。リフト糸は不足しても挿入しすぎてもダメですが、挿入層が適切でないとその様な合併症を生じます。

私は2006年以降の学術誌で、世界で最も多くのリフト糸挿入デザインパターンを3度に分けて発表していて、その問題点や技術に関しては全て網羅しています。リフト糸挿入にはART（無駄がないこと）のセンスとオーダーメイドデザイン性が問われ、特段の技術を要します。12本はあまりにも過剰本数です。

経過中、想定される問題や（最悪のシナリオを含む）合併症がどうなるのか、万一生じた場合には医院にどうしてもらえるのか、担当医から具体的に術前シミュレーションで充分に説明がされていなければならない筈ですね。担当医のデザインや予後イメージの共有不足、術式選択のミスマッチ、技能不足、術後アフターケアの不徹底等が原因です。

しかも数週間～1ヶ月以上様子を見て下さいとしか言われないことも多く、その間に食事やメンタルの問題が解消されないため、結局十字架を背負わされるのは御本人だけの理不尽な結果になりかねません。徐々に改善することもありますが、数ヵ月以上経過しても根治されていない例も少なくなく、長期予後を診ていないか玉子さんの御心配に対して無責任な医師はそう述べるに留まります。場合によっては、糸本体が溶けても周囲のコラーゲンチューブが残存していれば1年以上もその症状が一部継続してしまうこともあり得ます。

玉子さんの場合、リフト糸が均一レイヤーに挿入されていない可能性があります。約2週間の時間経過後に発症したのなら、挿入糸の遷移や破断、血腫消失後の線維化等によってコラーゲンチューブの引き締まりで過剰な牽引が発症したのかも知れません。

糸リフトの過剰牽引や誤挿入の治療法はがこの業界で確立しているわけではないため、ひどい場合「切開して糸を除去しなければ治せません」と高額請求され結局治らなかった方もいらっしゃると伺います。然しながらリフト糸は一般的にらせん状のcogが強力に挿入レイヤーの周辺組織にかかるため、抜去するのが困難です。

経過後にも治らなかった場合や、御担当医でも治せなかった場合には、改めて当院にご相談下さいね。当院での治療法は、メスを用いずに過剰牽引の解除する方法を用います。

九野広夫先生のスプリングスレッドリフトの症例 （アフター）

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