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美容医療コラム

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フェイスリフト手術のコラム一覧

フェイスリフト手術が何故、当院でNGになったのか?

しわ・たるみ整形(注入、糸、フェイスリフト) (フェイスリフト手術)

●フェイスリフト手術が何故、近年当院でNGになったのか? 私が美容外科医になり始めた2002年頃には吸収糸リフトもなければレーザー機器も未発達だったため、まだ(コメカミリフトやミニリフト・前額リフトやSMAS縫縮併用を含む)フェイスリフト手術が比較的盛んに行われていました。 私の師匠浅見先生もその師匠の高須先生も、美容整形業界では代々技術伝承がなされて症例実績もある程度順当に積み重ねられていました。学会においても高須先生がミニリフト手術をライブで発表されていた程です。 また顔面や下顎のタルミに対しては脂肪吸引による効果も少なからずあり、フェイスリフト手術と脂肪吸引を組合せる先達の医師もいらっしゃいました。 しかし、美容整形の成書にも形成外科の手術書にも当初からフェイスリフト手術には不可逆的な合併症のリスクが多く記載されており、外科医は自身の技術の優劣だけでそれらのリスクを回避しなければならない状況にありました。曰く、縫合不全・皮弁壊死・感染・顔面神経麻痺・三叉神経損傷・耳朶の変形・毛髪の脱毛・瘢痕拘縮・肥厚性瘢痕・顔面の不自然な引き攣れ・・・等です。 医学書にはこれら重篤な合併症を(どんな医師であっても)「100%回避できない」と記載されています。つまり、技術の優劣以前にこの手術法そのものに重篤で不可逆的なリスクが常に内在しているのです。フェイスリフト手術しか希望を叶える方法が無かった時代には、担当医師も患者も毎回「危険な賭け」をせざるを得なかったのが実情です。 その一方で、そんな思いまでして受けたフェイスリフト手術の作用持続も半永久的ではなく、10年前後で(早ければ数年で)タルミが次第に再発してきます。 縦しんば上手くいっても通常のフェイスリフト手術では譬えSMAS縫縮を施していたとしても頬下部しかリフト効果は無く、所謂「中顔面」と言われる頬上部のリフト効果は乏しくなってしまいがちです。 つまり、ほうれい線(nasolabial fold)やゴルゴ線(インディアンライン、mid-cheek-groove)には思う程の効果が出ないのが実情です。当院ではその中顔面の若返りや笑顔時のほうれい線でさえ半永久的に改善させる技術がございます。 また、過剰にリフトされてしまうと今度は口角が過牽引されてしまって口唇の形状が常に「イー」という表情方向に引っ張られ、「ウー」の表情がしづらくなるというジレンマがあります。中顔面にも効果を出そうとすれば耳朶上部の側頭部を切除しなくてはいけなくなり(ミニリフトやコメカミリフト等)、瘢痕部の頭髪が禿げる等のリスクとの引き換えになってしまいます。 現在では、術式そのもののパラダイムシフトや選択肢の増加があり、フェイスリフトをしなければならない状況が随分減少しているのです。 ● フェイスリフト以外で下顎のタルミに有効な方法は? 2005年前後にはSS-ケーブルリフトや、ロシア人シュラマニーチェDr.により顔面のタルミを比較的簡単にリフトできる特殊フェザー系リフト糸「WAPTOS」や「APTOS」が発表されて以来、軽度から中等度のタルミに対してはリフト糸によるフェイスリフトが次第に一般的なものになってきました。 ハイリスクハイリターンのフェイスリフトまたはリフト効果を殆ど出せないプチ整形しか無かった当初は、ローリスクミドルリターンの技法として画期的でした。しかしリフト糸の素材や本数、担当医師の挿入技術等によって効果の程度と作用期間には千差万別の差が出てしまう側面もありました。効果が無いか満足いかない場合には結局他の施術に移行するしかありません。 一方で熱光線で皮下組織のコラーゲン層を熱変性させてスキンタイトニング効果を引き出す各種レーザー治療やタルミにも有効なダーマローラー等も普及してきました。最近では体外式超音波照射とリンパマッサージ効果を組合せたHIFU(ハイフ)施術も登場し、エステ感覚でできる手軽さもあって被験者が増加傾向にあります。 一方で、下顎のタルミが軽度で皮下脂肪の厚みがそれ程ないタイプ(痩せているタイプ)の方には、下顎の脂肪吸引をせずとも脂肪注入や脂肪幹細胞注入だけで半永久的にリフトアップさせる技術もございます。 次回のコラムでは、「骨削り不要の理想的4D V-line(下顎骨line)形成術」について述べて参ります。

解説 KUNOクリニック  麻布院 クリニックナインフィールズ

公開日:2023/11/13

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